芸術家と子どもたちでは、2021年度からの3年間、BNPパリバ財団の芸術教育支援プログラム「Dream Up」の支援を受けて、児童養護施設と障害児入所施設でのワークショップを実施しています。今回のブログでは、2021年度の活動をご紹介します。

「Dream Up」は、芸術教育を通じて世界の子どもたちを支援する社会貢献活動で、社会的に不利な状況にある子どもたちに、才能開花の機会を提供するために、世界30か国で展開されています。

今回のプロジェクトでは、社会的養護の下にある子どもたちや、障害のある子どもたちが、ダンスや音楽、演劇などの表現活動を通じて、他者とのふれあいや、自他の表現を認め合う経験を重ねながら、それぞれがやりたいことを見つけ尊重し、その力を伸ばすことをサポートします。そして、彼らの傷ついた心を回復し、自分や人を信じる力、人と関わる力を育てることで、彼らの自立を支援することを目的として始めました。

◎2021年度実施概要

児童養護施設×棚川寛子      
参加した子どもたち2施設(交流) 年中~中学3年生、施設退所者 18人
アーティスト棚川寛子(舞台音楽家)
アシスタント・アーティスト井上貴子(俳優)、加藤幸夫(俳優)、佐藤円(俳優)
ワークショップ実施日➀10/9 ②11/27 ③12/5 ➃12/26 ⑤1/9 ➅3/12 ⑦4/4 ⑧4/5
障害児入所施設×新井英夫     
参加した子どもたち小学5年生~高校3年生 12名
アーティスト新井英夫(体奏家・ダンスアーティスト)
アシスタント・アーティスト板坂記代子(ダンサー)、はしむかいゆうき(演奏家)
ワークショップ実施日日➀11/20 ②12/12 ③1/7 ➃1/30 ⑤2/23 ➅5/8       

・児童養護施設でのワークショップ

舞台音楽家・棚川寛子さんたちと、2つの児童養護施設の子どもたちが交流するワークショップを実施しました。2回目のワークショップでは、BNPパリバ社員の方から、BNPパリバの紹介や、SDGsのレクチャーをしていただきました。レクチャーの前には、英語のゲームで楽しく身体を動かして、子どもたちはその後のSDGsのお話を集中して聞いていました。丁度学校で勉強したばかりの子もいて、身近に感じることもあったようです。

そして、レクチャーで聞いたお話を元に、アーティストの棚川寛子さんたちとオリジナルの物語を一緒に創作しました。「自然」「環境」「貧困」などのキーワードから出てきたアイデアを、一つずつつなげて物語にしていきました。台本はありませんでしたが、子どもたち自身が想像力を働かせ、自分たちで言いたい台詞や動き、なりたい役を考えてシーンをつくっていきました。

<子どもたちが考えたアイデア>

・海の王国-海が汚れて、食べる物がなくなり困っている。

・飢餓を無くすためにコロッケ屋さんをやりたい。

・目が見えなくて困っている「白杖の女の子」の役をやりたい。

・小さい子がいじめられているのを助けたい。差別を無くそう。

・森を守る妖精になりたい。

・エコカーをつくりたい。

・訪問医療チーム(KISA2隊)になりたい。

また、衣装や美術は、Dream UpのTシャツにペイントをしたり、段ボールや不要になったカーテンや端切れなどの廃材を活用して船や車をつくったり、子どもたちと手づくりしました。こうして回を重ねて少しずつ形にしながら『海の王国とひそむ影』というオリジナルの物語を創作し、最終回には施設内職員の方に向けて発表会を行いました。

・障害児入所施設でのワークショップ

体奏家・ダンスアーティストの新井英夫さんたちと、zoomを使ったオンラインでのワークショップを重ねました。 オンラインということもあり、子どもたちの特性に合わせて、少人数の3グループに分けて実施。身体遊びや音遊びを通して、人と関わりながら、一人ひとりの興味・関心に寄り添い、オンラインならではの、映像の効果も楽しみながら取り組みました。

衣装は、Dream UpのTシャツを、学園にある自然素材や廃材を活用してペイントしました。いろんな形の枝や葉っぱ、輪ゴムや梱包材のプチプチなどを使って、スタンプのように使ってペイントしました。

最後の日は、衣装のTシャツを着てグループごとに映像を録画。後日施設内の職員や子どもたちが鑑賞できるようにしました。ファッションショーのつもりで、つくったTシャツを衣装に、それぞれが即興で自由に踊りを披露しました。物語が好きな男の子は、目をいろんな物に貼り付けて、見立てで遊びながら、アーティストと即興のお話をつくりました。

この二つのプロジェクトを通して、BNPパリバのCSR担当社員の方とミーティングを重ね、実際にワークショップにも何度も足を運んでいただきました。残念ながら、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受けて、発表会に多くのBNPパリバグループの方をお招きすることは叶いませんでしたが、発表後には社員ボランティアの方々から手づくりのプレゼントをいただき、子どもたちもとても喜んでいました。

また、後日、社員の方には映像で発表をご覧いただけるようにするとともに、ランチタイムを活用した1時間程度のオンライン・セッションを設けてくださり、施設職員と事務局スタッフで、それぞれの施設の現状と課題や事業報告をさせていただきました。100人ほどの社員の方が視聴してくださったということで、

「活動や発表の様子を拝見できて、感動しました。」

「心健やかに育ってほしいきもちでいっぱいです。」

「自分の子どもの環境が、当たり前ではないということに、改めて気づかされました。」

などの感想をいただき、私たち事務局スタッフにとっても学びとなる貴重な機会でした。

児童福祉施設での取り組みは、様々な事情から広く広報することが難しいのですが、こうした形で企業の方が一緒に事業に取り組んでくださることは大きな励みになりました。この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

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