今年度、最後のPKTホールの子ども参加者募集がスタートしています!

募集概要:
【公演タイトル】『愛なんだ2023』
【アーティスト】中村蓉(振付家・ダンサー)
【会場】中野区 なかのZERO 小ホール
【開催期間】2023年1月28日(土)~2月26日(日)、全10日間
【対象】小学3年生~中学3年生
【定員】15名
【参加費】無料
【応募&詳細リンク】https://www.children-art.net/nakanozero2022-kodomo/
※募集期間は~12月14日(水)まで!

小中学校でのワークショップでは、歌謡曲のメロディーにのせて、
ユニークにダンスする姿が印象的な蓉さん。
パフォーマンスはとっても素敵で、その上元気で明るい方なので、
きっと今回のPKTも楽しい時間になるのではと楽しみにしています!


でも、具体的にどんなことをするのか。
きっとあまりイメージできない方も多いのではないでしょうか。

ということで、今回のブログでは、PKTホールについて紹介します!
*写真は、この夏、武蔵村山市民会館[武蔵村山市]、大田文化の森[大田区]、赤坂区民センター[港区]で行われた、PKTホールの様子です。


PKTは、芸術家と子どもたちが、
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京と実施しているプロジェクトです。

ダンスや演劇、音楽などの分野で活動するプロの現代アーティストを、都内のホール・文化施設などに派遣。
10日間程度のワークショップを行い、子どもたちが主役のオリジナルの舞台作品をつくりあげます。
最後に発表公演を行い、多くの方々にワークショップの成果を発信していきます。

気になった方は、ぜひ、事業の紹介ページものぞいてみてくださいね。
https://www.children-art.net/aws/pkt/

     R4年度 PKT武蔵村山市民会館 『おどろどろんこどんどきゅう』
     発表公演の様子 (c)木原丹  
   

PKTホールでは、出演者の子どもたちを公募で集めています。
募集情報は、アーツカウンシル東京芸術家と子どもたちのウェブページに掲載されています。
例年(多少の前後はありますが)、4~6月頃と、10月~12月頃にご案内をしていることが多いです。

そのほかにも、劇場の広報誌への掲載や、地域の学校にチラシを配布したり、
子ども向けの情報サイトに掲載する…などもしているので、よかったら注目してみてくださいね。


発表公演を地域のホールや劇場で行うのはPKTホールならでは。
照明も音響も舞台も、機材も技術スタッフも全部プロの劇場空間でワークショップ&発表をするので、
保護者の方から「なかなか体験できない機会になった」などのお声をいただくことも多いんです。

上:今年度の会場のひとつ、赤坂区民センター
下:本番日のワークショップの様子 
(c)松本和幸

また、日数をかけて作品作りを行うのもPKTの特徴です。
子どもたちからアイデアや表現を引き出し、みんなで共有して、試行錯誤をして、シーンを作っていく……

アーティストが準備してくださった振付を踊ることもあるけれど、
決められた動きの練習よりも、
子どもたち自身が想像力をはたらかせて自分たちで動きを生み出していく、
クリエーションの時間を大切にしています。

プロのダンサーと一緒に動きを創作!@大田文化の森 (c)金子愛帆

でも「じゃあ考えてみて!」といきなり言われても困ってしまいますよね。
そこで、いろんなからだ遊びを試しながら、身体の動かし方に気づいていく時間も、
PKTのワークショップでは大切な時間となっています。

子どもたちは、自分の動きはもちろん、
友達と一緒に動きを作ったり、何人かのグループで動きをつくることにも挑戦していきます。

アーティストの北川結さんも交えて、グループの動きを考えました。(c)金子愛帆

公募で集まる子どもたちは、
最初は知ってるお友達がいなくて、ドキドキしていても、
ワークショップを重ねるうちに、メンバーどうしでたくさんお話をしたり、
意見を交わして、同じ舞台に挑戦する仲間になっていくようです。

年齢や学校が違っても、一緒に過ごすうちにすっかり仲良くなりました。(c)金子愛帆

ワークショップも後半になると、
それまでにつくったシーンをつなぎ合わせて、いよいよ一つの作品にしていきます。

子どもとアーティストだけではなくて、
舞台監督や照明、音響、美術など、様々な部門のスタッフも本格的に参加して、
作品をつくりあげていく、仕上げの時間です。

武蔵村山市民会館では、間中ムーチョさんの美術が印象的な空間に。
仕込み後は会場の雰囲気がガラッと変わりました。(c)木原丹

照明さんや音響さんのかっこいい機材に興味津々なところは、
子どもらしくて微笑ましいですが、
子どもたちがスタッフの皆様にリクエストをしたり、小道具の相談をしている姿を見ると、
一人の出演者としてここにいるんだと頼もしい気持ちになります。

(c)木原丹


本番前日にはリハーサルを経て、最終日にお客様へ作品をお届けします。

発表は、子どもたちはもちろん、アーティストもスタッフもドキドキしながら迎えます!
みんなでつくってきた舞台だから、最後まで妥協せず、試行錯誤が行われます。
この日のための衣装も身に着けて、1度きりの本番に臨みます。

赤坂区民センター 発表公演の様子(c)松本和幸 

会場も、アーティストも、集まる子どもたちも毎回異なるPKTの公演。
そのときだけのスペシャルな舞台を作っています。


PKTホールについては、
これまでにも動画やコラム等でも取り上げています。
下のリンクから、ページ中央の<活動の様子>にまとまっていますので、
気になる方はこちらものぞいてみてくださいね。


ということで、現在PKTホールは、
中野区のなかのZEROでのワークショップの参加者を募集しています!
そして発表公演は、観覧無料で、どなた様にもお越しいただけます!(要予約)
観覧情報公開まで、もう少々お待ちください。

すこしでも多くの方に興味をもって頂けたら嬉しいです。

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写真でご紹介したのは、以下のホールです。

R4年度 PKT武蔵村山市民会館 『おどろどろんこどんどきゅう』
振付・構成・出演:青木尚哉 美術:間中ムーチョ
出演:小学2年~高校1年生の子どもたち
(c)木原丹

R4年度 PKT大田文化の森 『ワイルドワイルド!』
振付・構成・出演:北川結 音楽:西井夕紀子
出演:小学3年~6年生の子どもたち
(c)金子愛帆

R4年度 PKT赤坂区民センター 『めにみえないもの製造工場』
振付・構成・出演:辻田暁 音楽:ファルコン
出演:小学3年~中学3年生の子どもたち
(c)松本和幸 

※後日、記事の内容に沿った写真の掲載も行います。
★『お祭りやろう!』ワークショップ最終日(発表会)★
8日間のワークショップも今日が最終日そして発表会です。初めて楽屋に入った子どもたちは朝から興奮気味でした。
まずは、それぞれが衣装を動きやすいように直したり、模様を描き足したりしました。
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それから集合して、シーンの最初から練習しました。グループごとにやっていたおまじないは、みんなでできるように合わせました。ところどころトチアキさんが、場所や向きをなおしながら、誰に向かっておまじないをしているの?と子ども達に声をかけ、本番はお客さんに見せるだけじゃなくて、うんと効き目があるように本当におまじないをかけるのが大切だと教えていました。
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昼休憩
次のリハーサルは、子ども達が考えてきた特技を、やりたい人から順に真ん中で披露しました。昨日までの恥ずかしがったり嫌がっていた様子はどこかに消えて、やりたいという手が次々に上がりました。二重飛びや、ブリッジ、公文、ヴァイオリンなど、さまざまな特技を見せてくれました。
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それから、真ん中に吊るしてある分身を揺らすための、二つの作戦を確認しました。
一つは熱あげシート隊の全員バージョン。三つに分かれて左右からの部隊と真ん中の部隊をつくり、それぞれの部隊で話し合ったりしてより効果がでるように工夫しました。
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もう一つはヒップホップの曲をかけて、ランニングマンをしました。みんなで輪をつくり、指を指している方向を真ん中の分身に集めて、一生懸命音楽に合わせて左を向いたり右を向いたりして踊りました。子ども達は時間がおしているなかでも、集中して取り組んでいました。
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そのあとは、楽屋に入って、衣装に着替えました。子ども達はてきぱきと着替え、おとなに帯を締めてもらっていました。衣装を着たあとは、神さまにあげたいもの(公園で拾ったもの)をそれぞれ持って、入場する扉の前に並びました。
さていよいよ本番です。最初のおまじないこそ緊張の面持ちがあった子どもたちも、特技を披露するコーナーではリラックスしながら、他の子の特技を見て楽しんでいるようでした。本の朗読では、会場が一体感に包まれました。全員の特技を見ることができよかったと思います。
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最後の氷オニは、8日間のワークショップ期間中にやらなかった日はないくらいに、子ども達の大好きな遊びです。本番にできたことによって、今までワークショップでやってきたことが子ども達のなかで繋がると良いなと思いました。
記事:平野さりあ
撮影:羽鳥直志
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≪8日間記事を書いてくれた、レポーターの平野さりあさんより≫
今回、8日間レポートを書かせていただいたことは私自身にとって貴重な体験と発見でした。このワークショップはそれぞれの体験と発見があり、捉え方はさまざまだと思います。その全てを書き表すことは難しく、その”言葉で表せない”体験が重要であり、やることの意義だと感じました。8日間のご精読、ありがとうございました。
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≪トチアキタイヨウさんより、発表会に関しての補足≫
『お祭りやろう!~見えないものに出会うための自由研究』 2015.7.30~8.9(8日間)
「神さまって何だろう?どうやったら会えるだろう?」という問いをもとに8日間のワークショップを行い、最終日に公演形式の発表と展示をもって報告とした。
■舞台
会場となるホールは体育館のようなフラットな床、舞台もあるが使用せず、ホール中央には白のシート(5.4mx3.6m)が敷かれ四隅に紙でできた茶色い塚、観客は取り囲むように座布団または椅子に着席。
上空には斜めに紐が張られ、紐には紙で作った「分身」と呼ばれるひとがたが40体ほど吊り下げられ揺れている。
■展示
奥の壁面にワークショップのレポートを中心とした展示(1mx14m)。
■衣装
身を隠し、守るための装束。自分で考えた魔よけの紋様を描いた紙で、顔を含む全身を包み、頭には身代わりとして紙でできた小さな分身を乗せている。
■構成
日本のお祭りの一般的な形式に倣って、神さまを呼ぶ、一緒に楽しむ、占ってもらう、帰ってもらうという構成。
0、場を整える
1、入ってくる
2、呼ぶ(おまじない)
3、共に楽しむ(特技の披露)
4、神託(遠くのものを揺らす、遊びと占い)
5、帰ってもらう
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トチアキ タイヨウ/ダンサー・俳優・演出家
https://www.children-art.net/tochiaki_taiyo/

★『お祭りやろう!』ワークショップ七日目★
今日は、はじめの30分で衣装直しとてっぺんにつける分身をつくりました。その後、トチアキさんから本番の構成の話がありました。本番どんなことをするのか気になっているようで、子ども達は盛んに質問をしていました。また、お客さんのなかに、もしかしたら、かみさまや霊、死んだ人がいるかもしれないという話がありました。それによって、じぶんのひいおじいちゃんやひいひいおじいちゃんの話をはじめる子もいました。「じぶんはどこからやってきたの?」という質問に対して、子ども達は、「お母さんのおなかの中」や「細胞」、「じゃあその前は?」とさらにさかのぼった質問に対しては、じぶんがやってきたのは、「海」、「天国」等々という答えが返ってきました。反対に死んでしまった後に対しては、「焼かれる」、「骨でアクセサリー作る」等の意見と、生まれ変わるごとに宇宙人、世界人、さいごには、神さまや天使や悪魔になっていくのだと話している子もいました。
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午前中の最後に、前に隠したじぶんの分身を探しに外へ行きました。前日に雨が降っていたことや、掃除されたりしている可能性を懸念していましたが、実際に行って探してみると、たくさんの分身が残っていました。白い紙で作った分身の中には草色になっているものもありました。その後は、神さまにあげたいとびきりなものをそれぞれ拾いました。せみのぬけがらや、小石、小さなお花などがありました。
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昼休憩
昼休憩後は、各おまじないのグループに分かれて、みんなでできるように少し変えたり整えたりしました。そして、本番の構成をとりながら、各グループのおまじないを、みんなで順番にやりました。その時の担当をしているグループ以外の子達は周りを囲みながら、そのおまじないを見守りつつ、サポートをしました。全員が参加することによっていままでグループでやってきたおまじないの力が、強さを増したようでした。
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★『お祭りやろう!』ワークショップ六日目★
今日はおまじないの衣装づくりの続きをしました。表面には模様や文様をペンで描きました。なかには、目が分からないようにたくさんの目を描いたり、じぶんの着ている姿を描いて、どこにじぶんがいるのかを紛らわせるような模様を描いている子もいました。描いたりするのは特に楽しいようで、描き悩むこともなくインクがなくなるまで描いていました。頭のてっぺんにつくる分身は、じぶんの身体の一部や身につけているものを少しくっつけたりしてじぶんになるべく似せてつくりました。ある程度できたところで、衣装の上から着物の帯を巻いて、その姿で動いてみたりしました。
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昼休憩
休憩後は、本番のお祭りのことについての話をしました。劇やダンスは何を見せているのか、人に見せるって何だろう、という問いかけと、大事なのは”違う世界をつくる”ということ、本番という時間は、練習や他の時間とは異なる時間、異なる空間なので、神さまを呼ぶという行為をすることと繋がっているといった話でした。
その後は、おまじないを考えたグループに分かれて、そのおまじないを、もっと広い範囲に向けたものに変えました。昨日考えた手順をベースにしながら、より効果的になるように工夫をしました。
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順番におまじないをホールの真ん中で発表しました。
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●おまじない1
[呪文]9Kへアカモン “9”…棚の段数、“K”…神の頭文字、“ヘア”…髪の毛の仕掛け、“カモン”…呼ぶ
[手順]はじめに手で拍子をとってから、今度は足で拍子をとります。呪文を唱え、ポーズをしながら一歩ずつ歩きます。死んだふりをしてから、起き上がると同時に紙袋で作ったお面をかぶり顔を隠します。起き上がると、大きな声を出したり、うめき声をあげたり、走りまわったりします。手で拍子をとりながら、再び真ん中に集まります。
●おまじない2
[呪文]ガラガラガラガラガラ(息が続くまで)ガッチャン
[手順]神さまを呼ぶ為のしるしをからだのどこかに貼っておきます。次に「私たちは人間です。悪いことはしません。」と言って、“神さまメガホン”でみんなで呪文を息が続くまで唱えます。最後に、「神さまおいで?」と言います。
●おまじない3
[呪文]にうよすまえあにまさみか
[手順]魔方陣のかかれた紙を床に置いて周りを囲みます。ゆっくりと周りを歩きながら、呪文を唱えます。一回呪文を唱えるごとに、持っている人型を魔方陣の中へ落としていきます。全員分の人型を落とすまで続けます。
●おまじない4
[呪文]神さま天使出ておいで
[手順]最初に大縄跳びをします。跳ぶ瞬間に、一人目は“神さま”二人目は“天使”三人目は“出ておいで”と言います。次に、大縄のそばに置いてある、お絵描きおまじないの紙等の上に1人が立って、大縄を跳んでいる子のタイミングに合わせて、呪文を唱えます。それを人数分繰り返します。
おまじないの振り返りをしながら、明日に向けて、じぶんの得意技を披露しようというお話がありました。
記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ五日目★
今日は、昨日と同じグループに分かれて、おまじないを考える続きをしました。子どもたちに家に帰って考えてきてもらったアイデアを参考に、それぞれのグループの中で話し合いました。身体を動かしながら新しいアイデアを見つけていくグループや、みんなで紙を囲みながら絵や文字をつかって話し合っているグループなど、特色が出ていました。
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そして、各グループの発表会をしました。
●おまじない1
[場所] 棚の隙間
[呪文]9Kへアカモン ”9”…棚の段数、”K”…神の頭文字、”ヘア”…髪の毛の仕掛け、”カモン”…呼ぶ
[手順]呪文をポーズとともに唱えます。死んだふりをしてから起き上がると同時に紙袋で作ったお面をかぶり顔を隠します。みんなでラップ風に呪文を唱えます。
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●おまじない2
[場所]舞台袖のあいている穴
[手順]ちぎった紙で床に円をつくり、中に顔のかいた紙を置いおき、みんなで鬼ごっこをします。途中、みんなで同時に円の中にタッチをして、遠くに隠れて様子を見ます。鬼ごっこをしている間にひとり増えているかもしれません。
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●おまじない3
[場所]棚の隙間
[呪文]ガラガラガラガラガラ(息が続くまで)ガッチャン
[手順]私たちは人間です。悪いことはしません。と言ってから一人ずつ順番に呪文を「かみさまメガホン」で呼びます。遠いところまで届くようになるべく息が続くまで長く唱えます。最後に、「かみさまおいで?」と言います。
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●おまじない4
[場所]舞台袖のあいている穴
[呪文]かみさまおねがい
[手順]一つめは、お絵描きおまじないをします。絵を描いた紙を、大きな紙に貼付けて置いておくと、そこに出現するかもしれません。二つめは、舞台袖の穴にむかってみんなで呪文を唱えてポーズをします。
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休憩。
後半は、おまじないの衣装をつくりました。ロールクラフト紙を身体にそった好きな大きさに切って、こっそりと覗けるような穴をつくったり、からだはなるべく見せないような工夫をしました。じぶんの姿が見つからないようにする為です。明日はこれに文様をかいて、頭の上に身代わりの分身をつけます。
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今日の宿題は将来の夢をかいてくることです。
記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ四日目★
今日はまず、昨日設置した神さまへの仕掛けの様子をみんなで見て回りました。
それから、じぶんの分身をつくりました。紙を八つに折り、はさみで切って八つの分身を作りました。一つ目の分身はホールの中の怪しいところをそれぞれ探して置きました。次に、残りの分身を持ってホールの近くの植木のある草の茂った空き地に行きました。道中では息をひそめたり静かに向かうために分身を口にくわえて歩きました。
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空き地に着くと、みんなで神さまの潜んでいそうな場所を探しました。探索してみると、地面にはありの巣や木には蝉がいる等たくさんの生き物がいたようです。それからじぶんの作った分身を怪しい場所に一つずつ置いていきました。分身を置く場所にあったものを代わりに拾いました。見せてもらうと、四葉のクローバーや石ころや挟まっていた木の枝などがありました。子どもたちは遊具がない中でも、蝉を捕まえたりいろんなことをして楽しそうに探索をしていました。
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視界の左側と右側を同時に見つつ、普段気づかないところまで感じながらゆっくりと歩いたりもしました。じぶんの分身と交換して拾ったものを持ってホールに戻りました。
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昼休憩。
舞台の天井に分身が一つ吊り下げられていました。
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子どもたちがそれに気づいた時、その高い位置に吊られている分身は揺れていました。どうしてその分身が揺れているのだろうという疑問に対して、子どもたちからは「クーラーの風」という意見が出ました。そこでクーラーの風を切ってもらい、みんなでその分身を揺らすための作戦をたてました。
一つ目は、”熱あげシート隊”
みんなで列になり、ホールの舞台側から腕をくるくるまわしながら「熱あげ、熱あげ」と唱えながら一斉に後ろに下がっていきます。一番後ろの壁までたどり着くと、せーので、「シート!」と叫んで手のひらを分身に向けてパワーを送りながら分身の方までみんなで走り出します。すると、しばらく時間があいた後、分身は大きく揺れ始めました。本当に揺れている!とみんな感動しながら喜んでいました。
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二つ目は、”驚かせる”
じぶんのからだを隠して、ホールにはまるで誰もいないようにシーンとした空間を作ります。身を潜めながら心の中で100数えるとゆっくり舞台のそばまで集まります。それからみんなで息を合わせて、手を叩いて分身を驚かせるという作戦です。一回ずつ叩いても分身はなかなか揺れなかったのですが、たくさん叩き始めると、その瞬間からまた大きく分身は揺れ始めました。手を叩く行為と分身の動きは確かに連動しているようでした。
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三つ目は、”踊る”
吊るされている分身の下の舞台で、みんなで踊るという作戦でした。みんな得意なダンスの動きをしながら踊っていると、また分身も踊っているかのように小刻みに揺れだしました。それからみんなで同じ言葉を唱えながら揃えてジャンプを繰り返しました。その大きな空気の動きに動かされているかのように、天井に吊るされた分身もまた合わせて揺れていました。
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分身が揺れたりあまり揺れなかったりしていましたが、最終的にはどの作戦も最後には分身を揺らすことができ成功したようでした。作戦の実行中も子ども達からはアイデアが絶えず出てきて、新しいやり方が加わっていきました。じぶんの考えたものをみんなでやってみたりすることが楽しいようでした。実際に分身が動いたりしたときはとても満足そうにしていました。
最後はグループに分かれて、神さまを呼び寄せるおまじないを考えました。ホールのどこにかみさまを呼ぶか、その時の呪文や動きを話し合いました。
明日に続きます。
記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ三日目★
今日はまず、からだをほぐすストレッチをした後、二つのグループに分かれました。一つのグループはバラバラに床に寝そべって、もう一つのグループは寝そべっている子たちの中から、ターゲットを一人相談して決めます。そしてみんなでその子に向かって「おーい」と叫びながら近づいていきます。寝そべっている子たちは、目をつぶったりなるべく見ないようにしながら、じぶんが呼ばれたなーと思ったら立ち上がるというルールです。なかなかじぶんが呼ばれたのが分からないことの方が多くありました。「おーい」と呼びかけるチームは二つや三つに分かれて、始まる地点を二方向や三方向からにしたりして複雑にしながら楽しみました。
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次に二人組を作ると、一人はタオルで目隠しをし、もう一人は決めた合図や声、例えば「トコトコ」や「ひゅひゅー」などの言葉をかけ、声で相手を誘導します。近づいたり遠ざかったりしながらぶつからないようにいろんな方向に歩き回りました。いろんな声の中から、じぶんのパートナーの言葉を探すという難しい環境でしたが、しっかりとパートナーの方へ向かっていことができました。
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二回目のワークショップに考えたおまじないの効果を話しつつ、じぶんの体験した怖い話をしました。怖いものについて考えた子たちの中からは、トイレや廊下、人形、死神などがあがり、怖い話の中からは、朝起きたら窓ガラスに子どもの手跡がたくさんついていた、などが出ました。
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昼休憩
昼休憩後はしっぽ取りゲームに工夫を加えて、観客が周りをぐるっと囲みながら、対戦する二人を応援したり、輪から飛び出そうになったら押し戻してあげる役割をします。なるべく小さい輪っかになりながら隙間をつくらずに見守っていました。やりたい子が多く、ついには審判の役もつくられ観客もゲームに積極的に参加していました。逃げるもの同士や、逆にお互いが取っ組み合いながら接近し合うもの同士、様々な対戦がありました。
いろんな神さま、精霊、悪霊、魔人、巨人、小人、人魚、一反木綿やまっくろくろすけなど良いもの悪もの含め、たくさんの目に見えないものの話をした後、ホールの中で探してみました。
ホールの明かりを消し、照明が暗くなっていくと、興奮が高まってきて、「本当にに神さまいるかも!?」「怖い!!」という声があがりました。一旦静かになって、もう一度改めてそーっとじぶんの怪しいと思った場所を探し出しました。ドアの下の隙間の明るいところや、すきま風の出ているところ、暗くなっていたり穴があいていたりするところが怪しいと思う場所になりやすいみたいでした。舞台のとびらをあけて外の光と風を入れました。すると中の天井に黒いものが通ったり、怪しいと思っていた場所が変わったりと微かな変化が起こりました。
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それからみんなの発見した怪しい場所、怪しいことが起こった場所の地図をつくりました。率先してここでこんなことが起こった!と説明してくれる子もいて地図はたくさんの怪しいもので埋まり、じぶんが見ていなかったなと思う場所にも怪しいポイントがたくさんあったようです。特に怪しいと思われやすいところは”すきま”でした。机のすきま、ドアのすきま、何かと何かの間が怪しくなりやすいようでした。
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地図が完成するとその場所に神さまが本当にいるのか確かめてみよう!ということで、仕掛けを作りました。何かおびき寄せるものや、居た形跡が残るものを最後にホール内の怪しい場所にセッティングして、次の日それがどう変化しているか様子を見てみることにしてみました。食べ物の残りを置いて、その食べ物が食べられていたり動かされていたら、もしかしたら神さまの仕業かもしれません。あるグループは、舞台の階段にシャケを置いてみたり、別のグループではイスの下を紙で囲み、中にもしかみさまが居るとしたら逃げられないようにしました。また別のグループは、棚の隙間にラップを置いたり、髪の毛を吊るしたりしてそれぞれの神さまへの仕掛けをきちんとセッティングし明日に備えました。
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記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ二日目★
今日は始めにじぶんの分身をつくりました。
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じぶんの形を触ったり、友達と触りあっこしたりしながら、紙でじぶんの形をつくって竹ひごに吊るしてみました。それからその分身とお散歩をしたり、友達の分身とあいさつをしたりしながら、部屋の中を分身と一緒にぐるぐるまわってみました。最初は「分身どうしよう」と言っている子も、だんだんとじぶんの分身に顔を描いたり、愛犬をつくったり、可愛がってあげていました。
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それからその分身を連れて外に出てみました。風でひらひらする分身を心配しながらも、分身を塀の隙間の中に入れたりして、向こう側はこんな世界だったとお互いに分身の気持ちになって話し合ったりしていました。
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公園に着くと、暑い中でも子どもたちは早速じぶんの分身を連れて遊びだします。滑り台やブランコに連れ出して分身にも同じ格好をさせてみたりして、大事に面倒をみていました。シーソーで遊んでいる子の中には、分身のついている竹ひごをシーソーにさして、分身同士がシーソーの上で釣り合ってる大発見をしていました。周りにいる子たちも次々とじぶんの分身をシーソーにのせていくと、かすかにシーソーが動いたかも!と、最終的には人間の魂と分身の魂の重さ比べで、念力を送ったりしながら勝負したりしました。
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水分補給をしながらも、元気のある子どもたちは鉄棒でいろんな遊びを披露したり発見したり、元気な様子でした。
次に、分身を誰にも見つからないようにじぶんだけが知っている場所に隠す、分身のかくれんぼをしてみました。隠れている姿が見えない物陰の中に入ったりして、じぶんも見えないようにする子もいれば、歩き回らないでいつのまにか隠して余裕な顔で待っていたり、様々なじぶんだけの秘密ごとをつくっていたようです。それから、その隠した分身をみんなでまた見つけたことを誰にも言わないように探しました。見つけられなかった子から五つ六つ見つけた!という子まで、みんな積極的に発言していました。何かの下敷きになっていたり、よく見たら確かにそこにいるはずなのに気づかなかったりして、ネタばらしを最後にみんなでしながら、こんな隠し場所があったのか!とたくさんの発見をしました。
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それからホールに戻ってお昼休憩をとりました。
休憩後はみんなで片付けをしながら萩原さん(アシスタントさん)の手と足にテープを巻いて封印して、新聞紙で全身をみんなで隠しました。靴の中にも新聞紙を入れたりいたずらを楽しみました。封印された萩原さんを起こしてみよう!と話し合って萩原さんの周りを囲みながらみんなで思いっきりうるさくして、ある合図で一瞬で静かにしてみようという案に決まりました。一回目は静かになりきれなかったけれど二回目にぱっと静かになって、萩原さんの封印がとれて起きると、子どもたちからどっと歓声が起こりました。
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みんなが机に集り、今度は”おまじない”を考えました。まず身近な知っているおまじないを話し合うと、恋のおまじないから友達と仲良くなるおまじないまで、小学校で流行っているおまじないがたくさん出てきました。いろんなおまじないを知ったところで、神さまを呼び出す”おまじない”を一人ひとり内緒にしながら考えてみました。神さまの”み”と”さ”の字から”3”と言う数字が導きだされて3日の3:33に「かみさま!」と叫ぶ、神さまと一万回書く、などの意見が出る中、一つ決めてやってみよう!ということで33分になった瞬間にみんなで「ゴッドハッピーパタパタ!!」と大きな声で言うことに決定しました。33分に近づくにつれて緊張したりわくわくしながらも、「神さま本当にいるのかな?」という顔をしている子もいました。
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33分、ゴットハッピーパタパタ!!!!!!
一斉に叫ぶと一瞬空気が変わったようにしん、としました。きょろきょろとあたりを見回しているとなぜか、一点をそろって見ていることに気づき、もしかしてそこに神さまが?誰かが「光っているよ!」というと誰かが「ほんとだ!」と言って、「あそこだけ何かが違う」と言うと、みんなでその空間に目を凝らしました。あれは、神さまだったのかもしれません。
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最後にみんなでからだをほぐすストレッチをしました。二人組になってからだの力を抜いて、もう一人の子が揺らしたり、こんどは棒に変身してもう一人の子が持ち上げてあげたり、みんなでその棒になっちゃった人を立たせてあげたりしました。子どもたちは、「じぶんより重いおとなを立たせてあげるから寝て!」とチャレンジ精神満載だったと思います。まだまだ遊びたい!と言う子が多く、終わる時間が来た後も残って遊んでいる子が多くいました。
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記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ一日目★
演出家のトチアキタイヨウと小学生の子どもたちによる8日間のワークショップが東大和市民会館ハミングホールで始まりました。
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まずは、”居眠りおじさん”というネイチャーゲームの一つの遊びをしました。
みんなで輪をつくって真ん中には”居眠りおじさん”役の人が目隠しをしてたからものを守っています。気配を消してゆーっくり近づいて気づかれないようにたからものをとってくるというルールです。
当てられた子は見られた!という顔をしながらも、またやりたい!と積極的に参加していました。
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”居眠りおじさん”のまわりにだんだん新聞紙、紙袋で結界がはられていくと難易度が高くなっていき、子どもたちは、どうやってたからものまでたどり着こうか?後ろから?前から?
周りで見ている子たちも集中してその場を見守っていました。
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次に気配を消しながら歩きました。そーっと音をたてないように、みんなで歩いたら扉のあく音、ペットボトルのキャップをあける音、どんな音がしたかこっそり教えあいながら、こどもたちはまわりの音に敏感になっていきます。誰かの後ろをつけてみよう。ばれないようにこっそりつけていると、いつのまにかじぶんの後ろにもこっそりついてくる誰かがいたりします。
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(休憩)
トチアキタイヨウさんと子どもたちで神さまについてはなしました。
神さまってなんだろう?
いいもの?わるいもの?
神さまってどこにいるんだろう?
空、海、地下、妄想、じぶんの中、どこにでも!やっぱりいない!
こどもたちからたくさんの答えがかえってきました。
神さまをさがそう!
神さまのすがたはみえない。見えない神さまをさがすには……
作戦1 変身する  自分以外の誰かになってみよう。自分のすがたを隠してみよう。
作戦2 分身する  自分の分身を作ってみよう。
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変身した時のために先にいたずらを考えました。
ふだんはおこられちゃうこと、悪くてたのしいこと
家の鉛筆の芯をぜんぶ折る
目覚まし時計の時間を遅くする
お風呂のお湯をスライムにする
先生のボールペンをとってテストを100点にする
服のボタンを一個ずらす などなど
世界のことからお風呂場や好きな食べ物までさまざまないたずらっ子がでてきました。
変身してみよう。紙袋をつかってじぶんを隠してみよう。
覗き穴から見る世界はいつもと違っているみたい。
手を出してみたり紙袋をひっくりかえしたり、髪の毛もだしてみたり
もういちど歩いてみると、あれ、へんな人がたくさんいる!
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今日はここまで。
記事:平野さりあ

先日、日頃お世話になっているボランティアスタッフの方々への感謝の気持ちをしめす機会として、そしてまた、今後ボランティアをしたいと考えている方たちに、当NPOの活動とボランティア業務についてよりよく知っていただくための機会として、交流会とささやかなパーティを開催いたしました。
当日はあいにくのお天気だったのにも関わらず、18名の方々が参加して下さいました。学生や社会人の方々など年齢も背景も様々な方が集い、みなさんのお話を聞いているだけでも楽しい会となりました。

第一部では、当NPOの活動についてスライドを交えながら説明させていただきました。みなさんが熱心に聴いて下さるので、スタッフの話にも熱が入り、あっという間に時間がすぎていきました。
第二部はカモカフェで、立食パーティを行いました。いくつかのグループに分かれ、ボランティア経験者とスタッフが各グループに入るようにして、参加者の方に自己紹介や、興味のある分野についてお話もしていただきました。一人ひとりとお話ができたこと、声を直接聞けたことが、スタッフにとっても今後の活動に大いに役立ちます。

今回は、昨年の交流会や、ボランティア経験者の方のご意見も踏まえ、第一部でボランティアの方にお願いする記録の仕方などを具体的に説明する時間も設けましたが、その分、経験者の方のお話を聞く時間がなくなってしまったことが反省点でした。なので、アンケートの中から、いくつかご意見を紹介させていただきます。
◇ボランティアに参加してよかったと思うこと(交流会アンケートより)
「子ども、先生、アーティスト、皆さんの細かい反応を実際に目の前で得ることのできる感動や、圧倒的な力を感じることができるので、非常に嬉しかったです。」
「子どもたちと普段まったくふれあう機会がなかったのですが、この活動を通して本当にいろいろな子どもたちと出会って楽しい思い出がたくさんできました。」
「子どもがどんどん変わっていく、自由になっていくところを目撃できたこと。同じ状況に対して、先生がかける言葉とアーティストがかける言葉は違って、でも両方が必要なんだと気付きました。」
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また、ありがたいことに交流会そのものへの感想も温かく、「ボランティアに参加してみたい。」というお言葉もたくさんいただきました。そして早速ボランティアに申し込んで下さった方々もいらっしゃいます!6月からは保育園でASIASのワークショップが始まり、夏以降はパフォーマンス・キッズ・トーキョーのワークショップも始まります。お互いにまだまだ話足りない事もたくさんあったと思いますので、今度は現場でお会いできることを楽しみにしています!そして、みなさんの声をもっともっと聞かせてもらえると嬉しいです!