保育園の4・5歳児クラスで行われた、城俊彦さん・伊藤知奈美さん(「Co.山田うん」ダンサー)のワークショップをご紹介します。体操や外遊び、鬼ごっこなど、身体を動かすことが大好きな子どもたちなので賑やかな身体表現活動をやってみたい、との先生からのリクエスト。どんどん新しい動きを経験したり、友だちとふれあったり、みんなの前で踊ってみたり、汗だくになりながら一人ひとりのダンスを探す2日間となりました。

1日目、最初は「おはようございます!」の挨拶から。少し緊張した面持ちの子どもたちでしたが、手を上へ伸ばすなど動作もつけながら「おはようございます」を繰り返し、身体をほぐして自然と大きな声が出るようになっていきました。そして、元気よく挨拶をした後は自己紹介。事前に先生には「ガムテープに好きな名前を考えて貼って下さい」とお願いしていたので、ワークショップの間はみんな一人ひとりの「ダンサー名」で呼ばれます。「ひゃくじゅうのおう」「はっぴー」「ぱいなっぷる」「ひこうき」「ぶるーきのこ」など、バラエティ豊かな名前を、一人ひとりアーティストが呼びながらハイタッチ。その度に繰り出されるアーティストの動きにも、子どもたちの活動への期待が高まっていき、動きもどんどん増えていきます。
みんなの名前を呼び終えたら「おはようございます」から「こんにちは」、「よ」、「は」と言葉遊びのように言葉をつなげて、それに合わせた様々な動きを真似します。ほっぺを叩いたり、お尻を叩いたり、「おにぎりの具はなあに?」という質問に「お肉!」「お魚!」と子どもたちが答えれば、それをその場で取り入れて動きにしてしまうアーティスト。いつもとちょっと違う不思議な動きを次々に真似して動いていたら、いつの間にかアーティストとの距離もぐっと縮まっていきました。

たくさんの動きを経験した後は、その場で好きなポーズをいくつか考えて「ピタッ」と静止。ポーズが決まったら音楽スタート!「ドレミの歌」や「幸せなら手をたたこう」など子どもたちにも馴染みのある曲がジャズ風にアレンジされた曲を使い、振付を真似しながら一緒に踊ります。子どもたちは時には歌を口ずさみながら、右へ左へ部屋中をアーティストと一緒にめいっぱい動き回ります。

たくさん身体を踊った後は静かな曲を聞きながら寝転がり、深呼吸や伸びをした後、自分の身体や一緒に踊ってくれた友だち、お部屋にも「ありがとうございました」の挨拶をして1日目を終えました。
2日目は、1日目とは違うダンサー名を考えた子もいたり、「今日は何する?」と聞けば「ダンスの日!」と元気よく答えてくれたり、子どもたちが活動にもアーティストにも慣れている様子が伺えました。早速動きを真似しながら身体を動かし、自由なポーズで止まったら、音楽が始まります。1日目に踊った曲も、2日目に初めて踊る曲も、みんなノリノリで、決まった振りだけでなく自由な部分も混ぜながら踊ってみました。

そして、一通り身体を動かした後は、一人ひとりのダンスの時間です。まずは、アーティストがみんなの前で一人のダンスを披露。「すごい!」「いろんな踊りが踊れるんだ!」「じょこす(アーティストのこの日の名前)頑張って!」など口々に感想や応援を始める子どもたち。アーティストのダンスに目は釘付けです。

そして、アーティストが子どもたちの側に近づいていくと、踊りたい気持ちでいっぱいになった子が一人、また一人と踊り始めます。いきなり一人で踊ることを躊躇う子も、アーティストや友だちの手をとって、自分なりのダンスを小さい身体でしっかりと踊ります。

全員が一通り踊り終わった後「もう一回踊りたい!」という子どもたちの声が。「踊りたい人は踊ります」とアーティストが言えば、あっという間に全員が世界にたった一人のダンサーになり、自分だけのダンスをあちらこちらで踊り始めました。1日目にはあまり活動に参加できなかった子がフッとみんなの中に入って踊っていたり、友だちと手を取り合い二人でダンスを考えていたり、のびやかに花開いた子どもたちの身体から生まれるダンスに心奪われました。
終了後の振り返りでは、5歳児クラスの子どもたちが、4歳児クラスのワークショップ中も「楽しみがなくなっちゃうから覗かない」と子どもたち同士で決めていたというエピソードや、「自由に表現する(動いていみる)面白さを味わえる良い経験になった」という感想をいただきました。
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Co.山田うん/ダンスカンパニー
https://www.children-art.net/co-yamadaun/

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<きょうのメニュー>
じゃがいもの収穫
チューリップのお礼肥
スイカ(子ども畑)、ぶどうに追肥
バラの黒点病対策
トマトの支柱なおし
バジルのたねまき
「今日も暑いですねー」。口をひらくとついそんな言葉が出てきてしまう突然の夏日。体験に来られた親子も含めて約30名が集まる、にぎやかなワークデーでした。2週間ぶりに畑をみると、小さなズッキーニやミニキュウリが実っていたり、スイカの花が咲いていたり、トマトが青々と実っていたりして、じゃがいもはいつもよりもひと月ほど早く収穫ができました。
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じゃがいもは、3月にメンバーで投票をして決めた3つの品種を植えたもの。
「あのじゃがいもがとうとう収穫できるんですね!」
ちょっとしたことでも、みんなでプロセスを楽しみながら栽培していると、収穫のよろこびはひとしおです。
あいにく、寒暖の差が激しいかった今年はお芋が不作らしく、掘ってみるとたしかに小粒でしたが、「色がきれい!」とみんなには好評で、今度食べるときを楽しみにしていました。
夏の直売所オープンにむけて栽培しているトマトは、空梅雨のせいで土がからからに。女の子チームに
「どしゃぶりが降ったみたいに水をまいてね!」というと、
「えー?そんなにあげるの?」
小6になったJちゃんと、小1のKちゃんがペアになって、ボランティアスタッフのお姉さんにフォローしてもらいながらたっぷり水やりしていました。その後、トマトと相性のいいバジルのタネをまいてくれました。
こうした作業は、毎度のことながら、<きょうのメニュー>の中から、その日やってみたいことや、前回に続いてやりたいことなどを各自がえらび、行なっています。あくまで自主的に。この日のように参加者が多いとどんどん作業がはかどるので、中には自分で仕事を見つけて勝手にやってもらっています。それがいいのです。
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木陰のない畑は日差しがきつくて、お昼休みまでの一時間ちょっとでもうクラクラ、汗だく。そのせいなのか、昼食後に「夏にオープンする直売所を設計しよう!」と声をかけると、ほとんどの人が教室に残り、設計会議に参加することになりました。議長は、現役大学院生で建築を勉強中のあべちゃん(ボランティアスタッフ)。カブさんが考えてくれた素案に、みんなの意見を取り入れつつ設計しようと考えてくれて、スケッチを描いたり、寸法を考えたりしてみんなで一つの案をつくってくれました。子どもも大人も一緒になってこんなふうに会議をしたのは、ちょっと久しぶり。グリグリらしい、いい雰囲気でした。スタッフがいなくてもどんどん話が進み、「最後にどうなったの?」と聞いたときには、簡単な設計図ができあがっていました。次回から塗装、組立スタート予定?!
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白熱する設計会議の一方で、数人の畑チームは午前中の作業で残ったところをせっせとやってくれていて、この日予定していた作業は終了。空梅雨にそなえて水やり当番を決めたりして、みんなそれぞれ家路につきました。

先日、日頃お世話になっているボランティアスタッフの方々への感謝のしるしとして、そしてまた、今後ボランティアをしたいと考えている方たちに、当NPOの活動とボランティア業務について、よりよく知っていただくための機会として、交流会とささやかなパーティを開催いたしました。学生の方や、お仕事終わりに駆けつけて下さった方など、年齢も職業も様々な方々が参加して下さいました。
第一部では、当NPOの全体の事業概要や、ボランティアさんにお願いする仕事内容、私たちが大切にしている想いなどを、映像やスライドを交えながら説明しました。実際のワークショップはどんな様子なのかを、実際にボランティアを経験されている方にも、エピソードを交えながらお話ししていただくなど、現場の雰囲気がなるべく伝わるようにしました。また、参加者の方にも自己紹介や、興味のある分野についてお話していただきました。

第二部では、隣の教室に移動してドリンクや軽食を用意して、スタッフに聞きたい事や参加者同士での情報交換など、ざっくばらんにお話して頂けるよう、グリグリという畑活動やえほんの会の写真をスライドショーで流しながら、リラックスした雰囲気で行いました。
ボランティア経験者の方が、現場の雰囲気や子どもたちの様子をより詳しくお話をして下さったり、参加された方が勉強、研究されている事など、いろいろなお話をお伺いすることができ、スタッフにとっても有意義な時間となりました。

事務局スタッフが少人数な事もあり、ボランティアの皆様のご協力があってこそ、活動が継続できることを改めて実感し感謝する一日となりました。
また、パーティーに参加された方で、早速6月から始まる保育園や幼稚園でのワークショップに申し込んで下さった方もいます。この日だけでは分からなかった事、伝わらなかった事など、また現場で皆様にお会いして交流を深めていけることを楽しみにしています!
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※この日も何回かご質問がありましたが、6~7月は幼稚園・保育園が主になり、8月(夏休み)は公共ホールでの舞台作品をつくる公募型ワークショップ、そして9月以降3月まで小学校・中学校(特別支援学級含む)でのワークショップが続く、というのが当NPOでの大まかな一年の流れとなっております。その都度メールマガジンでボランティア募集を行っておりますので、ご興味のある方は下記リンクより是非ご登録ください!
ボランティア募集→https://www.children-art.net/volunteer/

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雨上がりのぬけるような青空の下、去る5月12日「畑@校庭まるごと体感デー」が開催されました。
このイベントは、当初はグリグリの収穫祭として開催していたのですが、2010年にアースデイマーケットとの出会ったことをきっかけにして、グリグリのメンバーが企画したいくつかのプログラムと、オーガニックの食材を提供するマーケット、親子向けの音楽ライブ、カモ・カフェのオープン・カフェなどのコラボレーションによるイベントとして発展しました。今ではにしすがも創造舎の恒例イベントとなり、毎年たくさんのお客さんでにぎわっています。今年は、外で過ごすのにちょうどいいシーズンの開催というポイントを活かして、これまでよりも体験型のプログラムを増やし、母の日を意識したコンテンツ―ギフト用を想定したシフォンケーキ、スパイス、ギフトグッズなどの販売、お母さんに贈る花かんむりづくり―を盛り込むなど、小さな工夫もしてみました。
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イベントのコンセプトは、日頃校庭の畑で活動しているグリグリの畑づくりの楽しさをお客さんにも“体感”してもらうことなので、グリグリのメンバーは、いつもの活動でやっていることの延長線で、どんなふうにお客さんに楽しんでもらおうか考えて準備をしてきました。その甲斐あって、どのプログラムも大盛況。手づくりのハーブドリンクやフォカッチャを販売していたハーブBarでは、ドリンクが特に人気が高く、飛ぶように売れていきました。また、毎年会場をにぎわす“子どもによる、子どものための”キッズゲームは、いつも通り子どもたちの自由な発想で企画・運営し、子どもによる宣伝が絶大な効果を発揮して大勢の子どもたちをとりこにしていました。どこまで自由なようでいて、母の日のためのお花をつくる工作コーナーも開くなど、優しさもキラリ。逞しいだけでなく、優しく育っているグリグリキッズに、やるなぁ!と思ったメンバー少なくなかったはずです。
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この日の来場者は700人と過去最高。赤ちゃんや未就学児童を連れた家族が目立つ一方で、いつもお世話になっているご近所のおばあちゃんたちや、元グリグリメンバーのおばあちゃんも、何年かぶりで遊びにきてくれたりしました。にしすがも創造舎では、体育館を利用した演劇公演をたびたび開催していますが、これだけ幅広い世代の人たちを対象にしたイベントは他になく、「畑@校庭まるごと体感デー」がきっかけとなってご近所さん同士が出会う場になったり、再び母校の校庭でくつろいだり、焼きそばを売ったりできる機会として地元の方たちに親しまれていく様子は、地域とのつながりを大切にしてきたことへの、ほんの少しのご褒美のように思えました。
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来年もまた5月頃開催の予定です。今回来て下さった方たちも、来れなかった方たちも、ぜひ遊びにいらしてください。

「畑@校庭まるごと体感デー」の全体レポートに続き、プログラムの一つとして開催した「ぷちライブ!」の様子をお届けします。子どもから大人まで楽しめることをモットーに始めた「ぷちライブ!」も今回で11回目を迎えました。
今回のアーティストは、ROCO(ロコ)さん。のびやかな歌声をジャジーなメロディーに乗せて、誰もが聞き馴染んだ童謡が、さらに素敵な曲に大変身。午前は小さなお子さんとご家族向けのほんわかゆったり室内ライブ、午後は校庭の芝広場でどなたでも自由にのびのび楽しめる屋外ライブと、2ステージ行いました。
○午前は親子・家族向けの室内ライブ
午前は、別棟にある元音楽室でのライブ。子どもたちはかっこよくアレンジされた童謡に、心を躍らせた様子で楽しんでいました。後半の「おもちゃのチャチャチャ」では、子どもたちに楽器を配り「チャチャチャ」の部分で好きに音を鳴らしてもらったり、「アイアイ」では、かけ合い部分をみんなで一緒に歌ったり、お客さんにも参加してもらいながら子どもも大人も笑顔あふれる楽しい時間をつくりました。
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○午後はどなたでも楽しめる屋外ライブ
初夏を感じるほどの暑さが、心地よい5月の風でようやく和らいだ夕暮れ前、たくさんの方々が待ち望んでくださったライブがスタート。子どもも大人も関係なく、知っている曲が演奏されると嬉しそうに一緒に口ずさみ、ドラムやキーボードが奏でるジャジーでかっこいい音色に身体を揺らしていました。ROCOさんのオリジナル曲「おめでとうた」では、ROCOさんのあたたかみのある歌声が校庭いっぱいに広がって、一人ひとりが生まれてきたことへの「おめでとう」が、みんなを優しく包み込んでくれるようでした。
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花壇のチューリップも色とりどりに咲き乱れ、あたたかくてまさに畑日和な日曜日。
新メンバ-さんも加わって、心機一転、2013年度最初のワークデーが行われました。
この日のメニューは・・・・
<やったこと>
・トンネルのところの開墾
・トマトときゅうりの植えつけ
・はつかだいこん、ほうれんそうの間引き
・花壇の草取り
・プレートのペンキ塗り
・子どもばたけの草取りと開墾?
<しゅうかく>
・エントランスのきぬさや(お昼にいただきました。甘くておいしかった!)
・きれいなチューリップ(とてもいいかおり)
・ミント(畑作業後のハーブティーに)
・はつかだいこんの葉(間引きしたもの)
長かった冬も終わりようやく春を迎えた畑に、今年もたくさんの実りがありますようにと願いを込めながら畑の開墾をしました。土を掘り起こし、灰や腐葉土など土を豊かにするものを加え、子どもたちも手伝って混ぜ混ぜしていきます。新メンバーの子同士が「一緒にやろう!」「うん!」といつのまにかとても仲よしになっているのもグリグリの春らしさ。
土を十分耕したら、いよいよ苗を植えていきます。この日は、トマト、きゅうりなどを植えました。
校舎のエントランスの方では、あったかくなってすっかり大きくなったきぬさやの収穫をしていました。
4歳の男の子は収穫にすっかり夢中で背伸びをしながら「ひとつ~ふたつ~」と一生懸命に収穫をしていました。

先月のワークデーで種まきをしたはつか大根にも芽が出てきて収穫まであと1歩の様子。先月から加わったメンバー親子が「こないだ種まきした大根、芽が出ている!!」ととても嬉しそう。ぐんぐん成長してもらうために、間引き作業をしました。
「全部抜くんじゃなくて少しずつね!」との声かけに3歳の男の子が「優しく、ちょっと」とかわいらしい声かけをしながら間引き作業をしていました。
前回のワークデーでの水田計画から一転、子ども畑では、草取りをしてきれいにして、土を掘り起こしはじめました。
しばらくすると小学生の子が「なんか板がでてきたー!」と大騒ぎ。
土にまみれているまな板を水で洗い流し、「これはなんだろう?」「いつくらいに埋めたものかな?」と推測しはじめました。
ずっと前のワークデーで、埋まってしまったものなのか真相はわかりませんがなんだか、石器を掘り起こして考古学者のように推測する子どもたち。
今年はどんな子ども畑になるのでしょうか。

いろいろなことをしているうちに、あっという間に時間が過ぎ、最後は今日のメンバーみんなで花壇の草取りをしました。
みんなの力ですっかり花壇はきれいになり、チューリップたちも嬉しそう。
次のワークデーでは「体感デーの準備を頑張りたいね」と言いながらこの日のワークをお開きにしました。

読んだ絵本:「はなをくんくん」「ぽぱっぺぽぴぱっぷ」「ぼくのくれよん」「ガッタンゴットン」「へんてこへんてこ」など
いつもより早く満開を迎えた桜がハラハラと舞い散る中、今年度最後のえほんの会を開催しました。今回は、久しぶりのえぽんずメンバーも大集合、ゲストもお迎えして、春を迎えるワクワクが溢れた賑やかな一日となりました。
午前の部、まずは種になったつもりで身体ほぐし。暗い土の中からモゾモゾモゾモゾ、芽吹いてグングン伸びて、ひまわりやトマトなど思い思いの花を咲かせた身体をフワフワと風に漂わせました。そして再び土に還り、種に戻ったら、絵本のはじまりはじまり…

一冊目は、「はなをくんくん」。冬眠していた熊たちが春の匂いを感じ、森に溢れ出す笑い声。今の季節にピッタリな絵本でした。続いては、「ぽぱっぺぽぴぱっぴ」という言葉遊びのような絵本。伝染していく「ぱ行」の響きにピアニカの演奏も重なり、えぽんずメンバーがお客さんの中に入って行くと、自然と笑顔も広がります。

三冊目は「ガッタンゴットン」。ゲストの叩くジャンベ(アフリカの太鼓)のリズムと共に、みんなで足踏みや楽器を鳴らしながら旅に出かけました。四冊目はお客さんからのリクエストで選ばれたお話。ぞうさんの作った落とし穴が、もぐらや雨のおかけで巨大な泥んこプールになってしまう「ぞうさんのおとしあな」。プールに入った様子を身体も動かして楽しみました。

そして午前の部の最後の絵本は、久しぶりの「ことばのあいうえお」。あ行~わ行まで、五十音を繰り返すうち自然とリズムが生まれて歌になります。「い」は「いたい」など、五十音の一つ一つから始まる言葉が一ページずつ描かれた絵本。お客さんの「ストップ」の合図で開いたページの言葉をえぽんずメンバーが広げていきました。最後はちょうど「さ」で「さようなら~」、ということで絵本はおしまい。
でも、会はまだ終わりません。この日ゲスト参加の純子さんが、「えぽんずソング」を作って来てくれました!ぱ行の歌詞がたくさん出てきて、ジャンベや手拍子でみんなで歌ってみました。みんなで「ピピパプペパ~」と何回も歌ってから会をお開きにしました。
さて、お昼を挟んで午後の部は、赤ちゃんを抱えたパパママえぽんずメンバーも参戦。さらに賑やかに始まりました。一冊目は「ぼくのくれよん」。「絵本が見えるとこまで寄っといで~」と声をかければ、かぶりつきの子どもたち。みんなが好きな色を尋ねてみたり、絵本の中に登場しなかった色を部屋の中で探したり、「もう一回読んで!」というリクエストもあって大盛り上り。

そのままの勢いで、再び「ガッタンゴットン」と旅に出ます。帽子を被ったサーカスが登場したり、山に登って「ガッタンゴットンガッタンゴットン」みんなで部屋の中をあっちへこっちへ一緒に旅しました。

旅が終わるとそこに登場したのは橋。三冊目の「へんてこへんてこ」は、渡ると不思議な事が起こる不思議な橋のお話。えぽんずメンバーが身体で作った「へんてこ橋」。渡ると身体が長~く長~く伸びてしまうのです。犬や猫、キツネに象など様々な動物が長~くなってしまうのを、お母さんや子どもたちにも実演してもらいました。言葉と音楽の境目を自由に行き来する子どもたちは、いつの間にか楽器ブースも作って準備万端。絶妙なタイミングで絶妙な音楽を奏でて、お話を素敵に演出してくれました。

締めくくりは、立ち上がって身体を動かしながら「知らざあ言って聞かせやしょう」という歌舞伎のお話を。読み始める前に、足を踏み鳴らしながら一斉にジャンプする練習、歌舞伎の世界へ突入です。お母さんたちにも一ページずつ「さあ!」と読んでもらいます。最初は突然の事に戸惑う方もいらっしゃいますが、だんだん要領が分かってくると歌舞伎役者っぽい演出がみんな上手くなり、足踏みもジャンプも元気になっていきました。

使われている言葉も内容も難しいお話、抽象的な言葉が一見意味なく羅列されているお話、たくさんの生き物や自然に気づく事のできるお話など、色々なお話が絵本の世界には溢れています。えぽんずメンバーは、その世界を身体の動きや音楽を織り混ぜて広げて旅をします。そして言葉や音楽、リズムと身体がまだまだつながっている子どもたちの生きている世界と出会う時、そこに現れる世界の深く静かな豊かさに、大人は毎回ハッとさせられるのでした。
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☆3月のえぽんずさん:
赤羽さや香さん、竹内みずゑさん、田中晶さん、渋谷橙さん、菊池千里さん、櫻井拓見さん
ゲスト:
柳澤純子さん

やっとやっと寒さが落ち着いた気持ちのいい日曜日、長い冬季休暇から戻ってきたメンバーさんや、体験できてくれた親子が集まって、賑やかにワークデーが行われました。
この日のメニューは・・・・
<やったこと>
・じゃがいもの植え付け
・はつかだいこん種まき
・ハーブガーデンにタイムとイタリアンパセリの種まき、
・ドクダミ対策でワイルドストロベリーの移植、お花植えつけ
・おマメトンネルついに解体?!(→建て替え予定)
・子どもばたけ水田計画
<しゅうかく>
・ほうれん草、小松菜、大根などたくさん(お昼にスープをいただきました)
・きれいな水仙。とてもいいかおり
・レモングラス(おひるのハーブティーに)
・エントランスのきぬさや
3月のイベントと言えば、じゃがいもの植えつけ。今回メンバーのみんなが選んだじゃがいもは、フレンチポテトにするとおいしいという「サッシー」と、紫色がきれいな「ノーザンルビー」と、ほくほくがおいしい「インカのめざめ」。それぞれどんな特徴があるのかみんなでおさらいしてから、種いもは適当なサイズに切り、断面にくんたんをすりつけておいてから、ふかふかに耕した畑に植えつけました。
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この日のもうひとつのハイライトは、ハーブ苗の植えつけでした。ハーブ畑には元々大きなコニファーが2本立っていたのですが、1月の大雪で1本が根こそぎ倒れ、そのおかげで畑が広がったのでハーブ苗とお花の苗を植えつけました。苗は、メンバーの一人が、朝、園芸店で買ってきてくれたもの。一つ一つどんな苗なのか説明してもらってから、手分けして作業をしました。
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畑の方で順調に作業を進めている一方で、盛大に行われていたのが「水田づくり」。今やグリグリのガキ大将とも言えるYくんが「コメつくりたい!」と言いだし、あっとうまに畑と芝生の一部を掘りだして水田か、ダムか、はたまた水路か?と言ったようなものを作りだしていました。ちょっと感心してしまうほどのいい仕事ぶり。。。こんな姿はいつ以来かしらーってつい感動してしまったりして。コメの栽培方法もネットで色々調べたり、循環装置を作るんだとはりきっていたり、熱意はすばらしいのだけど、どういう計画なのかが見えないため、「次回までに計画書をつくってくること!」と言ってこの水田は後日埋め戻されました。この続きをどうぞ見守ってやって下さい。
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なんやかんやと盛りだくさんな一日でしたが、これもまた春のグリグリらしいあわただしさ。暖かくなると人も出てきて、あれこれもやり出すのは、やっぱり人間も他の動物と同じように季節にあわせて行動する生きものだなぁと思わずにいられません。植物もまた、同じです。そんな森羅万象を感じられる面白さがグリグリに多くの人を引き付けるのかもしれません。4月のワークデーにはまたもっと多くの植物が成長し、人も出てくることでしょう。
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底冷えする寒さが続くこの日も、グリグリは元気に畑づくり!と思って集まったものの、この日のメンバーはたったの5人。小さい子どもたちが多く参加しているとはいえ、とても珍しいほどの欠席率。
「今日は寒いからまずはお茶でも飲みながら、来月植えるじゃがいもや春夏育てる野菜の相談をしようか」
なんて言いながらティータイムでスタート。結果を急がず、プロセスをもっとも大切にしているグリグリでは、一見“ゆるい”と思われるような時間も大事なコミュニケーションの時間です。暖かい教室で、カブさん(グリグリの参加アーティスト)が用意してくれた13種類ものおススメじゃがいもの情報を眺めながら、「フライドポテトにしたいなぁ」「コロッケにむいてるのもいいなぁ」「名前がおもしろいね」なんて言いながら、じゃがいも投票。欠席だったメンバーにはネット上で投票してもらいます。近いうちに集計をとって、来月のワークデーには植えていくことになります。さて、どのじゃがいもが植えられるのでしょうか。楽しみです。ほかには、夏野菜はどんなのものを植えるか相談し、意見がまとまったところでお昼の時間になったので、ティータイムのままランチタイムへ。ランチタイムはうって変って隕石落下の話題でもちきりでした。
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午後になるとカブさんが来てくれて、この先栽培する予定のトマトのためのビニールカバーをかわいく装飾しました。用意してくれたたくさんのカッティングシートを切って貼ってお絵かきです。自分の思いつきでどんどんつくる人、誰かがつくった絵をヒントにつくる人。気がついたらゆかいなコラボレーションになっていて、あまりの楽しさに一同時間を忘れて次から次へとつくっていました。
あまりに夢中になりすぎたので、造形には区切りをつけ、もう夕方近いというのに次回植える野菜やハーブのための土づくり、ほうれんの種まき、バラやぶどうのお手入れなどをしました。寒い寒いと言いながらも、暖かくなったときに元気に植物が育ってくれるように手入れは不可欠です。
「来月はもっと芽が大きくなっているかなー」などと話しながらの作業は、スタッフもしみじみ楽しいなぁと感じてしまうのです。暗くなるギリギリまで作業がつづいたところを見ると、メンバーのみなさんもきっと楽しかったに違いありません。
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「じゃあ一カ月後に!」と言って長ーいワークデーが終わりました。

小学4年生61人と取り組んだ、水内貴英さん(美術家)のワークショップをご紹介します。「空間で遊び、楽しくコミュニケーションとりながら形ができていき、クラス全体で空間を大きく使った作品をつくりたい」という先生からのリクエスト。各クラス2日間、実際に作業できる時間は3時間弱という短い時間が課題でしたが、『フォールダウン・オブジェクト~一瞬の作品~』と題して、作品を落下させる事で一瞬だけ成立する作品を制作することになりました。
ワークショップの導入は、アーティストの自己紹介。「変な事を仕事にしています。」と挨拶した後、実際にどんな作品を作っているか作品を見せながら説明します。興味をもった子どもたちから「それ今日作るの?」「すごい!」などあちらこちらで声が聞こえます。アーティストは「つくるのも仕事だけど、思いつかないと作れない。思いつくのが大変。みんなも自分の創造力をいっぱい使って、面白いことを思いついてください。」とメッセージを送り、この日のワークショップの説明へとつなげました。

落下させる作品ということで、空中にくす玉のような装置を設置し、その中に、子どもたちが自由に制作した作品を仕込んで、最終的にはみんなで一斉に落下する瞬間を眺めるという内容です。装置の使い方や、材料の説明をした後は、一斉に作業に取り掛かりました。
子どもたちは、見本で見せたパラシュートや紙飛行機のつくり方をアーティストやスタッフに教わりながら発展させたり、材料からインスピレーションを得てどんどん新たな形を生み出していったり、迷うことなく手を動かし始めます。作ったものは各自自由に装置に仕込んで、実際にどんな風に落下するか試していきます。装置の扱いがなかなか難しいので、自然と何人かのグループになって作業を分担する子もいれば、自分の作りたいものを大切にして、落下させる時だけ手伝ってくれる人を交渉して見つけるなど、様々なやり方で制作を進めます。

スタッフが見ていると、「それは絶対失敗するなあ。」と思うような特大のパラシュートを作り始めた子が。実際に落下させてみると、やはり紐が長くて重すぎるため上手くパラシュートが開きませんでした。しかし、彼はそこで諦めることなく、工夫すべきて点をアーティストと相談しながら再チャレンジ。子どもたちは失敗を重ねる中でどうすれば成功するのか、装置はどのように使えば良いのか、次々に学んでいっている様子でした。そうしているうちに時間はあっという間に過ぎ、納得できる結果が得られたグループもそうでないグループも一旦作業を終了。次回への期待を胸に挨拶をして学校を後にしました。

そして一週間後、2回目のワークショップは、装置の数を全員分に増やし、最後には一斉に落下させる時間を設けることを説明して作業に取り掛かりました。体育館に入って来た時からヒソヒソと何やら作戦を立てて話を聞くより作業をしたい気持ちが溢れていた子どもたち。この日も迷うことなく作業に取り掛かり、1回目とは違う事に挑戦したり、前回の内容をさらに工夫して発展させたりしがら、黙々と作業に入っていきました。

どんな風に見えるか何回も試してみたり、扱う素材を増やしてみたり、途中で糸が絡まったり装置が引っかかったりするなどのトラブルもちらほら見かけますが、大人も協力しながら、限られた時間の中でも力を尽くします。装置自体にも飾りを付け始める子や、垂れ幕のようなものを作ってメッセージを描いているグループ、プレゼントのようにラッピングする子など、様々な工夫が増えていきました。

そして最後は、いよいよ列毎に同時に落下させます。装置の準備を揃えるだけでも時間がかかりましたが、「私が持っていようか?」「ひっぱるのやっていいよ。」などお互いに協力し合いながら何とか設置完了。「5、4、3、2、1!」のカウントダウンで一斉に落下です!本当にほんの一瞬でしたが、キラキラした陽射しの中をフワフワと舞い散る作品に子どもたちからも歓声が。終わりの挨拶では「自分にしかできないことを考える。誰の真似もできなくなった時に、何もないところから考える。そういう事を思い出してくれたら嬉しいです。」とアーティスト。たくさんの創造力を秘めた子どもたちだったので、これからも面白くて楽しいことでいっぱいの毎日をつくってくれるといいなと思いました。
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水内貴英/美術家
https://www.children-art.net/mizuuchi_takahide/