いよいよ「どんどこ!巨大紙相撲~にしすがも場所」がスタートしました。
東京は台風が直撃という、とても残念な天気になってしまいましたが、1年生から6年生までの子どもたち10人が集まりました。
北は北海道、南は沖縄から出張してきた、たくさんのスタッフや、部屋の中に作られた土俵と巨大な紙相撲力士に、みんな興味津々。力士は、これまでの近隣の小学校や児童館でのデモンストレーションで使ったきたもの。
まずは巨大紙相撲協会理事長(!)であるKOSUGE1-16の土谷さんから「ごっつぁんです」と、ごあいさつ。子どもたちも、自分が呼ばれたいニックネームに「関」をつけて、力士風に自己紹介(「○○関です」)。スタッフは親方役です。
「力士の自己紹介はしないの?」という子どもたちからの声で、それぞれ気に入った力士を選び、しこ名を相談。
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「勝つという意味を込めて『勝(まさる)』!」
「ボロくないから、反対にして、『ロボ』!」
ピカピカしたテープがついていたことから、「ピカリンフレッシュメタボ」という連想も生まれました。
取り組みでは、学年が大きい子が集まった部屋(チーム)が勝つかと思ったけど、低学年の子たちの部屋が勝ったりしてびっくり。
初めての体験で、どんどこ叩きすぎて手が痛くなっちゃったかな。白熱した戦いが繰り広げられ、子どもたちもどんどん紙相撲に引き込まれていったようでした。
そして、いよいよ力士を自分たちでつくってみることに。
初めて会うお友達と大きなダンボールを目の前にして、はじめはなかなか手が出なかったけど、沖縄から出張してきたりんりん親方をはじめ、部屋についた親方の力を借りて、力士を作っていきます。
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ダンボールカッターでダンボールを切るのは力もいるし、角度も考えなければ切りにくく、コツがいるけれど、低学年の子も親方に助けてもらいやってみたら、意外にテクニシャンで親方もびっくり。
どこを押さえたら切る人が切りやすいか、どうすればケガをしないか気をつけながら活動していきます。
1年生の男の子は、切っている3年生の男の子を「がんばれがんばれ」と応援していました。
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力士制作の一方で、最終日の「にしすがも場所」で、優勝した力士に授与される優勝カップや、優勝パレードで力士が乗るオープンカーやなどのデザインもしていきます。
やっとの思いで力士を切り抜いて形になると、ある種の達成感が!
といってもまだまだこれからいっぱい作るのですが。道は長い。がんばるぞー。
すごくメタボな力士がいたり、少し背が低くてやたら胸の大きな力士がいたり(小錦みたい!)、ちょんまげまで作っちゃう力士がいたり、個性的な力士が形作られました。これからどんな装飾がされるのか、期待です。
最後に、生まれたての力士で一勝負。
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「残った残った!」
みんな負けないように丈夫に作ったので、必死にたたいても足がしっかりしてなかなか動かない力士も。
お互い後ずさりして勝敗が決する取り組みもあり、笑いが起こりました。「ちょ、ちょ、待てよ」という感じ。
他と比べて背の低い小錦(?)は、体の重量にまかせて相手を押しだしていました。さすが。
自分たちで作った力士で取り組みをしてみて、少しずつ愛着が湧いてきたのではないでしょうか。
「ねぇ、次は何するの?」「次もよろしくね、親方!」という子も。
千秋楽に向けて、強い部屋にするぞー!
これから4回、「ごっつぁんです!」。


毎回1つのキーワードをもとに、パティシエさんと一緒にスイーツを楽しむ親子向けワークショップ「パティシエさんのワゴンカフェ」。今回は「くるくる」がキーワードのスイーツです。
エプロンを身につけた子どもたちの前に現れたのは、いろんな種類の食品器具。これ、みんな「くるくる」に関係あるものばかり!「どんなことに使うかわかる?」「おすし巻くやつ!」「こうやってクリームかきまぜるの!」「これは…わかんない!(ワインのコルク抜きでした)」みんなで器具を手にとりながら、パティシエさんと、台所の中で見つかる「くるくる」の話をしました。

次にヒロミパティシエさん、みんなの前で粉や水などを混ぜ、それをこねこねこね。薄くのばしてくるくる巻いて、渦巻き型のシナモンロール作りを実演しました。
さてさて、みんなもパン生地に触りたくてうずうずしっぱなしの様子。くるくるこねこねしたいよね!

それぞれがパン生地を手にして、くるくる作りのスタートです。ぶどうのつぶのように丸める子もいれば、棒状にのばしてそれをカタツムリのように丸める子も。それぞれ思い思いの「くるくる」を自由に作っています。あら?うさぎの顔もできたのね。
みんなの作った「くるくる」は残念だけど食べられないけども、今日はもう一つおまけで食パンとジャムを使って食べられるくるくる巻きを作りました。

くるくる巻きと、パティシエさんの作った焼きたてシナモンロールとで、みんなそろっていただきまぁす!
教室中がいいにおいで溢れていました。

 

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読んだ本:「うさぎちゃんとおひさま」「やさいたちのうた」「このにおいなんのにおい」「いちご」
天気もいいし、みんな運動会の応援に行っちゃったかな~。ということで、10月のえほんの会はとっても少ない人数でのんびりゆったりと行われました。食欲の秋、おいしいものがいっぱいの秋、そんな時期にふさわしく、食べ物がたくさん出てくる絵本を読みました。午前は、「やさいたちのうた」を読みながら、さやかおねえさんたちがからだを使って次々と出てくる野菜になりきってみました。茄子になってぶらさがってみたり、トマトになってケンカしてみたり、竹の子になってどこまでものびてみたり…。

071013ehon2.jpg午後は、今度は大人も子どもも混じって、カレーライスの材料になりきってカレーライス作りをしました。包丁役の子が野菜役のお父さんお母さんお友達をトントンときざんでお鍋の中へ!大きなしゃもじでみんなをかき混ぜて、味をみて、「塩が足りない!」とたんに野菜役の子も鍋から飛び出してみんなで塩探し!最後はルーをご飯にかけてできあがり!
最初は「山天国(という名の遊具)」の上で高みの見物をしてた子も、いつの間にか参加して、最後には特大カレーができました。あーおなかすいたー。

朝日新聞の日曜教育面のコラム「あめはれくもり」にて、芸術家の子どもたちの活動の中で出会った子どもたちの姿を、9月23日より4回シリーズで連載しています。
このブログ内ではあまりお伝えできていなかったエイジアス(学校にアーティストが出かけ、先生と協力しながらワークショップ型授業を行う)の風景をご紹介できれば、と思います。
以下、掲載コラムの転載です。
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朝日新聞 2007年9月23日朝刊 25面 「あめはれくもり」
「子ども+芸術家=?」 堤康彦
「とんぼざくら」
このまちのおすすめスポットを尋ねた観光客役のスタッフに、小学6年生の男の子が答えた。「えっ、なにそれ?」。話を聞くと、団地の公園に夕方とんぼがたくさん集まり、夕日にあたって金色の桜のように見える。その風景を彼が名づけたのだという。
昨年11月、東京都練馬区内の小学校で行った、美術家・岩井成昭さんのワークショップでの一場面だ。テーマは「ツーリストインフォメーションセンターをつくる」。小学校は大規模団地にあり観光地ではないが、もし旅行者がきたら、自分のまちの魅力をどのように伝え表現するか。子どもたちは、自分なりの視点でまちを見直し、物語にしたり、造形作品にしたり、粘土を使ったクレイアニメにしたりした。
ワークショップ型の授業を提供する活動「エイジアス」を私が始めたのは7年前だ。音楽、ダンス、美術、演劇など様々な分野の現代芸術家を小学校に派遣し、先生と協力して授業をつくる。いまの社会を強く意識しながら、新しい価値や表現を生み出す創造のプロフェッショナルである芸術家。彼らが子どもたちに出会うとき、毎回様々な化学反応が起き、子どもたちは得がたい何かを学ぶ。
少子化や情報化などで大きく変化する現代社会で、子どもにとって切実に必要な学びは何なのか。私はそれは、アートによる学びであり、創造的な教育であると確信している

◇つつみ・やすひこ 10年間のサラリーマン生活を経て、01年にNPO法人「芸術家と子どもたち」を設立。42歳。