芸術家と子どもたちでは今年度、令和6年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業の支援を受けて、豊島区内のひとり親家庭や困窮家庭の子どもたち、海外にルーツを持つ子どもたちなどとのワークショップを実施しています。 この企画では、演劇・身体表現・音楽など様々なジャンルのアーティストが関わってワークショップが進行しており、今回のブログでは、ダンスチームを担当している小山まさしさんと、小学1~6年生の子どもたち12人とのワークショップの様子をお届けします。

実施概要
対象:豊島区内に住む小学1~6年生の子どもたち12人
実施日:2025年10月16日(木)
アーティスト:小山まさし(ダンスアーティスト・アートマネージャー)
アシスタント:泊舞々(ダンサー・振付家)
 

※昨年度までの活動はこちら


豊島区内で学習支援をおこなっている「まなびすたーり」の協力をえて、参加者となる子どもたちと出会い、今年度のワークショップをスタートして5回目となるこの日。 インド、ネパール、中国、日本と、様々な国のルーツの子どもたちがゆるやかに集い、お喋りをしたり、走り回ったり、ホワイトボードに絵を描いたりしながら、ワークショップが始まるのを待っていました。

「みなさん、おいで~」と、“もじゃもじゃ”こと、小山まさしさん、“まいまい”こと、泊舞々さんが子どもたちに声をかけると、それぞれのペースで反応する子どもたち。 「学校の新聞に、もじゃもじゃとまいまいのこと書いたよ~」と、話してくれる子の姿からも、アーティストと子どもたちがすっかり打ち解けている様子が伺えます。

「ちょっとしたゲームをやろうかな」と、小山さんが取り出したのは、タオルを丸めた1つのボール。ボールを投げる時に「なげた!」、受け取る時に「とった!」と声に出しながら、みんなで自由にボールを投げ合うワークが始まりました。はじめは「やらなーい」と輪に加わらなかった子も、自分の元にボールが飛んでくると、思わず投げ返したりと、少しずつ輪に加わっていきます。

「ずっと歩き続けながらやってみよう」「3秒以内にボールは投げよう」など、1つずつルールを加えていくと、子どもたちもお互いに目を合わせ、声をかけあいながら、ボールのやりとりも活発になっていきました。 その傍らで、みんなの様子を絵で表現してくれる子も…!

 

続いて、2つのグループに分かれ、小山さんから出されたお題の順に並ぶワークに挑戦。「背の順」「誕生日順」「靴のサイズ順」など、次々出されるお題に対して、大急ぎでやりとりしながら、楽しそうに取り組んでいました。まだ日本語があまり得意でない子には、自然と英語でフォローを入れてくれる子などもおり、この場でしか交流がない子たち同士でも、関係性が生まれている様子が印象的でした。

 

次は、横一列に並び、色んな歩き方をしてみよう!はじめは、ちょっとふざけながら走り抜けるだけだった子どもたちも、小山さんたちの声掛けや、実際に動きを見たりすることによって、少しずつ工夫する姿が見られました。背中でズリズリ進んでみたり、ロボットみたいに歩いたり、ポーズをとりながら動いてみたり…。のびのびと思い思いの動きをする子どもたちの様子は、もうそれだけで、舞台のワンシーンのようでした。

最後は、みんなお楽しみのリクエスト曲タイム!子どもたち一人ひとり、小山さんのスマートフォンから好きな曲を選んで、自由に踊ったり、何をしてもいい時間です。自分の国の曲を流して楽しそうに踊る子や、日本の童謡「うみ」を流しながら小山さんの背中に乗って気持ちよさそうに泳いでいる子も。流行りの曲でみんなで一緒にはしゃぐ姿もありました。

色んな言語や文化が入り混じる中、たくさん身体を動かしながら、お喋りしながら、みんなで場を共有した、あっという間の60分。「次はいつ~?」と尋ねてくれる子の姿に嬉しさを感じながら、「また来月ね」と約束をし、帰路につく子どもたちを見送りました。

ワークショップ実施にあたり、サポートしてくださった保護者や地域の皆様、そして、ご支援くださった令和6年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業の皆様に、この場を借りて心よりお礼申し上げます。


主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち

助成:令和6年度(補正予算) 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業

協力:まなびすたーり、社会福祉法人 愛の家 愛の家ファミリーホーム、認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク