墨田区立の小学校・特別支援学級、1~6年生の子どもたち20人と取り組んだ、井田亜彩実さん(振付家・ダンサー)とのワークショップをご紹介します。アシスタントは荒俣夏実さん(ダンサー)で、2日間の実施でした。

この学級の先生方は、これまでの子どもたちの経験では振付を覚えるなど与えられた動きをすることが多かったので、今回は子どもたちが自分で考えて、自分のオリジナルのダンスを見つけたり、自分の良さに気づいたりして欲しい、という想いを持ってワークショップを申し込んでくださいました。

そして、事前下見の授業見学では、宿泊学習に向けて取り組んでいたダンスを見せてもらったり、国語で数え歌を歌う姿や、集中してカラフルなスウェーデン刺繍に取り組む姿を見せてもらい、身体を動かしたり楽しいことが好きそうな子どもたちの雰囲気に、ワークショップでもいろんなことに挑戦できそう、と感じて臨んだ2日間でした。

1日目は、アーティストの動きを真似したり、言葉のイメージから動きを引き出したり、いろんな動きを体験する回となりました。

最初はみんなで円になってウォーミングアップからスタート。井田さんのテンポの良い明るい声かけに、みんなあっという間に心も身体もほぐれていくようでした。そして、体育館に元からあるラインの上を、いろいろな歩き方で歩くワークや、体育館をジャンルグルに見立てて、ライオンやワニ、ワシなどの動物になって探検するワーク、「寒い」「暑い」など言葉のイメージから動きを考えるワークにも取り組みました。

後半は、『忍者』をテーマに動きを考えてみました。忍者がどんな動きをするのか、子どもたちにアイデアを出してもらい、それを実際にみんなでやってみると、「隠れる」の時にはㇲっと井田さんの後ろに隠れる子がいたり、「寝る」の時には忍者だから寝転ばずに座ったまま寝る子がいたり、一人ひとりがいろんな表現を見せてくれました。最後には、井田さんが考えてくれた振付を、子どもたちにも馴染みのある曲で元気に踊って1日目を終えました。

2日目には、1日目に子どもたちがいろんなアイデアを持っていることが分かったので、動きをつくることを中心に取り組みました。最初は、1日目と同じようにみんなで円になって、ストレッチや、二人組で身体の一部をタッチして挨拶など、楽しみながら身体をほぐしていきました。

一人がつくったポーズをもう一人がくぐるワークでは、ポーズもくぐり方も人それぞれで、面白い動きがたくさん生まれました。そして、1日目より少し細かな動きを多くして難しくした振付のダンスで全身を動かした後、後半には子どもたちに動きをつくってもらうことに挑戦しました。

2つのグループに分かれて、それぞれ『お正月』と『運動会』をテーマに動きを考えました。『お正月』チームは、「お年玉・お餅つき・だるま」など、『運動会』チームは「選手宣誓・リレー・玉入れ」などのアイデアが出てきました。そこから、一つひとつ身体で表現するとどうなるかを考えながら動いてみて、最後にはお互いのつくった動きを見せ合いました。どちらのチームもたくさんのアイデアが詰まった大作になり、お互いに拍手を送り合って2日間のワークショップを終えました。

ワークショップ後の先生との振返りでは、「自分の中にあるものを表現する今までにない貴重な機会だった」「普段は身体を動かすことに抵抗を感じる子も楽しく取り組んでいた」といった感想を伺いました。先生方もワークショップの間ずっと一緒に身体を動かして参加してくださり、普段の授業でも取り入れていきたいと仰っていたので、これからも子どもたちが身体を使って表現することを楽しみ、この学級でいろんなダンスが生まれていくのだろうなあ、と思える、とても楽しい2日間になりました。


このワークショップは、花王ハートポケット倶楽部/花王株式会社の協賛をいただいて実施しました。

2/12(日)は、親子で楽しむえんげきシアター『よだか』でした!

アーティストは、俳優の谷口直子さん。
宮沢賢治の『よだかの星』を原作にした作品で、たった一人で魅せる舞台でした。

人形の「よだか」が独特の色づかいで、かわいらしさと味わいがあるのは、この作品がチェコ共和国で創作されたからなのかもしれません。その場でパーツが組みあがって、こんな「よだか」になるんです!

「よだか」はもちろん、いろんな登場人物を演じる谷口さん。
次々に虫や鳥や生き物に出会っていきます。
何役も演じている忙しそうなところも、見どころです!

そして、美術のパーツがいろんなかたちに変化していくのも、見どころの一つ!

「よだか」が空に飛んでいくシーンでは、影絵になり・・・

子どもたちも、大人も、集中してじーっと見つめていました。

ラストシーンでは、歌声が聴こえてきます。
それは、温かく、切なく、でも希望でもあり、
よだかの優しさや命のめぐり、
私たちのまわりにある自然、
に私は想いを寄せました。

終演後は、舞台の中へジャンプ!
みんなが舞台美術の裏側へ回り込んで、いっぱい楽しんでいました。
大人も、子どもも、いろんな仕掛けに大興奮!


またいつか、「よだか」に会えますように。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!


ぞうしがや こどもステーション
https://www.children-art.net/aws/zoshigaya/

2023年、はじめのワークショップ!
1/14(土)は「まりちょふと楽しむパーカッション」でした。

まりちょふ=関根真理さんと、アシスタントのしなちゃん=品川未来さんと一緒に、たくさんの楽器にふれていきました!

会場には大人用、子ども用で、大きさの違う太鼓がずらり!
ヤギの皮をはったジャンベや、背の高いコンガ、2つ太鼓が並んでいるボンゴなど、いろんな太鼓があります。

オープニングはまりちょふ&しなちゃんが演奏しながら登場!
写真でまりちょふさんが演奏しているのはジャンベ、しなちゃんが演奏しているのはジュンジュンという太鼓です。
「太鼓」といっても、こんなにたくさん種類があるんですね。

子どもたちの好きな食べ物をその場でリズムにして叩くことに挑戦!
ある子が「スパゲッティ」と言うと、
「スパゲッティ スパゲッティ パスタとどうちがうの~」

おもしろいリズムができました!

後半は演奏が入った絵本読み聞かせコーナー。
そのあとに、目の前に現れたのは・・・・

じゃーん!!

うわ~楽しそうな楽器がいっぱい!
みんなの目がキラキラしていました!

一つひとつ楽器を説明していくまりちょふさん。
触りたくてウズウズしている子どもたち。(笑)

まりちょふさんの「この絵本のページに音を入れるとしたら?」という問いかけに、
いろんな音を探して鳴らしていきました。

怪獣が踊る絵では、子どもたちも楽器をもって踊っていて楽しそうでした!

「大人の方が楽しんでしまいました」とアンケートに書いてあるほど、大人もワクワクな時間となりました。
ご来場、ありがとうございました!


ぞうしがや こどもステーション
https://www.children-art.net/aws/zoshigaya/

芸術家と子どもたちでは、埼玉県立小児医療センターと連携して、入院中や外来の子どもたちを対象に、オリジナルの動画番組を作成しています。2022年度は、Yahoo!基金「インターネットやIT技術の利活用を通じた市民活動の支援プログラム」の助成を受けて、6本の動画番組を制作しました。

動画はYouTubeの限定公開なのですが、活動の様子をブログでご紹介します。

小児医療センターに入院・通院している子どもたちやご家族の方々は、この数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外部から院内への出入りが制限され、院内でのイベントも減り、以前より楽しい体験の機会が失われたと思います。

そこで、アーティストの新井英夫さん(体奏家・ダンスアーティスト)、板坂記代子さん(ダンサー・美術家)、はしむかいゆうきさん(音楽家)たちと、オリジナルの動画番組を作成。子どもたちが、ダンスや音楽等で楽しく表現活動する機会を創出し、子どもたち本人や、その家族を心理面で支援したいと考えました。

番組は『ちゃっちゃ☆チャンネル』と題して、病院内で制約のある生活をしている子どもたちのリクエストを、番組のキャラクター「ちゃっちゃ」が、病院と外の世界をワープして実現するような内容で構成。例えば「公園に行きたい」など、病院の外の世界と子どもたちの生活をつなぐ役割を果たしながら、ダンスや音楽のコーナーを取り入れて、それぞれの場所から気軽に負担なく楽しめる内容を工夫しました。

ダンスや音楽のコーナーには、病院の様々なスタッフが出演。保育士さんやチャイルド・ライフ・スペシャリストさん、救急車の運転手さんや、作業療法士さん、臨床心理士さんなど、たくさんの方々にご協力いただき、それぞれのお仕事の内容を紹介したり、リクエスト曲で踊っていただいたり、子どもたちに関わる方々のいつもと違った一面や魅力を伝えることができました。また、院内のお菓子屋さん「マーブル」や屋上庭園、併設されている「ドナルド・マクドナルド・ハウス」など、ホッと一息つけるような院内のあたたかい場所を紹介することもできました。

チャイルド・ライフ・スペシャリストのお二人(左上)とダンス!
発達診断室での撮影の様子。12月はクリスマス・スペシャル!

子どもたちとのやり取りには「おたよりカード」を配布し、院内各所にポストを設置してもらいました。おたよりカードには、毎回クイズやだじゃれコーナー、「好きな食べ物」「好きな動物」などのQ&Aをつくり、その答えを番組内で紹介しました。こうしたやり取りを通して、「この病院にはこんな楽しいこともある」と特別感と安心感のあるコンテンツを提供できたのではないかと思います。

これからも、一度限りではなく番組を蓄積していくことで、新しく入院してくる子や、外来に移行した子たちに、継続的に関わっていきたいと思います。

毎回の撮影の度に、出演者や撮影場所の調整をしたり、公開時には院内にポスター掲示をして周知してくださったりと、病院と私たちをつないでくださったボランティア・コーディネーターの冨澤さん。そして、院内で出会った皆様が、いつもとてもあたたかく、子どもたちのために日々力を尽くされていることを実感し、快く撮影にご協力いただいたことにも、改めて心よりお礼申し上げます。

都内公立保育園の子どもたちと取り組んだ石坂亥士さん(神楽太鼓演奏家・踊るパーカッショニスト)とのワークショップをご紹介します。今回は4歳児、5歳児クラスの子どもたちと、それぞれ60分ずつの音楽のワークショップを行いました。

保育園のホールに子どもたちが入っていくと、見たことのないたくさんの楽器を発見!! 「どうしたら音が鳴るんだろう? どんな音がするんだろう?」と興味津々の子どもたちですが、ホールのなかには石坂さんらしい人物はどこにも見当たりません。子どもたちがキョロキョロと周囲を見渡して石坂さんを探していると、ホール奥の扉の裏から太鼓の音が聞こえてきます。音の方に振り返ると、なんと亀の甲羅を首からぶら下げた石坂さんが、太鼓を脇に抱えて演奏しながら登場してきました!!

そして、石坂さんはホールに置かれた楽器の一つひとつを演奏しながら子どもたちの間を練り歩いて、楽器の音色や演奏の仕方を子どもたちに紹介していきます。子どもたちは頭の上で奏でられるシンギングボウル(「シンギング」=歌う・音を出す、「ボウル」=器。鉢の形をした金属製の打楽器)の音の響きや空気の振動にビックリしたり、鹿の角で叩かれた亀の甲羅の音色に目を丸くしたり、初めて聞く楽器の音色にワクワク・ドキドキ。

「早く自分たちも楽器を演奏してみたい!!」 子どもたちの楽器への好奇心がいっぱいに膨らんでいったところで、石坂さんが子どもたちの一人ひとりに楽器を渡して、石坂さんと子どもたちの即興演奏がスタート。最初は石坂さんの太鼓のリズムにあわせて目の前にある楽器を演奏していた子どもたちでしたが、石坂さんが床に横倒したジャンベにまたがって、まるでソリに乗るかのようにホールを移動しながら自由に演奏する姿を見ているうちに、子どもたちが一人、また一人と自分が興味を持った楽器のところに走り寄って演奏を始めました。

その後は、もうすっかり子どもたちの自由時間。石坂さんの奏でるリズムにあわせて一緒になって演奏をしたり、楽器を持ち寄って友達同士で演奏を楽しんだり、お気に入りの楽器を奏でながらホールのなかを行進したり、子どもたち一人ひとりが思い思いの楽器に触れながら、自分だけの音を発見して奏でていきました。

気が付けば、子どもたち曰く「あっという間だった!!」60分間のワークショップも終了時間に。実はワークショップの始めから終わりまで、石坂さんはひと言も喋らずにワークショップを進めていきました。そして、始めから終わりまで、常に子どもたちの様子に目を配りながら、時にゆったりとしたリズムで子どもたちを優しく包み込み、また激しいリズムで子どもたちを鼓舞したり、音とリズムでたくさんの会話を子どもたちとしてくれました。

朝早くから楽器の搬入出や準備にご協力くださり、子どもたちと一緒になって楽器を奏でてワークショップに参加してくださった先生方、本当にありがとうございました!! 全身を使って楽器を奏でる子どもたちのエネルギーが、音とリズムになって昇華していったワークショップの時間でした。

10/16(日)は、木版画家でたくさんの絵本をつくっている、たけがみたえさんによるワークショップでした!
絵本作家シリーズは、年に一度のスペシャルワークショップ。今回はどんな様子だったのでしょう。

「丸、三角、四角など適当に切ったダンボールを組み合わせて、好きな生き物や動物をつくってみよう!」と説明するたけがみさん。いろんなパーツを合わせてみて、どんな生き物がうまれるかを考えていきます。

1枚目の写真は、たけがみさんが作った、犬の見本!絵の具の色が何色も重なっていて、素敵なんです!


実はこの説明がスタートする前から、子どもたちは「ハサミある?」「このダンボール使っていい?」と
創作意欲がすごかったのです。
自分の身長より大きなダンボール板を持って、どんどん想像を膨らめている子どもたちに、圧倒されるスタッフたち!

丸と四角を組み合わせたこのダンボールから、どんな生き物が誕生するでしょう。
このブログを最後まで読んでいくとわかりますよ。

さあ、パーツを選んだら組み合わせて、ボンドで張り合わせていきます。

なんと、顔はめパネルのようなアイデアも!
そうかあ!自分が動物になるのね!

混色も楽しみながら、絵の具でどんどん色をつけていきます。
想像の生き物ができてきたり、大好きなメロンパンを持っていたり。


親子で協力しての創作。休憩するのも忘れて、みんなすごい集中力です。
ここで全部を紹介しきれませんが、どれも丁寧に、ときに大胆に、作品をつくっている姿が印象的です。


ダイナミックな大きな大きなクジラ。
うずまきの立体を工夫したカタツムリ。
カラフルな模様のウミガメ。
羽が生えて飛べるウサギ。



あるお父さんが、「みんなでつくると楽しいね!」と言っていました。
家でもない、学校でもない場所で、偶然に集まった子どもたちが、他の家族の創作を見てまわり、刺激し合いながら造形していく時間は、こどもステーションならではだと思います。

最後は、一人ずつ発表タイム!
何作品もつくった人もいて、ずらりと並んだ様子は圧巻でした。

前半に紹介した、丸と四角を組み合わせたダンボールは、こんな生き物になりました!
フクロウです!まるで絵本から飛び出したみたい。

ちなみに、たけがみさんが作っている様子はこちら。

みんなで記念撮影タイムも!
みんな達成感に満ちあふれていました。
持って帰るのが大変なくらいの大きな作品も!

参加してくださった親子の皆さん、どうもありがとうございました!


ぞうしがや こどもステーション
https://www.children-art.net/aws/zoshigaya/

今回は、都内公立小学校の特別支援学級、1~6年生の子どもたち35人と取り組んだ、関根真理さん(パーカッショニスト)とのワークショップをご紹介します。

1限目からのワークショップ。教室に次々と運び込まれる見たことのない楽器の数々に、登校した子どもたちは(先生方も)興味津々!早く触りたくてたまらない様子で、朝の支度をしていました。

教室に子どもたちが集まると、廊下から楽しいリズムが聴こえてきて…太鼓を演奏しながら、まりちょふ(関根真理さん)と、うっしー(西川郷子さん)、うりちゃん(URIさん)の登場です!目の前で繰り広げられるパフォーマンスに、思わず身体が動いてしまう子や声をかけてくれる子、びっくりして固まってしまう子など、色々な反応をしてくれました。

自己紹介と楽器紹介をした後、子どもたちも全員、太鼓の演奏に挑戦!思いっきり叩いてみたり、波のように順番に叩いてみたり、関根さんの手の動きに合わせて強弱を変えてみたり…。

太鼓の演奏に慣れてきたら、今度はリズムに合わせて叩くことにチャレンジ。子どもたちから出てきた「好きなもの」の言葉を使って、関根さんがリズムを作ります。

「京浜東北線・かっこいいな♪」「ラーメン・ラーメン・食べたいな♪」「麻婆豆腐・麻婆豆腐・辛くて美味しいよ♪」などなど…子どもたちも積極的に手をあげて、リズムづくりを楽しんでくれました。リズムに合わせて叩くと、身体も勝手に踊り出し、教室の中はお祭りのような賑わいでした。

最後は体育館に移動して、学習発表会に向けた音楽づくりです。絵本「はらぺこあおむし」の音楽劇を発表する予定の子どもたちは、「星空チーム」と「蝶チーム」に分かれて、それぞれ「星空」や「蝶」をイメージする楽器を探します。

真っ先にお気に入りの楽器を見つけて鳴らしている子、一つ一つの音を確かめながらゆっくりと吟味する子、アーティストや先生に相談しながら考える子など、それぞれのペースで「イメージに合う音」を探していました。

「なんでこの楽器を選んだの?」と尋ねると、「始まりの音だと思ったから!」「夜の風景の音に感じた」など、それぞれがしっかり考え、感じながら楽器を選んでいる様子が伺えました。なかには、大きな鈴を両手に持って、蝶のように羽ばたきながら演奏したり、夜の眠たい様子を身体で表現しながら演奏するなど、情景を演出するための様々な工夫も…!最後は、それぞれのチームが演奏を発表し、学習発表会に向けての気持ちを高めたワークショップでした。

あっという間の3時間。様々な楽器にふれ、力強い音となって響く子どもたちのエネルギーを、全身で感じられたワークショップとなりました。朝早くから、楽器の搬入・搬出・準備にご協力くださった先生方、本当にありがとうございました!この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

今年度、最後のPKTホールの子ども参加者募集がスタートしています!

募集概要:
【公演タイトル】『愛なんだ2023』
【アーティスト】中村蓉(振付家・ダンサー)
【会場】中野区 なかのZERO 小ホール
【開催期間】2023年1月28日(土)~2月26日(日)、全10日間
【対象】小学3年生~中学3年生
【定員】15名
【参加費】無料
【応募&詳細リンク】https://www.children-art.net/nakanozero2022-kodomo/
※募集期間は~12月14日(水)まで!

小中学校でのワークショップでは、歌謡曲のメロディーにのせて、
ユニークにダンスする姿が印象的な蓉さん。
パフォーマンスはとっても素敵で、その上元気で明るい方なので、
きっと今回のPKTも楽しい時間になるのではと楽しみにしています!


でも、具体的にどんなことをするのか。
きっとあまりイメージできない方も多いのではないでしょうか。

ということで、今回のブログでは、PKTホールについて紹介します!
*写真は、この夏、武蔵村山市民会館[武蔵村山市]、大田文化の森[大田区]、赤坂区民センター[港区]で行われた、PKTホールの様子です。


PKTは、芸術家と子どもたちが、
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京と実施しているプロジェクトです。

ダンスや演劇、音楽などの分野で活動するプロの現代アーティストを、都内のホール・文化施設などに派遣。
10日間程度のワークショップを行い、子どもたちが主役のオリジナルの舞台作品をつくりあげます。
最後に発表公演を行い、多くの方々にワークショップの成果を発信していきます。

気になった方は、ぜひ、事業の紹介ページものぞいてみてくださいね。
https://www.children-art.net/aws/pkt/

     R4年度 PKT武蔵村山市民会館 『おどろどろんこどんどきゅう』
     発表公演の様子 (c)木原丹  
   

PKTホールでは、出演者の子どもたちを公募で集めています。
募集情報は、アーツカウンシル東京芸術家と子どもたちのウェブページに掲載されています。
例年(多少の前後はありますが)、4~6月頃と、10月~12月頃にご案内をしていることが多いです。

そのほかにも、劇場の広報誌への掲載や、地域の学校にチラシを配布したり、
子ども向けの情報サイトに掲載する…などもしているので、よかったら注目してみてくださいね。


発表公演を地域のホールや劇場で行うのはPKTホールならでは。
照明も音響も舞台も、機材も技術スタッフも全部プロの劇場空間でワークショップ&発表をするので、
保護者の方から「なかなか体験できない機会になった」などのお声をいただくことも多いんです。

上:今年度の会場のひとつ、赤坂区民センター
下:本番日のワークショップの様子 
(c)松本和幸

また、日数をかけて作品作りを行うのもPKTの特徴です。
子どもたちからアイデアや表現を引き出し、みんなで共有して、試行錯誤をして、シーンを作っていく……

アーティストが準備してくださった振付を踊ることもあるけれど、
決められた動きの練習よりも、
子どもたち自身が想像力をはたらかせて自分たちで動きを生み出していく、
クリエーションの時間を大切にしています。

プロのダンサーと一緒に動きを創作!@大田文化の森 (c)金子愛帆

でも「じゃあ考えてみて!」といきなり言われても困ってしまいますよね。
そこで、いろんなからだ遊びを試しながら、身体の動かし方に気づいていく時間も、
PKTのワークショップでは大切な時間となっています。

子どもたちは、自分の動きはもちろん、
友達と一緒に動きを作ったり、何人かのグループで動きをつくることにも挑戦していきます。

アーティストの北川結さんも交えて、グループの動きを考えました。(c)金子愛帆

公募で集まる子どもたちは、
最初は知ってるお友達がいなくて、ドキドキしていても、
ワークショップを重ねるうちに、メンバーどうしでたくさんお話をしたり、
意見を交わして、同じ舞台に挑戦する仲間になっていくようです。

年齢や学校が違っても、一緒に過ごすうちにすっかり仲良くなりました。(c)金子愛帆

ワークショップも後半になると、
それまでにつくったシーンをつなぎ合わせて、いよいよ一つの作品にしていきます。

子どもとアーティストだけではなくて、
舞台監督や照明、音響、美術など、様々な部門のスタッフも本格的に参加して、
作品をつくりあげていく、仕上げの時間です。

武蔵村山市民会館では、間中ムーチョさんの美術が印象的な空間に。
仕込み後は会場の雰囲気がガラッと変わりました。(c)木原丹

照明さんや音響さんのかっこいい機材に興味津々なところは、
子どもらしくて微笑ましいですが、
子どもたちがスタッフの皆様にリクエストをしたり、小道具の相談をしている姿を見ると、
一人の出演者としてここにいるんだと頼もしい気持ちになります。

(c)木原丹


本番前日にはリハーサルを経て、最終日にお客様へ作品をお届けします。

発表は、子どもたちはもちろん、アーティストもスタッフもドキドキしながら迎えます!
みんなでつくってきた舞台だから、最後まで妥協せず、試行錯誤が行われます。
この日のための衣装も身に着けて、1度きりの本番に臨みます。

赤坂区民センター 発表公演の様子(c)松本和幸 

会場も、アーティストも、集まる子どもたちも毎回異なるPKTの公演。
そのときだけのスペシャルな舞台を作っています。


PKTホールについては、
これまでにも動画やコラム等でも取り上げています。
下のリンクから、ページ中央の<活動の様子>にまとまっていますので、
気になる方はこちらものぞいてみてくださいね。


ということで、現在PKTホールは、
中野区のなかのZEROでのワークショップの参加者を募集しています!
そして発表公演は、観覧無料で、どなた様にもお越しいただけます!(要予約)
観覧情報公開まで、もう少々お待ちください。

すこしでも多くの方に興味をもって頂けたら嬉しいです。

*******************************

写真でご紹介したのは、以下のホールです。

R4年度 PKT武蔵村山市民会館 『おどろどろんこどんどきゅう』
振付・構成・出演:青木尚哉 美術:間中ムーチョ
出演:小学2年~高校1年生の子どもたち
(c)木原丹

R4年度 PKT大田文化の森 『ワイルドワイルド!』
振付・構成・出演:北川結 音楽:西井夕紀子
出演:小学3年~6年生の子どもたち
(c)金子愛帆

R4年度 PKT赤坂区民センター 『めにみえないもの製造工場』
振付・構成・出演:辻田暁 音楽:ファルコン
出演:小学3年~中学3年生の子どもたち
(c)松本和幸 

本日9/25(日)は「北川結とカラダおどるココロおどる!」でした。
台風一過で、気持ちいい風が吹く、暑いくらいの日!
初めて参加される親子もちらほら。ようこそ、ぞうしがや こどもステーションへ!
アーティストは、ダンサーの北川結さん、アシスタントは内海正考さんです。

からだでじゃんけんに挑戦!その名も、「おしゃれじゃんけん」です!


おしゃ~れ じゃんけん じゃんけん ぽん!
のかけ声で、からだいっぱいに、グーチョキパーをつくりました。


壁に寄りかかってパーをつくったり、
二人組でチョキをつくったり、
子どもも大人も、いろんなアイデアが出てきました!
「おっ!それいいね~」と、一人ひとりに声をかける北川さん。

大人のからだをアスレチックのようにしてみるコーナーも!
あ!背中をよじ登ってる!


子どもたちは、満面の笑みで楽しそう!
大人は、そりゃもう、必死です!

からだのパーツをくっつけてみよう!の時間では、
手と手
膝と膝
背中と背中・・・・

と、いろんな場所同士をくっつけたあとに、
わき腹と太もも?!

からだの動きにいろんな工夫があって、どの家族も違っていて、おもしろい!
大人の皆さんは、きっと明日筋肉痛になっていることと思います。

三味線に合わせて動いたり、好きな食べ物から振付をしてダンスをしたり、
盛りだくさんのワークショップ!みんな本当に楽しそうで、見ているこちらも幸せでした。

次回をお楽しみに!


ぞうしがや こどもステーション
https://www.children-art.net/aws/zoshigaya/


芸術家と子どもたちでは、2021年度からの3年間、BNPパリバ財団の芸術教育支援プログラム「Dream Up」の支援を受けて、児童養護施設と障害児入所施設でのワークショップを実施しています。今回のブログでは、2021年度の活動をご紹介します。

「Dream Up」は、芸術教育を通じて世界の子どもたちを支援する社会貢献活動で、社会的に不利な状況にある子どもたちに、才能開花の機会を提供するために、世界30か国で展開されています。

今回のプロジェクトでは、社会的養護の下にある子どもたちや、障害のある子どもたちが、ダンスや音楽、演劇などの表現活動を通じて、他者とのふれあいや、自他の表現を認め合う経験を重ねながら、それぞれがやりたいことを見つけ尊重し、その力を伸ばすことをサポートします。そして、彼らの傷ついた心を回復し、自分や人を信じる力、人と関わる力を育てることで、彼らの自立を支援することを目的として始めました。

◎2021年度実施概要

児童養護施設×棚川寛子      
参加した子どもたち2施設(交流) 年中~中学3年生、施設退所者 18人
アーティスト棚川寛子(舞台音楽家)
アシスタント・アーティスト井上貴子(俳優)、加藤幸夫(俳優)、佐藤円(俳優)
ワークショップ実施日➀10/9 ②11/27 ③12/5 ➃12/26 ⑤1/9 ➅3/12 ⑦4/4 ⑧4/5
障害児入所施設×新井英夫     
参加した子どもたち小学5年生~高校3年生 12名
アーティスト新井英夫(体奏家・ダンスアーティスト)
アシスタント・アーティスト板坂記代子(ダンサー)、はしむかいゆうき(演奏家)
ワークショップ実施日日➀11/20 ②12/12 ③1/7 ➃1/30 ⑤2/23 ➅5/8       

・児童養護施設でのワークショップ

舞台音楽家・棚川寛子さんたちと、2つの児童養護施設の子どもたちが交流するワークショップを実施しました。2回目のワークショップでは、BNPパリバ社員の方から、BNPパリバの紹介や、SDGsのレクチャーをしていただきました。レクチャーの前には、英語のゲームで楽しく身体を動かして、子どもたちはその後のSDGsのお話を集中して聞いていました。丁度学校で勉強したばかりの子もいて、身近に感じることもあったようです。

そして、レクチャーで聞いたお話を元に、アーティストの棚川寛子さんたちとオリジナルの物語を一緒に創作しました。「自然」「環境」「貧困」などのキーワードから出てきたアイデアを、一つずつつなげて物語にしていきました。台本はありませんでしたが、子どもたち自身が想像力を働かせ、自分たちで言いたい台詞や動き、なりたい役を考えてシーンをつくっていきました。

<子どもたちが考えたアイデア>

・海の王国-海が汚れて、食べる物がなくなり困っている。

・飢餓を無くすためにコロッケ屋さんをやりたい。

・目が見えなくて困っている「白杖の女の子」の役をやりたい。

・小さい子がいじめられているのを助けたい。差別を無くそう。

・森を守る妖精になりたい。

・エコカーをつくりたい。

・訪問医療チーム(KISA2隊)になりたい。

また、衣装や美術は、Dream UpのTシャツにペイントをしたり、段ボールや不要になったカーテンや端切れなどの廃材を活用して船や車をつくったり、子どもたちと手づくりしました。こうして回を重ねて少しずつ形にしながら『海の王国とひそむ影』というオリジナルの物語を創作し、最終回には施設内職員の方に向けて発表会を行いました。

・障害児入所施設でのワークショップ

体奏家・ダンスアーティストの新井英夫さんたちと、zoomを使ったオンラインでのワークショップを重ねました。 オンラインということもあり、子どもたちの特性に合わせて、少人数の3グループに分けて実施。身体遊びや音遊びを通して、人と関わりながら、一人ひとりの興味・関心に寄り添い、オンラインならではの、映像の効果も楽しみながら取り組みました。

衣装は、Dream UpのTシャツを、学園にある自然素材や廃材を活用してペイントしました。いろんな形の枝や葉っぱ、輪ゴムや梱包材のプチプチなどを使って、スタンプのように使ってペイントしました。

最後の日は、衣装のTシャツを着てグループごとに映像を録画。後日施設内の職員や子どもたちが鑑賞できるようにしました。ファッションショーのつもりで、つくったTシャツを衣装に、それぞれが即興で自由に踊りを披露しました。物語が好きな男の子は、目をいろんな物に貼り付けて、見立てで遊びながら、アーティストと即興のお話をつくりました。

この二つのプロジェクトを通して、BNPパリバのCSR担当社員の方とミーティングを重ね、実際にワークショップにも何度も足を運んでいただきました。残念ながら、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を受けて、発表会に多くのBNPパリバグループの方をお招きすることは叶いませんでしたが、発表後には社員ボランティアの方々から手づくりのプレゼントをいただき、子どもたちもとても喜んでいました。

また、後日、社員の方には映像で発表をご覧いただけるようにするとともに、ランチタイムを活用した1時間程度のオンライン・セッションを設けてくださり、施設職員と事務局スタッフで、それぞれの施設の現状と課題や事業報告をさせていただきました。100人ほどの社員の方が視聴してくださったということで、

「活動や発表の様子を拝見できて、感動しました。」

「心健やかに育ってほしいきもちでいっぱいです。」

「自分の子どもの環境が、当たり前ではないということに、改めて気づかされました。」

などの感想をいただき、私たち事務局スタッフにとっても学びとなる貴重な機会でした。

児童福祉施設での取り組みは、様々な事情から広く広報することが難しいのですが、こうした形で企業の方が一緒に事業に取り組んでくださることは大きな励みになりました。この場を借りて改めてお礼を申し上げます。