三重県伊勢市にある宮川医療少年院にて、水内貴英さん(美術家)と中学生の子どもたち11人とのワークショップを実施しました。2日間連続、各回90分・120分の実施となったワークショップの様子をご紹介します。

『わたしがいる場所~小さな世界を作ろう』と題された今回のワークショップで大切にしたのは、一人ひとりが「自由に作ろうとする」体験をすること。
「自由に作る」というのは、楽しいことではありますが、同時にとっても難しいことでもあります。施設の特性上、自由が少ない環境に身を置いている子どもたちが、そこに挑戦することで、これから社会で生きていく上での何かの力に繋がっていけば嬉しいなと思いながら、ワークショップの場を紡いでいきました。

体育館に並んだ2mほどの高さがあるシーツテント。中には電球が1つ吊るしてあります。
「これから2日間かけて、一人一つ、テントを自由に自分の空間にしていいです。作りたくなかったり、どうしようか悩んだりしたら、テントの中で寝ててもいいんだよ。」という水内さんの声掛けに、少し驚きながらも、開始と同時に早々に手を動かし始める子どもたち。

材料は水彩絵の具、油性マジック、色紙、カッティングシート、毛糸、リボン。それらを自由に使って、それぞれの空間を形作っていきました。

「テントの中をプラネタリウムみたいにしたいのだけど、どうしたらいいですか?」
「虹を描きたいんですが、虹の色の順番教えてもらえますか?」
「紫色って、どうやったら作れるんでしたっけ?」

水内さんはじめ、私たちが何か指示したり誘導したりすることもなく、子どもたちそれぞれに、作りたいものやイメージがあり、そこから生まれる疑問や課題に、大人が応えていくような形で進行していった今回のワークショップ。

自分の作品を描ききると、ふと隣の子の作品を見て、「それ、いいね」と声をかけ合っていたり、「こっちもこうしてみようかな」と新たなアイディアを思いついて作品に反映させている姿も印象的でした。

あっという間の2日間。ワークショップ終盤には、体育館の電気を消して、テントの灯りを楽しんだり、一人ひとりの作品鑑賞ツアーも行い、こだわったところ、みんなにみてほしいところを話してくれる子もいました。

ワークショップ終了後、子どもたちが書いてくれた感想文をいくつか紹介します。


・今まで美術というものに対して好きとか楽しいという気持ちをもったコトがほぼありませんでしたが、今回の体験で、美術への考え方がグッと変わりました。

・何事も実践してみたりしている時間が良いなと思いました。

・(印象的だったのは、)他の人がくふうして作っているのを、そんなふうに使えるんやと、見て面白かったこと。自分の想像で、いろいろなことを考え作って楽しいと感じられたこと。

・絵をかいている時は夢中で、ずっと集中していました。作業一つ一つが楽しかったです。

・今までは先生からやらされているような感覚があり楽しめませんでしたが、そのような感覚もなく、自分から考えていく楽しさがありました。

・美術の勉強をしたいので出来たら又来てもらえるとうれしいし、楽しそうな風に思うので又お願いします。


芸術家と子どもたちとしても、初めての経験となった少年院での美術ワークショップ。
子どもたちから湧き出て来る発想力や創造力に、驚かされ続けた2日間でした。

突然来た私たちを快く受け入れてくれ、臆することなく「自由に作ること」を楽しんでくれた子どもたち、また、子どもたちが安心して楽しく活動に参加できるよう、心を尽くしてくださった水内貴英さん、そして宮川医療少年院の先生方に、この場を借りて心から感謝申し上げます。

【助成】公益財団法人 ベネッセこども基金

R5(2023)年9月より実施している「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」での、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップ。
今回はワークショップレポート第3弾をお送りします。

●これまでのワークショップの様子
>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.1

>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.2

いつもは施設内のスペースで実施しているワークショップですが、今回は敷地内にあるグラウンドで、音楽を楽しみながら絵を描く「ライブペインティング」を実施しました!

絵の具と大きな紙、そしてカッパを用意すると…
子どもたちは少しずつ絵の具と筆を手に取り、描きはじめていきます…!

武さんも加わり、子どもたちも楽しそうに描いていると、それを見てまた子どもたちが集まってきました。

そのすぐ近くでは、アーティストの皆さんが演奏で子どもたちのペインティングを盛り上げていきます!

演奏はもちろんのこと、武さんは子どもたちが塗る色の言葉を歌詞にして歌い、即興ソングでペイントを盛り立てます。

絵を描くほかに、楽器に興味をもって集まってくる子どもたちもいて、太鼓や鍋などのオリジナル楽器をたたきながら、ペイントと演奏が色濃く交わっていきました。

最後の最後まで、紙が擦り切れるまで夢中になって描く子どもたち。

最後までやりきり、とても良い顔を見せてくれました。
今回ペイントした紙はしっかりと乾かし、その後のワークショップでも切り貼りしながら使っています。

特に最後まで描いてくれた2人の子どもたちは、最初から最後まで2時間ほど集中して描いており、最後に「できた」と宣言!まわりの大人たちも心からの拍手を送るシーンが印象的でした。

今回も、子どもたちのダイナミックなパワーと創造力に驚かされるワークショップでした!
[ライブペインティングWS写真撮影:金子愛帆]

主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

墨田区立の小学校・特別支援学級、1~6年生の子どもたち15人と取り組んだ、ある日のワークショップ。アーティストの荒井康太さん(ドラマー・太鼓奏者)、アシスタントの鈴木彩華さん(ダンサー)と、子どもたちや先生が紡いだ、音楽とダンスがまじりあった一日をご紹介します。

事前の打合せでは、先生からの「とにかく子どもたちが音を出すことを楽しめたら良いな」というリクエストと、アーティストの「音楽をもっと自由にしたい」という想いを伝え合ってワークショップ当日を迎えました。

会場となった視聴覚室には、アーティストが持ち込んだ楽器や、学校からお借りした楽器が並べられ、部屋に入るなり「世界中の楽器が集められてる」と興味津々の子どもたち。まずはそれぞれ気になった楽器をしばらくさわってみました。その後、アーティストが一つひとつの楽器を鳴らして紹介しながら、アシスタントのダンスを観てもらい、そのうち子どもたち自身の気持ちも膨らんで、自然と自由に演奏する時間になっていきました。

いろんな太鼓が合体した楽器を何人かで一緒に演奏したり、荒井さんの出身地・青ヶ島の太鼓を両側から好きなリズムで叩いてセッションしたり、友だちと一緒に音を楽しむ姿も見られました。

普段学校では見かけないような楽器を身に着けたり、アーティストと一緒に呼応するように鳴らしたり、部屋のそこここで、いろいろな音楽が生まれていました。

そのうち「ダンスもやってみよう」という声かけで、静かな動きや静かな音を出したり、いつの間にか誰かとつながって踊り始める子がいたり、身体を使った時間も広がっていきました。何人かで相談しながら動きを考えたり、電車のようにつながってみたり、その間も、どこかしらで、何かしらの音が鳴っている時間が続きました。

最後には、少し外に出てみました。持って鳴らせる楽器を選んで、みんなで中庭をぐるっと一週。土管の中も器用に通って、パレードを楽しみました。そうして教室に戻り、「まだやりたい」という名残り惜しい声を聞きつつ、ワークショップを終えました。

最後の先生との振返りでは、「普段そんなに楽器に興味を示さない子も、初めて見る楽器に興味を持ってさわっていた」「楽譜を演奏するだけじゃない、こういう音を楽しむ時間があって良いと思う」といった感想をいただきました。

大人が導くだけではなく、子どもたちに場を委ねながら、子どもも大人も関係なく音楽とダンスを思うままに行き来して過ごす時間が、心地良い一日となりました。


このワークショップは、花王ハートポケット倶楽部/花王株式会社の協賛をいただいて実施しました。

都内公立小学校にて伊藤壮太郎さん(俳優・舞踊家)と子どもたちのワークショップを実施しました。
アシスタントとして児玉彩愛さん(ダンサー)にご参加いただき、さまざまな表現に触れる2日間のワークショップとなりました。

まずはウォーミングアップ。はじめに、聞き慣れた「ラジオ体操第一」で準備体操をしました。身体に馴染んでいる動きですが、ちゃんとやってみるとジャンプや身体のひねりなど面白い動きもあります。伊藤壮太郎さんから「難しい動きはあった?」「どんな動きが好きだった?」と聞かれると、子どもたちはしっかり思い返して「この動きが好き」と話し合いました。

次に、伊藤さんの「次はラジオ体操 第13?第14?くらいのオリジナルダンスをやってみよう!」という声に、子どもたちも興味津々。伊藤さんの動きや、アシスタントの児玉さんの動きをまねしながら、新しい動きに次々とチャレンジしていきました。途中、元気いっぱいに走る姿をみて、伊藤さんはゆっくり動く表現も取り入れていきます。

バランスをとる動きや、床にある線に沿って歩いてみるなど、たくさん身体を動かしながら、さまざまな表現を体験した子どもたち。

次に円になって、隣の人に拍手をまわすワークを実施。何回か繰り返すと、きちんとお隣の友達に拍手を渡して繋げていくことができました。次は、オリジナルポーズをお隣にまわしていきます。すぐにポーズする子も、少し考えながらポーズを考える子も、全員があたたかく見守るなかで、しっかりと伝え合う時間をつくることができ、1日目のワークショップを楽しく終えることができました。

2日目は、子どもたちの自由な表現を引き出すことに加えて、伊藤壮太郎さんの言葉やお題などを聞きながら表現していくワークにも取り組みました。

手や指先が天井に引っ張られているように動いてみたり、寒いときの歩きかたをみんなで探ってみたり…!お友達の表現も「いいね!」と認め合いながら、イメージして表現することを楽しみました。

さらに、グループに分かれて表現を創作することにも挑戦。何をテーマに表現するかを相談し「怒っているトカゲ」「家で遊んでいる猫」「天気がカンカン照り」など、子どもたち自身が出したアイディアを身体で表現することにも挑戦しました。グループの発表が終わったら、何に見えたか感想を共有しました。いろんな回答を出し合い、こんなふうに見えたよと感想を伝え合いました。

伊藤さんは「みんなが思っていることが大正解」「どんな風に思ったかを伝えてくれてありがとう」と、子どもたちみんなの表現を大事にする姿が印象的でした。

最後は、伊藤さんと児玉さんのダンスをみんなで鑑賞。真剣に見ていた子どもたちは、二人のダンスが終わったあと「すごかった」「(表現が)泣いているように見えた」など、子どもたちの心に残る体験になったようでした。

伊藤壮太郎さんは「言葉ではない方法でも、こうやって伝え合うことができる。何を伝えようとしているのかな?とよく観察することで、こう思ったよと表現することもできるんだよ。」と表現の楽しさを伝えてくれました。

あっという間の2日間でしたが、子どもたちはワークショップのなかでたくさんの表現に触れ、自分で考えたオリジナルの表現を他者と共有する時間を大切に過ごしました。

伊藤壮太郎さん、児玉彩愛さん、ご協力いただいた先生方に心より感謝を申し上げます。
ありがとうございました。


【助成】積水ハウス株式会社/積水ハウスマッチングプログラムの会

R5(2023)年9月より開始している「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」で、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップ。

前回のレポートでは、初回ワークショップの様子をご覧いただきました。
>>『うたう、つくる、あそぶ』ワークショップレポート vol.1

2回目以降のワークショップでは、アシスタントにストウミキコさんをお迎えして、音楽はもちろん身体をつかって表現を楽しむワークを実施!

コップに小豆をいれた小さなシェーカー(楽器)にゴムを付け、足に装着すると、どんな動きにもシャカシャカと愉快な音がついてきます…!

自由に足踏みをして鳴らしてみたり、武さんの奏でる楽器の音と足踏みを揃えてみたり、たくさんの動きと音を楽しみました。

次は、床に白い養生テープを貼り… 線を引くだけで、あっという間に今日だけの「道」が完成。

白い線だけを踏みながら、音楽をよく聞いて音が鳴っているあいだだけ動き、音が止まると動きも止めるワークも、自由に動き回る時とは異なり、バランスをとりながら感覚を研ぎ澄ませてチャレンジする様子がみられました。

子どもたちが音を鳴らし、アーティストや職員さんなど大人が動くのも、楽しい時間です。

これまでのワークをさらに発展させた実施回では、「道」もさまざまな形がうまれていき、道の途中にはたくさんの楽器や、楽器となるフライパンやペットボトルなどを散りばめ、太い道には絵を描き、子どもたちのアイディアが詰まった空間のなかで、思い思いの音あそびを楽しみました。

次回のレポートは、屋外で実施したライブペインティングの様子をお届けします。
どうぞお楽しみに!

※3/11追記
ワークショップレポートvol.3もぜひご覧ください!

>>ワークショップレポートvol.3はこちら


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

R5(2023)年9月より「そだちのシェアステーション・つぼみ(清瀬市)」で、武徹太郎さん(音楽家・美術家)と子どもたちの音楽&美術ワークショップがスタートしました!

今回の会場「そだちのシェアステーション・つぼみ」は、R4(2022)年4月に開所した清瀬市にある施設です。子どもの放課後の第三の居場所・ショートステイ・子ども食堂の場として利用され、地域の子どもや大人が集まる地域交流スペースを目指しています。

今回のプロジェクトでは、施設の「土曜開放日」にワークショップを実施しています。土曜開放日は普段の施設利用者のほか、近隣小学校の子どもたちや親子など地域に開かれた日となっており、さまざまな子どもたちが集まってきます。

初回のワークショップでは、武徹太郎さんとアシスタントの織田洋介さん・一樂誉志幸さんの生演奏を全身で浴びながら、武さんの音の世界に引き込まれていく子どもたち。

音クイズや楽器クイズなどを楽しみつつ、子どもたちは武さんが演奏している楽器や、身近なペットボトルでできた楽器に興味津々です…!

ワークショップ後半は、実際に子どもたちが楽器に触って音を出し、それぞれの音色やリズムを見つけながら、アーティストの皆さんと子どもたちとのセッションがところどころで繰り広げられていました!

普段見ることのないサンプラーという機材には、あらかじめ様々な楽器の音や動物の鳴き声などが保存されており、番号がついたボタンを押すことでそれぞれの音が出る仕組みになっています。

この機材に夢中になった子どもたちは、自分の好きな音を探したり、友達の音に自分の音を重ねたりしながら音の世界を楽しんでいました。

ワークショップはまだまだ続きます。次回のワークショップレポートをお楽しみに!


※3/11追記
ワークショップレポートvol.2、vol.3もぜひご覧ください!

>>ワークショップレポートvol.2はこちら

>>ワークショップレポートvol.3はこちら

 

主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ
こどもの未来応援基金の支援を受け実施しています

都内公立小学校子どもたちと取り組んだ楠原竜也さん(演出振付家・ダンサー・ファシリテーター・ダンス研究者)とのワークショップをご紹介します。特別支援学級1~6年生の子どもたち20名と、全3回のワークショップ。今回は、その2回目の様子を写真とともにお届けします。

楠原さん(たっちゃん)はじめ、アシスタントの皆さんと子どもたちが挨拶をした後、この回から加わった、ドラマー・有吉拓さんの演奏を聴きくところからワークショップがスタート。身体に響く大迫力の演奏に圧倒されながら、早く動きたくてたまらない子どもたち…!

さぁ早速ドラムのリズムにのって、身体を動かしてみよう!円になって、たっちゃんの動きを真似しながら、前回よりもパワフルに踊りまわる子どもたちの様子が印象的でした。
続いてペアになり、一人が全身を使ってトンネルをつくり、もう一人がくぐっていく「トンネルのワーク」。先生も加わりながら、色んなトンネル、色んなくぐり方を楽しみます。

先生やアシスタントなど、大人がつくった様々なトンネルを、子どもたちが一斉にくぐっていくトンネルツアー!すごいスピードでくぐっていく子どもたちと、一生懸命トンネルをキープする大人たち…!

続いて、ペアで目と目を合わせたまま自由に身体を動かす「アイコンタクト・ダンス」を実施。前回以上に、色んな動きを試したりして楽しんでいる子どもたちの姿がありました。
3グループに分かれて、友達の動きを見る時間もつくることで、友達がやっていたことを真似してみたり、また違う動きに挑戦してみたりなど、子どもたちの動きの幅もぐんぐん広がっていきます。

最後は、体育館ぜーんぶを使って全員でやってみよう!たっちゃんの掛け声に合わせて、次々とペアを変えながら、目が合った人とのアイコンタクト・ダンスを楽しみました。途切れなく鳴り響くドラムのリズムに呼応するように、子どもたちの動きも迫力や広がりを増していきます。
終わりの合図が出ると、全部出し切ったような達成感溢れる表情の子どもたち。みんなのエネルギーやパワーが、余韻となって体育館いっぱいに満ちていました。

終わりの挨拶の時、子どもたちからは「楽しかった!気分がよかった!」、「みんなの動きが迫力があってよかった」などなど、素敵な感想をもらいました。また次回会えることを楽しみにしながら、今回のワークショップを終えました。
身体を通して、色んな友達と向き合い、息を合わせて動いた90分。表現することの楽しさや気持ち良さを身体いっぱいに感じている子どもたちのダンスを、いつまでも見ていたくなるワークショップでした♪

芸術家と子どもたちでは、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の支援を受けて、豊島区内のひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち、母子生活支援施設の子どもたちなどとのワークショップを実施しました。

最終日には、2つのチームが交流して、オリジナルの演劇作品の発表会を行いました。

◎実施概要

ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたち×渡辺麻依・酒井直之
参加した子どもたち:年中~中学2年生 22人
アーティスト:渡辺麻依(演出家・俳優)、酒井直之(振付家・ダンサー)
アシスタント・アーティスト:佐藤円(俳優)、ケンノスキー(俳優)、鈴木亜希子(俳優)、豊田ゆり佳(ダンサー)
ワークショップ実施日:➀5/13 ②6/24 ③7/22 ➃7/29 ⑤8/12 ➅9/30
母子生活支援施設の子どもたち×中村大史
参加した子どもたち:小学3年生~中学1年生 5名
アーティスト:中村大史(音楽家)
ワークショップ実施日:➀7/8 ②8/10 ③8/24 ➃9/9 ⑤9/16 ➅9/30

・演劇&ダンスワークショップ

渡辺麻依(マイボ)さん&酒井直之(なおっち)さんは、認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下、WAKUWAKU)の協力をえて、ひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、外国にルーツを持つ子どもたちなどと演劇&ダンスのワークショップを重ねました。

参加した子どもたちの年齢の幅が広かった今回のワークショップ。

暑い時期のワークショップだったということもあってか、海の世界をイメージして、空間をのびのび泳いでみたり、海の生き物を身体で表現しあったり。即興でセリフを考えてオリジナルの物語をつくることにも挑戦しました。

また、劇で使う小道具をつくる工作の時間も取り入れながら進んでいきました。カラフルな軍手に目をつけてイソギンチャクを表現したり、透明フィルムで海の生き物を作って影絵遊びも楽しみました。異年齢の子ども同士で協力したり、アーティストたちに手伝ってもらったりしながら、いろんな海の生き物が完成しました。

・母子生活支援施設でのワークショップ

中村大史(アニー)さんは、愛の家ファミリーホーム(母子生活支援施設) の子どもたちと、音楽のワークショップを行いました。

アイルランド音楽の演奏家でもある中村さん。子どもたちは珍しいアイルランドの楽器に実際に触れてみたり、ブラジルの手遊び歌『ビンバンビリビリ』に挑戦して、リズムにあわせて身体を動かしたりもしました。

「音のしりとり」では、隣の人のハンドベルの音が完全に鳴りやんだタイミングで、自分のハンドベルを鳴らします。毎回のワークショップには、職員さんも一緒に参加して、繊細な音に耳を澄ませる時間も丁寧に共有していきました。

・発表会

最終日には、演劇&ダンスチームと音楽チームの子どもたちが交流し、ひとつの演劇作品を発表しました。

『ふしぎな海の物語』というタイトルで、海の世界に迷い込んだ子どもたちが、海の生き物に出会い、ゴミで汚れた海を綺麗にしていくというオリジナルの物語です。

セリフ、ダンス、音楽、影絵で表現しました。

演劇&ダンスのチームと音楽チームは、初めて交流しましたが、お芝居やダンスに合わせて演奏する場面では、互いの動きをよく見て、音をよく聴いて表現する子どもたちの真剣な姿が印象的でした。

発表会には子どもたちの保護者の方々や、WAKUWAKUの関係者の方々、愛の家ファミリーホームの職員さんなどの子どもたちの支援に関わっている地域の大人たち、このワークショップを支援してくださったコープみらい×中央共同募金会の方も足を運んでくださいました。

劇本編の前には、出演する子どもたちが声をかけながら、お客様にもカラフルなフィルムを切りぬいて海の生き物を作ってもらいました。劇のなかで、その生き物を使って登場してもらう観客参加の時間も設けられ、皆様が楽しく参加してくださいました。

発表後、出演した子どもたちが観客の皆様に感想を聞く時間も設けられました。

「自分なりに表現しているところが上手だった。」「生き生きと、堂々と表現していて成長を感じた。」などの感想を、子どもたちは少し照れながらも嬉しそうな表情で受け止めていました。

子どもたちからは、

「最初はすごくドキドキしたけど、どんどんやっているうちに楽しくなりました。またやりたいです。一番楽しかったことは、音楽に合わせて踊るところが楽しかったです。いい思い出になりました。ありがとうございます。」(小学4年生)

「みんながすごい頑張って、自分も頑張る気になれた。」(小学2年生)

「楽しかった。みんなが協力していてとても良かった。」(中学1年生)

などの感想が届きました。

終了後はアーティストやWAKUWAKUや愛の家ファミリーホーム職員、芸術家と子どもたちスタッフとで大人の振り返りを行いました。

参加した子どもたちの変化、発表でキラキラした表現が見られたことに喜びながら、地域の子どもたちとの表現の場を継続していくためには、「ドアをたたき続ける」地域の大人たちの存在が大切だと改めて認識することができました。

ワークショップをきっかけに新しい地域の友達に出会ったことや、アーティストと一緒にひとつの作品をつくり、お客様から大きな拍手をいただいた経験は、子どもたちにとってもかけがえのないことだったと思います。

サポートしてくださった保護者や地域の皆様、WAKUWAKUや愛の家ファミリーホームの皆様、そして、コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』の寄付者の皆様に、心よりお礼申し上げます。


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:コープみらい×中央共同募金会『子ども・子育て支援助成』
協力:認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、社会福祉法人 愛の家 愛の家ファミリーホーム

10/8(日)「ゾニーとからだあそび探検」でした!

ゾニーこと、大園康司(ダンサー、振付家、舞台音響家)さんと、チェリーこと、アシスタントの上村さんによるワークショップ。

親子のペアワークや参加者みんなが混ざってつくる動きなど、たくさん身体を動かしたプログラムでした!

「鏡の動き」では、リーダーを決めて、お互いの動きを鏡に映るように真似していきます。

まずは、親子ペアワークからスタート!
後半は、参加者みんなが混ざって挑戦!
「次はゾニーの真似をしてね」「次は、チェリーの真似!」と、どんどんリーダーを変えていきます。

子どもも、大人も、今日参加した一人ひとりがリーダーになって、いろんな動きをやってみました。


お父さんのおもしろい動き
3歳の子どものでんぐり返しのような動き 
ある男の子のゆっくりした歩き

それぞれがその人の身体から出てくる動きで、素敵でした。

手と手を離さないようにして動くペアワーク。
くるくると自転して、まさにダンスしているような動きや、足の間をくぐるような難しい動きまで、親子で工夫しながら楽しんでいました。

一番盛り上がったのは、風船のワーク!
風船を床に落とさないように、身体のあちこちを使ってパスしていきます。

サーキュレーターを上に向けて、その上に風船を置くと・・・・

まるで魔法がかかったみたいに、ふわふわ浮く風船!
それを見た子どもたちは、キャーキャーと嬉しそうに声をあげていました。

風船はプレゼント!ぜひお家でも遊んでみてね。

次のプログラムは、10/16(土)です。レポートをお楽しみに!


ぞうしがや こどもステーション

9/18(月祝)は「北川結とカラダおどるココロおどる!」でした。

ダンサー・振付家・イラストレーターの北川結さんと、アシスタントの内海正考さんによるワークショップ。

初めて「ぞうしがや こどもステーション」に来てくれた親子も多かったのですが、
明るくて和やかな雰囲気の中、笑いの絶えない時間でした!

最初は、親子でからだのあちこちをくっつけます!
ひじ!
あたま!
おしり!

あし!

「ああ!それもありだよね。」と言っていた、あるお母さん。
足と足をくっつけるのでも、それぞれいろんなかたちができました。

親子ならではのペアワークがどんどん続きます。
まるでジャングルジムのように、子どもが大人のからだをよじ登る!

みんな、なんという安定感でしょう!
どんどん高く、高く、よじ登っていき、最後は子どもたちのからだを高ーく持ち上げたりもしました!

内海さんの三味線に合わせて、動きを真似するコーナー!

「三味線」の演奏!?それに合わせるの!?
と、最初はみんながびっくりしていましたが、とてもいい音に包まれていろいろな動きを展開しました。

音が止まると、動きも止まります。
片足があがっていても、からだがよじれた態勢でも、ぴたっと止まっていましたよ。すごい!

~番外編~

三味線をじーっと見つめて、からだいっぱい音を聴いていた赤ちゃん。
それを見ていたみんなも、にっこり。


「大人(私)が楽しかったです!」というアンケートも多かったです。
お父さんもお母さんも、いっぱい動いていたので筋肉痛になるかも・・・
今夜はお風呂につかって、からだをほぐしてくださいね。(笑)


ぞうしがや こどもステーション
https://www.children-art.net/aws/zoshigaya/https://www.children-art.net/aws/zoshigaya/