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底冷えする寒さが続くこの日も、グリグリは元気に畑づくり!と思って集まったものの、この日のメンバーはたったの5人。小さい子どもたちが多く参加しているとはいえ、とても珍しいほどの欠席率。
「今日は寒いからまずはお茶でも飲みながら、来月植えるじゃがいもや春夏育てる野菜の相談をしようか」
なんて言いながらティータイムでスタート。結果を急がず、プロセスをもっとも大切にしているグリグリでは、一見“ゆるい”と思われるような時間も大事なコミュニケーションの時間です。暖かい教室で、カブさん(グリグリの参加アーティスト)が用意してくれた13種類ものおススメじゃがいもの情報を眺めながら、「フライドポテトにしたいなぁ」「コロッケにむいてるのもいいなぁ」「名前がおもしろいね」なんて言いながら、じゃがいも投票。欠席だったメンバーにはネット上で投票してもらいます。近いうちに集計をとって、来月のワークデーには植えていくことになります。さて、どのじゃがいもが植えられるのでしょうか。楽しみです。ほかには、夏野菜はどんなのものを植えるか相談し、意見がまとまったところでお昼の時間になったので、ティータイムのままランチタイムへ。ランチタイムはうって変って隕石落下の話題でもちきりでした。
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午後になるとカブさんが来てくれて、この先栽培する予定のトマトのためのビニールカバーをかわいく装飾しました。用意してくれたたくさんのカッティングシートを切って貼ってお絵かきです。自分の思いつきでどんどんつくる人、誰かがつくった絵をヒントにつくる人。気がついたらゆかいなコラボレーションになっていて、あまりの楽しさに一同時間を忘れて次から次へとつくっていました。
あまりに夢中になりすぎたので、造形には区切りをつけ、もう夕方近いというのに次回植える野菜やハーブのための土づくり、ほうれんの種まき、バラやぶどうのお手入れなどをしました。寒い寒いと言いながらも、暖かくなったときに元気に植物が育ってくれるように手入れは不可欠です。
「来月はもっと芽が大きくなっているかなー」などと話しながらの作業は、スタッフもしみじみ楽しいなぁと感じてしまうのです。暗くなるギリギリまで作業がつづいたところを見ると、メンバーのみなさんもきっと楽しかったに違いありません。
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「じゃあ一カ月後に!」と言って長ーいワークデーが終わりました。

小学4年生61人と取り組んだ、水内貴英さん(美術家)のワークショップをご紹介します。「空間で遊び、楽しくコミュニケーションとりながら形ができていき、クラス全体で空間を大きく使った作品をつくりたい」という先生からのリクエスト。各クラス2日間、実際に作業できる時間は3時間弱という短い時間が課題でしたが、『フォールダウン・オブジェクト~一瞬の作品~』と題して、作品を落下させる事で一瞬だけ成立する作品を制作することになりました。
ワークショップの導入は、アーティストの自己紹介。「変な事を仕事にしています。」と挨拶した後、実際にどんな作品を作っているか作品を見せながら説明します。興味をもった子どもたちから「それ今日作るの?」「すごい!」などあちらこちらで声が聞こえます。アーティストは「つくるのも仕事だけど、思いつかないと作れない。思いつくのが大変。みんなも自分の創造力をいっぱい使って、面白いことを思いついてください。」とメッセージを送り、この日のワークショップの説明へとつなげました。

落下させる作品ということで、空中にくす玉のような装置を設置し、その中に、子どもたちが自由に制作した作品を仕込んで、最終的にはみんなで一斉に落下する瞬間を眺めるという内容です。装置の使い方や、材料の説明をした後は、一斉に作業に取り掛かりました。
子どもたちは、見本で見せたパラシュートや紙飛行機のつくり方をアーティストやスタッフに教わりながら発展させたり、材料からインスピレーションを得てどんどん新たな形を生み出していったり、迷うことなく手を動かし始めます。作ったものは各自自由に装置に仕込んで、実際にどんな風に落下するか試していきます。装置の扱いがなかなか難しいので、自然と何人かのグループになって作業を分担する子もいれば、自分の作りたいものを大切にして、落下させる時だけ手伝ってくれる人を交渉して見つけるなど、様々なやり方で制作を進めます。

スタッフが見ていると、「それは絶対失敗するなあ。」と思うような特大のパラシュートを作り始めた子が。実際に落下させてみると、やはり紐が長くて重すぎるため上手くパラシュートが開きませんでした。しかし、彼はそこで諦めることなく、工夫すべきて点をアーティストと相談しながら再チャレンジ。子どもたちは失敗を重ねる中でどうすれば成功するのか、装置はどのように使えば良いのか、次々に学んでいっている様子でした。そうしているうちに時間はあっという間に過ぎ、納得できる結果が得られたグループもそうでないグループも一旦作業を終了。次回への期待を胸に挨拶をして学校を後にしました。

そして一週間後、2回目のワークショップは、装置の数を全員分に増やし、最後には一斉に落下させる時間を設けることを説明して作業に取り掛かりました。体育館に入って来た時からヒソヒソと何やら作戦を立てて話を聞くより作業をしたい気持ちが溢れていた子どもたち。この日も迷うことなく作業に取り掛かり、1回目とは違う事に挑戦したり、前回の内容をさらに工夫して発展させたりしがら、黙々と作業に入っていきました。

どんな風に見えるか何回も試してみたり、扱う素材を増やしてみたり、途中で糸が絡まったり装置が引っかかったりするなどのトラブルもちらほら見かけますが、大人も協力しながら、限られた時間の中でも力を尽くします。装置自体にも飾りを付け始める子や、垂れ幕のようなものを作ってメッセージを描いているグループ、プレゼントのようにラッピングする子など、様々な工夫が増えていきました。

そして最後は、いよいよ列毎に同時に落下させます。装置の準備を揃えるだけでも時間がかかりましたが、「私が持っていようか?」「ひっぱるのやっていいよ。」などお互いに協力し合いながら何とか設置完了。「5、4、3、2、1!」のカウントダウンで一斉に落下です!本当にほんの一瞬でしたが、キラキラした陽射しの中をフワフワと舞い散る作品に子どもたちからも歓声が。終わりの挨拶では「自分にしかできないことを考える。誰の真似もできなくなった時に、何もないところから考える。そういう事を思い出してくれたら嬉しいです。」とアーティスト。たくさんの創造力を秘めた子どもたちだったので、これからも面白くて楽しいことでいっぱいの毎日をつくってくれるといいなと思いました。
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水内貴英/美術家
https://www.children-art.net/mizuuchi_takahide/

読んだ絵本:「ふしぎなナイフ」「ふようどのふよこちゃん」「オオカミがとぶひ」「ブラッキンダー」「はやくはやくっていわないで」など
新しい年を迎え陽の光がキラキラと差し込む暖かな1月の日曜日に、えほんの会を開催しました。今回のえぽんずメンバーは渋谷橙さんと田中晶さんのお二人。珍しく男性のみの回となりました。
午前の部、今年の干支にちなんでニョロニョロと蛇のように身体をほぐしてスタート。その蛇の身体がいつの間にかナイフになり、「ふしぎなナイフ」が一冊目。ポキッと折れるナイフ、プクーッと膨れるナイフ、どんどん不思議な形に変化してきいきました。

二冊目に読んだのは少し長めの物語「ふようどのふよこちゃん」。腐葉土が主人公のお話に、「ふようど」って何だろうと考えながら、豊かな自然を支える腐葉土の様子が語られていきました。そのうちに、えぽんずさんの差し出す楽器で子どもたちが即興の演奏をつけ始めました。

それならばと、みんなに好きな楽器を選んでもらい「カニツンツン」ではみんなに楽器を鳴らしてもらいながら読みすすめ、途中からは言葉に身体の動きもつけて、よじれたり、伸びたり、床をゴシゴシこすったり、様々な動きをみんなにも真似してもらいました。そしてその後もずっと楽器と一緒に賑やかなまま午前の部を終えました。

午後の部は、お昼ご飯も食べた後だからか、まったりした空気の中でスタート。最初の身体ほぐしは近くの人にも触れながら、身体を柔らかく伸ばしていきました。そして、一冊目は「ブラッキンダー」。黒い線で描かれる宇宙のような絵や「キンダー」と呼ばれるサボテンが登場したり、「ブラッキンダー」ってなんだったのか、という抽象的なお話でしたが、子どもたちは静かに世界に引き込まれていました。

そんな集中力のある参加者の方々の様子だったので、二冊目も「はやくはやくっていわないで」を静かめバージョンで。途中から打楽器で演奏をつけてみると、ピアノの得意な女の子が弾いてくれた曲がちょうど良いBGMになり、えほんの世界にピッタリでみんなからも拍手をもらっていました。

その姿に触発されてか、楽器に興味をもつ子どもが少しずつ音楽を奏で始めます。アコーディオンを抱えて、ちゃんとえぽんずさんの朗読に併せて演奏する女の子がいたり、自分の好きな楽器をたくさん並べて演奏していたらいつの間にか絵本のお話にピッタリの効果音になっていたりして、子どもたちの感覚には脱帽です。
その後は紙芝居で「おおきくおおきくおおきくなあれ」。みんなにも「おおきく~」と言葉を言ってもらい、卵から恐竜が生まれたり、大きな大きなケーキに変身したり、その様子に子どもたちも楽しそうに反応していました。たくさん音を出して声も出した後は、午前にも読んだ「ふようどのふよこちゃん」を賑やかバージョンで。子どもたちは音楽にも慣れた様子で、えぽんずメンバーにも近寄って賑やかに聞いていました。

さて、次回のえほんの会は3月30日(土)を予定しています。
春の光が感じられるようになっていればいいなと思いながら、皆様のご来場をお待ちしております。
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☆1月のえぽんずさん:渋谷橙(俳優)、田中晶(俳優)

小学校の特別支援学級で取り組んだ、上村なおかさん(ダンサー・振付家)によるワークショップをご紹介します。昨年度は美術家のアーティストとワークショップを実施した学校ですが、「ゲストが来て何か楽しいことをしてくれた」という体験を継続していきたい、という先生からのリクエスト。今年はダンスや音楽を使って自由にのびのびと表現活動を楽しめるようにということで、友だちと関わったり、普段動かしてない動きを経験したりするような内容に取り組むことになりました。アシスタントにはダンサーの戸川悠野さんをお迎えして、3日間実施した中から2~3日目の様子をお伝えします。

まずは2日目。ワークショップの始まりは身体をほぐすところから。足の先をマッサージしたり、肘、お腹、と身体の部分を一つずつ触ったりつまんだりして感触を確かめ、色々な触り方で自分の身体を労わるようにしてくまなく全身にふれました。続いては二人組のワーク。一人が寝転んで、もう一人が手を差し出した所へ順に足を伸ばして触れていきます。アーティストが見本を見せた後に早速やってみると、上下左右あちらこちらへ差し出される手によって、様々な身体の形が生まれると同時に、相手が届かない所へは差し出さないという自然な優しさも見られました。そうしてだいぶ身体がほぐれたら、次はタンバリンの音に合わせて「シャラララ」と鳴っている時は動いて移動、「パン!」の合図でピタッと静止するワークへ。移動はただの移動ではなく、アシスタントの方へ向かって好きな動きを考えながら進みます。6年生の男の子がスーパースローでゆっくりゆっくり時間をかけて歩く様をアーティストが取り上げ、みんなでその足の動きを観察しました。止まる時は相手にそっと触れて止まります。相手が痛くないように、自分の身体が気持ち良いようにしながら、ゆっくり動く難しさも感じて身体の感覚が開かれていくようでした。
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その後は、教室に青と黄色のビニールテープを交互に一直線に貼り、その上を一人ずつ歩きました。青はゆっくり、黄色は速く、また青になったらゆっくり歩きます。速い遅いも一人ずつ違ったスピードがあります。あっという間に端までたどり着く子、じっくりじっくり少しずつ歩を進める子など、一人ひとりの違いをアーティストが認めながら、息を呑むような静かなソロダンスが続きました。最後には、ビニールテープをあちこちに貼って、音楽をかけながら自由にテープとテープの間を移動、色のルールはそのままに全員で踊る時間です。細いテープの上に同時に何人か集まってギュウギュウになる時もありますが上手く譲り合ったり関わり合ったりして、最後の最後は「今日の形!」でポーズを決めて終えました。
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最終回となる3日目は場所を変えて体育館での実施。校庭に雪の残る寒い日でしたが、広々とした環境の中でたくさん身体を動かす事ができました。最初の身体ほぐしは、お尻だけ床に付けてクルクルと回ったり、全身をブラブラさせてジャンプをしたり、足を開いたり閉じたり、これまでと同じように丁寧に自分の身体に向き合っていきます。続いては、差し込む陽の光を利用して、日向を海に見立てて魚になって動いてみました。アーティストがトーンチャイムを鳴らしながら「いろんな泳ぎ方考えていいよ」と言えば、「ホオジロザメになる」など口々に言いながら、床は冷たいのにニコニコと嬉しそうにそれぞれのイメージを広げていました。
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その後は、体育館に元からある色の線を利用してのワークです。子どもたちにもアイデアを聞いて、赤は「クルクル回る」、白は「滑る」、青は「ブルーなのでブルブル(学校でダジャレが盛んな事を発見したアーティストのアイデア)」、黄色は「カチンコチンで形を決めて止まる」、緑は「ゆっくりと森の生き物になって動く」というルールを一色ずつ確認しながら取り組みました。もちろん全てのルールをアーティストが指定する事もできましたが、この日の子どもたちの様子を見てアイデアを出してもらう事に。結果的に自分たちが決めたルールということも、取り組みへの意欲を高めたようでした。
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アーティストは、色ごとにタンバリン、鈴、マラカス、トライアングル、トーンチャイムと楽器でその場で音を付けながら、面白い動きを認めたり一緒に動いてみたり、子どもたちの表現を広げる環境を作っていきました。子どもたちは色ごとに違う動きにもしっかり反応して、線の上で渋滞になっても喧嘩したりはせずすっと避けたり、出会った友だちと一緒に動いてみたり、様々な関係性も垣間見えました。

その後は一人のダンスの時間。体育館の真ん中を端から端まで「途中にあるポール立ての銀色の蓋の上はジャンプして、それ以外は自由!」と説明してスタート。やりたい子が次々に手を挙げました。かなりの距離ですが、堂々と前を見つめ床を見つめ、くるくると、しっとりと、軽快に、そして時に戸惑いながら一人ひとりのダンスを披露、順番を待つ子どもたちも静かに見守ります。全員が終わってもまだ踊り足りない様子で、「2回目も良いよ」とアーティストから声がかかると、一人ずつではなく次々と前へ進み、そのまま全員でのダンスへ突入。再び一通り色の動きをした後は、一曲分の自由ダンス。広いと思った体育館が狭く感じる程、子どもたちの身体が空間を清々しく埋めていきのびやかに表現する姿に見とれているうち、あっと言う間に終了の時間となりました。
最後の振り返りでは、「見所がちょこちょこあって、みんな音の変化も良く聞いていた。視聴覚室で実施した前回までの経験が残っていて、体育館へと場所が広くなったことで、みんなの中でも表現が広がっていた」とアーティスト。先生からは、「普段ダンスというと運動会行事など決まった動きのものになり、そうすると“できない”“他の子と一緒の動きにならない”などとなってしまうが、ワークショップを通して創作する楽しみを学ぶことができたと思う」との感想をいただきました。毎回先生たちもワークショップに一緒に参加して下さって、子どもたちの変化を丁寧に拾いながら細やかにサポートしていただけた事も、子どもたちがのびのびと安心して表現出来るあたたかい環境につながっていて、子どもたちや先生との再会ができたことを心から嬉しく思いました。
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上村なおか/ダンサー・振付家
https://www.children-art.net/uemura_naoka/

12月のえほんの会
読んだ絵本:「くものこどもたち」「ラーメンちゃん」「あいうえおにぎり」「てぶくろ」「ぶたたぬききつねねこ」「ぶんぶんぶるるん」「はらぺこあおむし(英語バージョン)」など
12月も半ば、クリスマスも近づいてみんながワクワクしている日曜日、約3ヶ月ぶりのえほんの会を開催しました。
今回のメインは音楽家のえぽんずさん。なので、来てくれたお父さんお母さんに呼びかけて絵本を読んでいただき、えぽんずさんが絵本に合わせて様々な音を出しました。大勢の前で絵本を読むのが初めてというお父さんお母さんも、いざ絵本を読んでもらうと子どもたちみんな絵本に夢中。とても素敵なえほんの会になりました!
午前の部、まずは楽器の紹介から始まりました。見たこともない楽器に子どもたちも興味津々。みんなで音遊びを楽しんだ後は、いよいよ絵本の登場です。
二冊目に読んだのは「ラーメンちゃん」。ラ・ラ・ラ ラーメンちゃんのリズムがおもしろい可愛らしい絵本です。中でも盛り上がったのが「つるつる♪つるつる♪つるつるめん♪」の言葉に合わせて参加者の方々が大きな布の麺の上をみんなで渡って渡って、ラーメンを作った場面です。みんなで大きな美味しそうなラーメンを作ることができました。

そしていよいよ参加者のお父さんお母さんが読み手となっての絵本の時間が始まりました。
お子さんが隣で読み手のお父さんお母さんを見守る姿も見られ、とても優しい時間が流れていきました。最後には英語バージョンの絵本も登場してみんなで英語にも挑戦、とても楽しい時間となりました。

お昼を挟んで、午後の部。
午後の部の楽器の紹介では子どもたちが実際に楽器を触って音を出してみました。初めて聞く音に子どもたちもとても嬉しそう!笑い声と共に午後の部が始まりました。
午後の部の最初は、クリスマスも近いということで『赤鼻のトナカイ』をみんなで絵本の途中で歌って一足早いクリスマスを楽しみました。三冊目は、参加者のお母さんが読んでくれた「だるまさんシリーズ」「だるまさん」の後に続く言葉をみんなで考えてもらいながら楽しい時間が流れていきました。
最後の絵本「どうぞのいす」では参加者のみなさんが登場人物のリスやうさぎの主人公になりきって、絵本に登場したり、本当のはちみつを小道具として使ってみたり、即興でちょっとした劇を作りながら、絵本の世界に入り込むことが出来ました。

あっという間に時間は過ぎて、午後の部の最後はえぽんずさんのライブで締めくくりました。暖かな夕暮れが差し込む部屋の中での優しい音楽に子どもも大人もうっとり。贅沢なライブとなりました。

次回のえほんの会は1月27日(日)を予定しています。
まだまだ寒い日が続きそうですが、暖かなほっこりとした時間をご用意して皆様のご来場を心よりお待ちしております。
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☆12月のえぽんずさん:後藤勇さん(コントラバス)
ゲスト:坂ノ下典正さん(ギター)、米本実さん(自作電子楽器)、鈴木由花さん

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一年でもっともメンバーさんが集まる?クリスマス会。今年は40名弱と、やや少なめでしたが、昼間から子どもたち中心でクリスマスの飾りつけをしたり、料理好きの大人と子どもが料理をつくったりと、いつもながらのいいクリスマス会となりました。これまでは、3年連続で七面鳥を石窯で焼いてきたのですが、別メニューも試してみようということになり、今年はローストビーフ(4キロ!)とS家の手づくりベーコンをメインに、畑でとれたバジルで作り置きしておいたバジルペーストやシソ味噌を使ってパスタやおにぎり、畑のサツマイモのスープをつくることに決定。多人数分をつくるのは量が検討つかず、「足りるかなぁ?」と心配しながら、毎回すごい量ができあがるのですが、今年も盛大につくって食べて大賑わいでした。
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今年は、地元で「巣鴨大根」にはまっているグループの方がご家族とともに参加してくれて、会の終盤では「大根づくり作戦会議」が開かれました。「そもそも巣鴨大根てあったの?」という疑問から、いつの時代に、巣鴨のどこで栽培されていたか、様々な角度から歴史をひも解きながら巣鴨大根を探究してきたいきさつを伺い、巣鴨で栽培してみたい!という思いがグリグリのみなさんにも通じ、来年は「巣鴨大根をつくっちゃおう!」ということになったようです。どんな展開になるやら楽しみです。

2学期は、学芸会や音楽会などの行事に関わるワークショップの依頼も多くなります。その中で、学習発表会に向けて『ユタと不思議な仲間たち』という物語に取り組んだ、小学5年生57人とのワークショップを紹介します。東京育ちのユタが両親を亡くして東北の学校へ転校。座敷童との出会いによってたくましく成長していくお話です。
アーティストは、通称「なにわのコレオグラファーしげやん」こと、北村成美さん(振付家・ダンサー)。今回は、発表日を含めて全6日間しかないので、台詞の指導などは先生が担当、アーティストは身体表現を取り入れた、オープニング、座敷童が自己紹介をする場面、座敷童とユタが乾杯する場面、そして最後に座敷童が旅立ち「友達はいいもんだ」を歌うエンディングの4つのシーンを主に担当することになりました。
さて、初日は「全員の顔が見えて、全員に顔を見せられる場所に3秒で移動してください。答えを人に言わない。」と、いきなりアーティストの問題から始まりました。「1、2、3!」の掛け声で、戸惑いながらも一応正解と思う場所へ移動する子どもたち。最初はみんな舞台に上がってしまい、「それみんなの顔見えてる?」とアーティストは一蹴。「1、2、3!」とできるまでやり直します。そのうち、子どもの中から「円になったらいいんじゃない?」という囁き声が。次第に円が出来てきたところで、「みんなの顔が見えてるなら合図なしで出来るはず。」と、無言でタイミングを合わせて移動、アーティストへの集中力、呼吸がぐっと一点に集まっていきました。
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円が形になってきたところで、そのまま無言でアーティストがいろいろな動きを始めると、アーティストを見つめていた子どもたちが何も言わずにその真似を始めます。床を叩いたり、回転したり、寝そべったり、時に「シュッ」「ハッ」と声も出しながら、様々な動きを真似します。
そうして開始から30分ほどたった頃、真似の動きの流れで正座をして、呼吸を合わせて「よろしくお願いします!!」と挨拶したところで、改めてアーティストが自己紹介と説明をしました。これからのワークショップについて「みなさんに対してもプロと同じようにやります。ただちょっと根気がない。」と叱咤。改めて真似の動きをしてもらい、アーティストの動きを見てから真似をすると、動きにズレが生じることを気づかせます。では、「見る」とはどういうことか。おもむろに男の子を円の中心に連れ出し即興で踊るアーティスト。踊り終えると「分かった?」「ハイ、二人か三人でどうぞ!」と全員に向かって投げかけます。二人組で何をするか言葉での説明は一切ないので「えっ?」と言いながらも、相手を見つけて何やら動き出す子どもたち。対面するという関係性、気分を合わせる、ということを体験するため、何パターンか二人組の動きを繰り返し「これは遊びじゃないねん。全身で見るからお客さんも見る。」と語りかけると、アーティストが見本を見せる時の子どもの静けさも増していきました。言葉で説明するのではなく、見つめる、呼吸を合わせる、感じる、など身体全部を使っての対話が生まれていたように思います。
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2日目、この日は「よろしくお願いします!」の一言の後は、何も説明せずに、真似の動きから始まりました。子どもたちは既に慣れた様子で、水泳の動き、お尻歩き、何かを投げる動作など、アーティストと呼吸を合わせて動きます。
そして、またみんなの顔が見えるよう円になったところで、これからは学芸会に使う動きをつくっていく事を伝え、オープニングや座敷童の自己紹介にも使う「名前ダンス」の創作に取り掛かりました。四人組になり、一人ひとりの名前を全員でも踊れるようにと指示を出したら早速スタート。どんどんアイデアが出て何個も振りを考える子、1つのアイデアに辿り着くのにも時間がかかる子、様々なグループがありますが、時折1つのグループを取り上げてポイントを全員に伝えながら創作を進めます。一人の名前でも4人で手をつなぐなど協力して動きを作っているグループ、好きなスポーツの動きを取り入れるグループ、掛け声に工夫をするグループなど様々。更に、4人の名前を続けてテンポよく踊れるように「せーの」という掛け声をなくす事、「大事なのは終わりと始まりがあること。終わったらちゃんと止まる!」など精度を上げるよう各グループを回って声掛けをしました。
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そして振りが決まったら、1グループずつ発表です。少しでも終わりのポーズが決まらないと「何やってんの!?」、服を気にして触ってしまうと「振付にないことはやらんといて!」、その他にも「私プロやし、こんなん許されへん!」「面白くないもの作るんやったら、やらん方がいい!」等々、アーティストから激が飛びます。どんどん子どもに詰め寄り、一つ一つの動きに納得できるまで、一切の妥協を許さず何度も何度もやり直してもらいます。すると、見ている子どもたちも発表の後に拍手をするべきかどうか判断するようになりました。拍手をもらえないのは何故か、拍手したい気持ちになるような動きとはどういう事かを身体で感じ取ったようで、最後に全員で一斉に名前ダンスを踊った様子は壮観でした。何を見せたくて、何を見せたくないのか、この日の振り返りで先生が仰った通り「前回までは「楽しい時間」だったのが、「発表して見せる。」という意識に変わった。」という2日目でした。
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そして配役も決まり、ひな壇など舞台も設えられた3~4日目は、名前ダンスを取り入れたオープニングや、初回の真似の動きを使った乾杯のシーンなど、どんどん動きを決めていきました。お話の中で57人全員が一度に登場することは難しく、登場人物は4場面に振り分けて配役が決められていますが、全員が登場して一人ひとりが考えた自分の名前ダンスで始まるオープニングは、これからどんな物語が始まるのか、見る人の期待を煽ります。
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乾杯のシーンでも、場面の登場人物以外のひな壇で待機している子どもたちも登場して、タイコに合わせて掛け声をかけたり全員で踊ったりする工夫をしました。乾杯のしぐさ一つとっても、中途半端な飲み方では伝わらない。そこに無いものをあるように見せられるように、アーティストも実際に違いをやって見せながら、一つ一つ丁寧に伝えていきました。
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途中、ワークショップがない期間は先生に練習を任せて、あっという間に迎えた5日目はリハーサル。リハーサル直前の控室では、アーティスト自身も舞台に立つ前にするという儀式を子どもたちと行いました。「舞台に立つと自分一人やけど、みんなに見られたりするやんか。でも、お客さんに伝える時も、お互いに向かい合ってきちんと挨拶することと同じ。」と、全員がお互いに一人ひとりと握手をしてリハーサルに臨みました。
そしてリハーサル後、教室に戻った後は本番に向けてさらに完成度を上げる時間。「せっかくここまでやってんから、もっとよくなる!」というアーティストの言葉に、「もっと進化させる。」という子どものつぶやき。「一人くらい大丈夫。」と思っている人が一人でもいたら台無しになるからと、オープニングの名前ダンスを、改めて一グループずつやってもらいました。出来ていなければすかさず、「声も何もかも小さい!」「何も伝えてへん!!」「一番大きい声出してみて!」とアーティスト。自分の番ではないグループの子も、お互いに顔を見合わせて自分たちの動きについて本当に大丈夫か確認を始めます。そして、ある子が何度も何度もやり直しをさせられていると、いつの間にか周りがその子の動きを覚えて動き出しました。
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一人を囲んで全員がその子の名前を呼び、その子の動きをやってみる。アーティストが声をかけたわけでもないのに、自然に動き出した子どもたち。何度も何十回も、自分の名前に加えて友だちの名前、いくつものダンスを繰り返していると一つ一つは一瞬の動きなのに、いつの間にか袖を捲りあげ、肩で「ハアハア」と息をする子どもたち。みんなの熱気、そして気持ちが教室中に満ちていきました。更に、終わりのポーズが中途半端な子には、周りからも「ちゃんと止まった方が良い。」とアドバイスや、「しゃがんでみたら?」などポーズを提案する姿も見られるように。次のグループへ進もうとすると自ら挙手して見て欲しいとアピールし、アーティストの気合いに全く引くことなく応えていく子どもたち。何回も繰り返すうちに動きは良くなりましたが、「お客さんには一発目でこれができなあかん!」とアーティスト。結局一時間弱を名前ダンスに費やしましたが、その中で伝えたことが全てにつながっている気がしました。
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そして、後は子どもたちがやりきってくれる事を信じるのみ、と迎えた発表の日。児童鑑賞日と保護者鑑賞日の2回の発表のうち、アーティストが来られるのは一回目だけ。出会ってから約一ヶ月、振り返れば初めはアーティストの言葉に全く反応しない子がいたり、気がかりな事もありました。でも、ここまで子どもたちも先生も一丸となって迎えた本番。様々な想いを胸に始まったオープニングから最後まで、一瞬一瞬、一人ひとりが舞台の上で楽しんでいる様子、緊張している様子、そして観客が物語の世界に引き込まれ会場の空気が変わったことを感じました。しかし、ここまで一緒にやってきたみんなだからこそ、「もっとできるばず。」と、発表後にはアーティストから2回目の発表に向けて最終チェック。今まで、どんな事にも一瞬で応えてくれたからこそ、どこまでも登っていけそうな気がする子どもたちの勇姿に胸が熱くなりました。
校長先生が会の始まりの挨拶で、「お客さんが、劇を観る前と観終わった後では世界が違って見えるような劇を。」と仰っていましたが、スタッフも毎回子どもたちの姿に驚き感動し、この出会いによって世界が違って見えたような気がした6日間。このような出会いをくれた、子どもたち、先生、そしてアーティストへの感謝の気持ちでいっぱいです。
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北村成美/振付家・ダンサー
https://www.children-art.net/kitamura_shigemi/

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通常はほぼ月二回活動しているグリグリですが、今年の秋冬はわけあって月に一回しかワークデーがないのでこの日は一か月ぶりにメンバーが集まりました。前回は、花壇の整備を丸一日かけて行って、うっそうとしていた花壇が見違えるようにきれいになり、冬を越せるかわいいお花が植えられたのですが、今回は実りの秋らしく収穫と食べることが満載のワークデーでした。
畑の収穫といえば、さつまいも。暑さのせいか、秋になるまで葉も茎もほとんど伸びることのなかったおいもがどうなっているのか心配していたのですが、数は少ないものの丸々と太ったさつまいもを収穫することができました。すぐには食べず、12月のクリスマス会でいただくことにしました。さつまいものツルは、甘辛く炒めるととてもおいしいので、丁寧に筋をとって、短く切ってきんぴら風にしていただきました。簡単な一品ですが、筋をとるのに5,6人がかりで約2時間作業という究極のスローフード。あるものを大事にする心って、言うほど簡単ではないと痛感しつつ、美味しさに感動しながらいただきました。
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二つ目の収穫はみかんです。畑の脇にもともと植えてあったみかんの樹が今年は大豊作で、子どもたちが木や塀によじ登ってとってくれました。集めてみるとものすごい量。数えてみたら100個以上にもなっていました。みかんはジャムにしようということになり、エプロンを持参してはりきってきた小4の女子を中心としたメンバーの一部が、午後はジャムづくりをしていました。しかし、あまりにも大量で、ジャムが出来上がったのは日も暮れた5時ごろ。お腹を空かせた子どもたちはパンにできたてのジャムをつけて「うまいうまい」と大騒ぎで食べていました。
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そして三つ目の収穫は柿です。にしすがも創造舎の中庭には大きな柿の木が3本あり、グリグリが集まる教室の窓から見るとおいしそうに熟した柿がよく見えるので、毎年子どもたちが「採りたい採りたい」と大騒ぎします。ついに高枝ばさみも買って、柿もぎが定着したのですが、今年は渋柿が20個くらい採れて、これも渋ぬきをしておいて12月のクリスマス会でいただくことにしました。
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収穫以外も、もちろん畑仕事はあり、レモンやブドウの樹に肥料を与えてふかふかの土にしてあげたり、さつまいもを収穫した後の畑を整備して次の種をまいたり、子ども畑の大根の芽かきをしてあげたり。
グリグリの体験に来てくれた親子も10名ほどいたので、メンバーさんが色々教えてあげたりしながらの、とっても賑やかで暖かなワークデーでした。

小学校の特別支援学級で行われた、音楽家の港大尋さんによるワークショップをご紹介します。昨年度も同じアーティストでワークショップを実施した学校で、今年は「港さんと、とにかく音楽と身体を自由に動かすことを楽しみたい。」という先生からのリクエスト。子どもたちの中に去年のことが何らかの形で残っているようなので、同じアーティストで継続して取り組む方が、安心してより面白い表現が引き出せるのでは、という先生の言葉もあり、同じアーティストにお願いする事になりました。アシスタントにはダンサーの渋谷陽菜さんをお迎えして、3日間のワークショップを実施しました。

ワークショップ初日、子どもたちとの久しぶりの再会。まずは、低学年グループでの実施です。去年と変わらない笑顔を見せてくれる子もいれば、1年生など初めましての子どもたちもいるので、まずはご挨拶。アーティストが「覚えてる?」と聞くと「覚えてな~い!」と返事をした子も、アーティストがジャンベ(アフリカの太鼓)を叩き出すと手拍子をしたり、自分たちも叩きたがったり、去年も聞いたリズムや音にすんなり反応していきました。
一人ずつ叩きながら、真ん中と端を叩く時の音の違いを使って簡単なリズムを叩いていると、ある男の子が、ジャンベを持ち上げた底は空洞になっていて、そこに風が発生することを発見。穴に顔を近づけて風を感じて確認し始める子も出てきました。
そうしてジャンベに慣れた後は、リズムに合わせて身体を動かしていきます。途中、ジャンベの音にあわせてダンサーが即興の踊りを見せました。教室を暗くして、まるでジャングルのような雰囲気の中で踊ります。何に見えたか聞いてみると「ライオン」「蛇」「オオカミ」「宇宙人」「アナコンダ」など、様々な生き物に見えた様子。じゃあ、みんなも一緒に踊ろうということで、ジャンベの音を聞きながら、時にダンサーの真似もしつつ、一人ひとりが即興でいろいろな動物になって踊りました。
一方高学年グループでは、ジャンベで一人一人にリズムを考えてもらうことにも挑戦。「トントントン」「タンタタタンタン」「カカカカカカカ」「タンタタタタタンタン」など、みんなで真似してジャンベを叩いたり言葉にもしたりしました。さらには、出てきたリズムにあわせて即興の動きをつけながらダンスをしました。昨年もジャンベを叩いたりダンスを踊ったりした仲間なので、アーティストがどういう事をするか、お互いの勝手がなんとなく分かっている事や、子どもたちの期待度の高さを感じた1日目でした。

2日目と3日目は、昨年度の経験があってこその子どもたちの反応の良さや、ワークショップへの期待も踏まえて、いくつかの歌や踊りに取り組み、最後には、低学年と高学年で一緒に発表する時間を設けるという計画で臨みました。高学年グループと一緒に取り組んだのは、アーティストの港さん自身による作詞作曲の『がやがやのうた』と、喜納昌吉氏の作詞・作曲の『花』。どちらの曲も歌いやすい歌詞やメロディーで、何回か歌っていると自然に子どもたちの声も大きくなっていきます。ピアノを弾くアーティストの側にくっついていたり、ジャンベを曲に合わせて叩く子もいたり、それぞれの参加の仕方を受け止めつつ、時には歌詞を読みながら言葉の意味も確認していきました。『花』の間奏部分で一人ひとりがソロで踊るシーンを入れたり、「川はどこに行くの?」と問いかけながらイメージを広げて子どもたちにアイデアを出してもらって振付を考えたりしました。

一方、低学年グループは『がやがやのうた』と早口言葉&ダンスに取り組みました。「はらっぱでラッパをふいた」「はらっぱで立派なラッパをふいた」「カッパがはらっぱで立派なラッパをふいた」と少しずつ単語を増やして文章を長くしていきながら、身体の動きもつけていきました。どんどんどんどん言葉が増えて文章が長くなりますが、「もうちょっと足していい?」と聞けば「いいよ!」と答える子どもたち。カッパの動きを考えていたら、動物博士と呼ばれる男の子がカッパの生態について教えてくれるなど、話も弾む中で踊りも組立ていきました。そして最終日には発表することを伝え、歌や早口言葉を少し練習してもらうようお願いして2日目のワークショップを終えました。

そして迎えた最終日。それぞれが発表する歌や早口言葉を何回か練習してからお互いに鑑賞です。直前には、アーティストと円陣を組んで先生にも秘密の作戦会議。ワークショップでやった事に更にひと工夫を加えて発表しました。高学年だけが取り組んだ『花』のサビ部分をみんなで一緒に歌ったり、低学年だけが取り組んだ早口言葉を高学年にも教えてあげたり、お互いが経験した時間を共有して、最後は『がやがやのうた』を全員で歌い踊りました。先生もギターで参加したり一緒に踊ったり、一人一人のバラバラが、音楽の中で心地よく混ざり合い、温かい時間となりました。


最後の振り返りでは、「踊りたい人?と聞いた時に何の表情も変えずにサッと手を挙げて踊ることができる。そういう反応が今の世の中に欠けているんじゃないか。音楽があって通じ合った瞬間だった。」とアーティスト。昨年の経験もあったからなのか、今回は去年以上に、アーティストの「歌ってみよう。」「踊ってみよう。」という投げかけに対する迷いのない反応の良さに驚かされましたが、音楽やダンスを通してのコミュニケーションが、子どもたちの持っている様々な表現を色とりどりに引き出していたのだと思います。
また、先生からは、アーティストの言葉かけが「座りなさい。」ではなく、「座っちゃおうか。」など肩の力の抜けた雰囲気でとても良く、指示がなくても子どもたちは「港さんと動いていると何となく楽しいことがある」というのを分かっている、という感想をいただきました。ピアノを弾けなくなるくらい日に日にアーティストに接近するなど、目に見える距離の近さもありましたが、そうした関係性の中でお互いに気持ちよく表現を分かち合うことができたような気がして、幸せな気持ちで学校を後にしました。
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港大尋/音楽家
https://www.children-art.net/minato_ohiro/

読んだ絵本:「もけらもけら」「ぼくがラーメンたべてるとき」「ぼくもだっこ」「アンジュール」「meta めた」など
9月の終わり、台風が近づいて残暑が厳しいある日曜日、約4ヶ月ぶりのえほんの会を開催しました。今回は、えぽんずメンバー2人に、ボイスパフォーマーの徳久ウィリアムス幸太郎さんをお迎えして、絵本の世界に、身体の動きとちょっと不思議な声を織り交ぜた会となりました。

午前の部、まずは身体ほぐしから始まりました。お尻やひじなど身体の一部を使って名前を書いたり、みんなで手をつないで円になり、隣の人に身体の動きで波を送ったり声を送ったり。最後は立ち上がってみんなで集合、フワッと手を放して広がったら、いよいよ絵本の登場です。
二冊目に読んだのは「もけらもけら」。抽象的な形や色に、不思議な擬音語が添えられた絵本です。参加者の方々にもいろんな読み方をしてもらい、それにえぽんずメンバーが身体の動きをつけていきます。飛んだり跳ねたり回ったり、どんな音からだって動きが次々に生まれていきました。

引き続いては、「ぼくがラーメンたべてるとき」。ある瞬間に同時に起きている様々が場所を変えてどんどん展開されていく世界を、読み手もどんどん変えながら表現しました。

そして午前の部の最後には、徳久さんによるライブパフォーマンス。畠山直哉氏の「LIME WORKS」という、石灰採石場や工場ばかりが収められた写真集を見せながら、短いライブを披露してくれました。絵本だけではなく、写真でも読み聞かせができるというのはスタッフにとっても新しい発見。子どもたちは写真を見ているのか見ていないのか、好き好きに自由に遊びつつも、時折みんなが、ふと、音に集中して聴いているような瞬間もある、そんな心地の良い時間にもなりました。
お昼を挟んで、午後の部は参加者の人数も3組と少なくなり、不織布で作った大きな大きな布をフワフワさせて遊んでいる内に、いつの間にやらゆるやかに会が始まりました。一冊目は午前と同じ「もけらもけら」。場所をさらに広く使って、やま天国に登ったり入り込んだり、また違った音の表現が生まれました。

三冊目に読んだのは「ぼくもだっこ」。いつの間にか、この日初めて出会った男の子たちが、まるで兄弟のようにぴったり隣同士に座っている姿が印象的。お話の最後には、また大きな不織布を使ってくるまったり身体も動かしたりした後に、「アンジュール」という文字のまったくない絵本へとつなげていきました。

徳久さんの演奏や、えぽんずメンバーの声に合わせて、自然に楽器を演奏している男の子の手。切ない犬の気持ちが静かに教室に満ちていくようでした。
その後は、「meta めた」という画集を使って、参加者のみんなで絵本をつくってもらいました。一つの絵をみんなで見て、自分が思いついた好きな音や身体の動きをみんなで共有していきます。ウクレレやタンバリン、ホースにベル、いろんな楽器や物も使って、一人一人が考えた絵本がつながっていきました。

あっという間に時間は過ぎて、午後の部最後も徳久さんのライブで締めくくりました。今度はえぽんずメンバーの動きに、子どもたちもいろいろな楽器に思い思いの音で参戦。そんな競演をのんびり眺める大人たち。贅沢な時間となりました。

さて、次回のえほんの会は12月16日(日)を予定しています。また一つ季節が巡って冬。木枯らしが吹いているかもしれませんが、ほっと温まる時間をご用意して、皆様のご来場をお待ちしております。
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☆9月のえぽんずさん:赤羽さや香さん(俳優)、小玉陽子さん(舞踏家・俳優)
ゲスト:
徳久ウィリアム幸太郎さん(ボイスパフォーマー)