3/21(火・祝)に「子どものためのアコースティックライブ」が開催されました!

ケルト・アイルランド音楽バンド tricolor(トリコロール)による、1日限りのスペシャルなアコースティックライブ!地域の子どもと大人が集まり、ゆったりと音楽に浸る時間となりました。

今回の会場「そだちのシェアステーション・つぼみ」は、2022年4月に開所した清瀬市にある施設です。子どもの放課後の第三の居場所・ショートステイ・子ども食堂の場として利用され、地域の子どもや大人が集まる地域交流スペースを目指しています。

今回、芸術家と子どもたちでは「そだちのシェアステーション・つぼみ」で、音楽を軸に地域の子どもたちが交流できる機会をつくりたいと考え「子どものためのアコースティックライブ」を開催しました。

開場時間を迎えると、準備を終えた静かな会場にだんだん人が集まってきました。

「そだちのシェアステーション・つぼみ」を普段利用している方、児童養護施設の子どもたち、地域の方々など、様々な方が集まり、いよいよスタートです!!

tricolorの皆さんが、賑やかな演奏とともに登場!

さまざまな音色の楽器とその演奏に、集中している子もいれば、自然とにこやかな笑顔になる子も。

さまざまな楽器で数曲の演奏を終え、ここで楽器クイズ!
「弦が多い楽器はどれかな?」「なんていう名前の楽器かな?」と問いかけます。

知らなくても、目の前にある楽器をよく見てみると答えが分かるかも…
子どもたちも前のめりで楽器をよく見ていました。

さらに、ヒントはパンフレットにも!
当日お配りしたパンフレットは、開くと楽器のイラストが散りばめられています。子どもたちもクイズに答えながら「この楽器かな?」「こっちの楽器の名前はなんだろう?」と興味津々。

楽器紹介のあとの演奏では、パンフレットを片手に、より一層それぞれの楽器に集中する様子がみられました。

演奏中盤、スペシャルゲストとして「そだちのシェアステーション・つぼみ」で働いている職員さんが登場!音楽活動を本格的に行っている方で、是非コラボレーションしましょう!と企画が進みました。

観客の子どもたちのなかには、施設を利用している子どもたちもいます。いつも遊んでくれる職員さんとは違う一面を見た子どもたちはびっくり…!!その様子も微笑ましく、会場全体があたたかい雰囲気に包まれました。

そしてライブはフィナーレへ!!

tricolorさんのヒートアップしたノリノリの音楽に、子どもたちも手拍子をしたり身体を揺らしたりと、それぞれの楽しみ方で会場を盛り上げてくれました。

ライブ終了後は、tricolorさんとの交流タイム。

楽器を近くで見たり触ったりしながら、音楽を身近に感じる機会となりました。

そして最後は、お越しいただいたお客さんに、クッキーなどお菓子をプレゼントしました。

プレゼントしたお菓子は、そだちのシェアステーション・つぼみの近隣の施設「ひだまりの里きよせ」にある「カフェサンハウス」さんにお願いしました。ひとつひとつ手作りのお菓子を今回のためにかわいくラッピングしてご用意くださいました!

かわいく美味しいお菓子に心もほっこり。

参加された皆さんは、開花しはじめた桜に見守られ、音楽の余韻に浸りながら帰っていきました。

写真:金子愛帆
チラシ・パンフレットデザイン:ムラハタワークス
※無断転載・複製を禁ず


<参加者の感想>
・近くできくのは初めての楽器があったので、来てよかったです。
・がっきのおとが いいきもちでした。たのしかったです。
・知らない楽器もあったから、紹介もあって、たくさんの楽器を知れてよかったです。
・最後に楽器を触らせてもらえたことはとてもよかった!
・演奏がとてもすばらしかったです。子どもと一緒に楽しめました。
・ウキウキするリズム、キレイな音でとっても楽しかったです。


『子どものためのアコースティックライブ atそだちのシェアステーション・つぼみ ~音楽でつながる、地域の子どもたち~』
主催:特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち
助成:ホテルオークラ東京「The Okura Tokyo Cultural Fund」(企業メセナ協議会 社会創造アーツファンド)
協力:そだちのシェアステーション・つぼみ

こんにちは!ぞうしがや こどもステーションの受付スタッフをしている「まいぼ」です。
最近の雨であっという間に桜が散り始めて、早くも3月が終わりそうですね。

2022年度も、【ぞうしがや こどもステーション】には、たくさんの親子がワークショップに参加してくださいました。赤ちゃんも、走り回る元気な子も、ちょっとシャイな子も、中学生も、お父さん、お母さん、おばあちゃん、おじいちゃんまで、本当にありがとうございました!

どんなプログラムでも、アーティストと一緒に音やからだ、言葉を使ってあそんだり、創作したりする中で、親子のコミュニケーションが生まれていました。そりゃ、笑顔になったり、時には涙したり!?いろんな姿がありました。

私がいつも素敵だなあと思うのは、「はじめまして」の親子同士が、ワークショップの時間を過ごす中で、距離が縮まって自然と笑い合って会話を始めたり、子どもなら一緒に走り出したり遊びだしちゃうこと。
「さあ、仲良くなりましょう!」なんて言ったことはないけど、ここでやっているワークショップは、自然とそんな風に人と人とが関わる場なんだなあと思って見つめています。

そんな温かい場を皆さんとつくれたことに、感謝でいっぱいです!

ということで、
ブログに紹介しきれなかった「ぞうしがやの風景」をたくさんアップします。

まずは、レギュラークラスから!

プログラム終了後の北川さんたち。窓の絵を見つめてゆったり。
「Thank you!!」を好きな動きでリレー中。
大きなガラス窓にいつも違う絵を描いてくれる北川結さん。
子どもたちのポーズで絵を描きました!
全員が見守りながら渡していった「Thank you」ボード!
親子で協力して渡す様子に、がんばって~と心の中で応援。
からだでじゃんけん!
からだの一部をつなげていくんですが・・・
お父さん、きっと筋肉痛になっちゃう!
クラフト紙で自分のからだの一部をかたちに残します。
そっと、丁寧に。
きゃ~クラフト紙がぐるぐる巻かれてる~!
つながって、つながって・・・
相手を粘土のようにこねてから、かたちをつくります。
おもしろい粘土人形ができた!つい笑っちゃいます!
歌に合わせてまねっこ体操。ちょっとへんてこな歌で笑っちゃう。
アーティストの歌声にのって。
あ!見つけた!
紙の音、紙の手ざわり。くしゃくしゃは楽しい!
ワークショップ後、ヴァイオリンに挑戦!
ストロー笛の作り方に興味津々。
からだをいっぱい動かす「えほんの会」!
(写真がブレててすみません・・・)

これなーんだ?
子どもたちより太鼓が大きい!
大人の膝の上にのってスタート!

ぞうしがや こどもステーションから聞こえてくる明るい笑い声が、写真から届いていますように!

次回は、スペシャルプログラムをアップします。
お楽しみに!またね~!



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3/4(土)は「読んで遊んでえほんの会」でした!

今回のえほんの会も楽しいあそびが満載の、あっという間の60分。
からだをいっぱい動かして、風を感じて、音を浴びて、風船や桜が舞う色とりどりのプログラムでした。

紙芝居の絵を使って、からだであそぶコーナー!
子どもたちがネズミになって、いろいろな道を進んでいきます。
大人の膝の上にのり、山あり谷あり、くねくね曲がり・・・

くるりんと回転する道まであって、まるでジェットコースター!
皆さん、子どもたちをいろんな方向にうまく回転させていましたよ。

ページをめくったこの道、実は一本につながるみたいです。
お母さんたちにも協力してもらい、どんどんつながっていきます。
子どもたちのワクワクする表情ったら・・・!

お次は、お天気がテーマの紙芝居。

ビニールが飛び出して、みんなで風を作りました。
膨らませると、大きな雲も出現!
かたちを変えて、いろんなお天気になっていきます。

今度は雪が降ってきた!
みんなの雪(ビニール)を集めて、雪だるまに変身。

子どもたちが目と鼻をつけてくれて、かわいい雪だるまが完成しました。
ありがとうね!

最後は、春の予感を感じるような演出で締めくくりです。

桜の花びらが舞って、風船までふわっと子どもたちの元へいきました。
好きな風船を探す子、
桜を散らす子、
風船も桜も両手いっぱいに持つ子、
その中を楽しそうに歩き回る子・・・

大人も、子どもも、みんな思い思いに春を感じ、温かい日差しも届いていました。

子どもたちはお気に入りの風船を見つけたようです。

帰りたくなくて、駄々をこねる子どもたちの姿も恒例になってきました。(笑)
またあそびに来てね!会場で待ってまーす!


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墨田区立の小学校・特別支援学級、1~6年生の子どもたち20人と取り組んだ、井田亜彩実さん(振付家・ダンサー)とのワークショップをご紹介します。アシスタントは荒俣夏実さん(ダンサー)で、2日間の実施でした。

この学級の先生方は、これまでの子どもたちの経験では振付を覚えるなど与えられた動きをすることが多かったので、今回は子どもたちが自分で考えて、自分のオリジナルのダンスを見つけたり、自分の良さに気づいたりして欲しい、という想いを持ってワークショップを申し込んでくださいました。

そして、事前下見の授業見学では、宿泊学習に向けて取り組んでいたダンスを見せてもらったり、国語で数え歌を歌う姿や、集中してカラフルなスウェーデン刺繍に取り組む姿を見せてもらい、身体を動かしたり楽しいことが好きそうな子どもたちの雰囲気に、ワークショップでもいろんなことに挑戦できそう、と感じて臨んだ2日間でした。

1日目は、アーティストの動きを真似したり、言葉のイメージから動きを引き出したり、いろんな動きを体験する回となりました。

最初はみんなで円になってウォーミングアップからスタート。井田さんのテンポの良い明るい声かけに、みんなあっという間に心も身体もほぐれていくようでした。そして、体育館に元からあるラインの上を、いろいろな歩き方で歩くワークや、体育館をジャンルグルに見立てて、ライオンやワニ、ワシなどの動物になって探検するワーク、「寒い」「暑い」など言葉のイメージから動きを考えるワークにも取り組みました。

後半は、『忍者』をテーマに動きを考えてみました。忍者がどんな動きをするのか、子どもたちにアイデアを出してもらい、それを実際にみんなでやってみると、「隠れる」の時にはㇲっと井田さんの後ろに隠れる子がいたり、「寝る」の時には忍者だから寝転ばずに座ったまま寝る子がいたり、一人ひとりがいろんな表現を見せてくれました。最後には、井田さんが考えてくれた振付を、子どもたちにも馴染みのある曲で元気に踊って1日目を終えました。

2日目には、1日目に子どもたちがいろんなアイデアを持っていることが分かったので、動きをつくることを中心に取り組みました。最初は、1日目と同じようにみんなで円になって、ストレッチや、二人組で身体の一部をタッチして挨拶など、楽しみながら身体をほぐしていきました。

一人がつくったポーズをもう一人がくぐるワークでは、ポーズもくぐり方も人それぞれで、面白い動きがたくさん生まれました。そして、1日目より少し細かな動きを多くして難しくした振付のダンスで全身を動かした後、後半には子どもたちに動きをつくってもらうことに挑戦しました。

2つのグループに分かれて、それぞれ『お正月』と『運動会』をテーマに動きを考えました。『お正月』チームは、「お年玉・お餅つき・だるま」など、『運動会』チームは「選手宣誓・リレー・玉入れ」などのアイデアが出てきました。そこから、一つひとつ身体で表現するとどうなるかを考えながら動いてみて、最後にはお互いのつくった動きを見せ合いました。どちらのチームもたくさんのアイデアが詰まった大作になり、お互いに拍手を送り合って2日間のワークショップを終えました。

ワークショップ後の先生との振返りでは、「自分の中にあるものを表現する今までにない貴重な機会だった」「普段は身体を動かすことに抵抗を感じる子も楽しく取り組んでいた」といった感想を伺いました。先生方もワークショップの間ずっと一緒に身体を動かして参加してくださり、普段の授業でも取り入れていきたいと仰っていたので、これからも子どもたちが身体を使って表現することを楽しみ、この学級でいろんなダンスが生まれていくのだろうなあ、と思える、とても楽しい2日間になりました。


このワークショップは、花王ハートポケット倶楽部/花王株式会社の協賛をいただいて実施しました。

2/12(日)は、親子で楽しむえんげきシアター『よだか』でした!

アーティストは、俳優の谷口直子さん。
宮沢賢治の『よだかの星』を原作にした作品で、たった一人で魅せる舞台でした。

人形の「よだか」が独特の色づかいで、かわいらしさと味わいがあるのは、この作品がチェコ共和国で創作されたからなのかもしれません。その場でパーツが組みあがって、こんな「よだか」になるんです!

「よだか」はもちろん、いろんな登場人物を演じる谷口さん。
次々に虫や鳥や生き物に出会っていきます。
何役も演じている忙しそうなところも、見どころです!

そして、美術のパーツがいろんなかたちに変化していくのも、見どころの一つ!

「よだか」が空に飛んでいくシーンでは、影絵になり・・・

子どもたちも、大人も、集中してじーっと見つめていました。

ラストシーンでは、歌声が聴こえてきます。
それは、温かく、切なく、でも希望でもあり、
よだかの優しさや命のめぐり、
私たちのまわりにある自然、
に私は想いを寄せました。

終演後は、舞台の中へジャンプ!
みんなが舞台美術の裏側へ回り込んで、いっぱい楽しんでいました。
大人も、子どもも、いろんな仕掛けに大興奮!


またいつか、「よだか」に会えますように。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!


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2023年、はじめのワークショップ!
1/14(土)は「まりちょふと楽しむパーカッション」でした。

まりちょふ=関根真理さんと、アシスタントのしなちゃん=品川未来さんと一緒に、たくさんの楽器にふれていきました!

会場には大人用、子ども用で、大きさの違う太鼓がずらり!
ヤギの皮をはったジャンベや、背の高いコンガ、2つ太鼓が並んでいるボンゴなど、いろんな太鼓があります。

オープニングはまりちょふ&しなちゃんが演奏しながら登場!
写真でまりちょふさんが演奏しているのはジャンベ、しなちゃんが演奏しているのはジュンジュンという太鼓です。
「太鼓」といっても、こんなにたくさん種類があるんですね。

子どもたちの好きな食べ物をその場でリズムにして叩くことに挑戦!
ある子が「スパゲッティ」と言うと、
「スパゲッティ スパゲッティ パスタとどうちがうの~」

おもしろいリズムができました!

後半は演奏が入った絵本読み聞かせコーナー。
そのあとに、目の前に現れたのは・・・・

じゃーん!!

うわ~楽しそうな楽器がいっぱい!
みんなの目がキラキラしていました!

一つひとつ楽器を説明していくまりちょふさん。
触りたくてウズウズしている子どもたち。(笑)

まりちょふさんの「この絵本のページに音を入れるとしたら?」という問いかけに、
いろんな音を探して鳴らしていきました。

怪獣が踊る絵では、子どもたちも楽器をもって踊っていて楽しそうでした!

「大人の方が楽しんでしまいました」とアンケートに書いてあるほど、大人もワクワクな時間となりました。
ご来場、ありがとうございました!


ぞうしがや こどもステーション
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芸術家と子どもたちでは、埼玉県立小児医療センターと連携して、入院中や外来の子どもたちを対象に、オリジナルの動画番組を作成しています。2022年度は、Yahoo!基金「インターネットやIT技術の利活用を通じた市民活動の支援プログラム」の助成を受けて、6本の動画番組を制作しました。

動画はYouTubeの限定公開なのですが、活動の様子をブログでご紹介します。

小児医療センターに入院・通院している子どもたちやご家族の方々は、この数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外部から院内への出入りが制限され、院内でのイベントも減り、以前より楽しい体験の機会が失われたと思います。

そこで、アーティストの新井英夫さん(体奏家・ダンスアーティスト)、板坂記代子さん(ダンサー・美術家)、はしむかいゆうきさん(音楽家)たちと、オリジナルの動画番組を作成。子どもたちが、ダンスや音楽等で楽しく表現活動する機会を創出し、子どもたち本人や、その家族を心理面で支援したいと考えました。

番組は『ちゃっちゃ☆チャンネル』と題して、病院内で制約のある生活をしている子どもたちのリクエストを、番組のキャラクター「ちゃっちゃ」が、病院と外の世界をワープして実現するような内容で構成。例えば「公園に行きたい」など、病院の外の世界と子どもたちの生活をつなぐ役割を果たしながら、ダンスや音楽のコーナーを取り入れて、それぞれの場所から気軽に負担なく楽しめる内容を工夫しました。

ダンスや音楽のコーナーには、病院の様々なスタッフが出演。保育士さんやチャイルド・ライフ・スペシャリストさん、救急車の運転手さんや、作業療法士さん、臨床心理士さんなど、たくさんの方々にご協力いただき、それぞれのお仕事の内容を紹介したり、リクエスト曲で踊っていただいたり、子どもたちに関わる方々のいつもと違った一面や魅力を伝えることができました。また、院内のお菓子屋さん「マーブル」や屋上庭園、併設されている「ドナルド・マクドナルド・ハウス」など、ホッと一息つけるような院内のあたたかい場所を紹介することもできました。

チャイルド・ライフ・スペシャリストのお二人(左上)とダンス!
発達診断室での撮影の様子。12月はクリスマス・スペシャル!

子どもたちとのやり取りには「おたよりカード」を配布し、院内各所にポストを設置してもらいました。おたよりカードには、毎回クイズやだじゃれコーナー、「好きな食べ物」「好きな動物」などのQ&Aをつくり、その答えを番組内で紹介しました。こうしたやり取りを通して、「この病院にはこんな楽しいこともある」と特別感と安心感のあるコンテンツを提供できたのではないかと思います。

これからも、一度限りではなく番組を蓄積していくことで、新しく入院してくる子や、外来に移行した子たちに、継続的に関わっていきたいと思います。

毎回の撮影の度に、出演者や撮影場所の調整をしたり、公開時には院内にポスター掲示をして周知してくださったりと、病院と私たちをつないでくださったボランティア・コーディネーターの冨澤さん。そして、院内で出会った皆様が、いつもとてもあたたかく、子どもたちのために日々力を尽くされていることを実感し、快く撮影にご協力いただいたことにも、改めて心よりお礼申し上げます。

都内公立保育園の子どもたちと取り組んだ石坂亥士さん(神楽太鼓演奏家・踊るパーカッショニスト)とのワークショップをご紹介します。今回は4歳児、5歳児クラスの子どもたちと、それぞれ60分ずつの音楽のワークショップを行いました。

保育園のホールに子どもたちが入っていくと、見たことのないたくさんの楽器を発見!! 「どうしたら音が鳴るんだろう? どんな音がするんだろう?」と興味津々の子どもたちですが、ホールのなかには石坂さんらしい人物はどこにも見当たりません。子どもたちがキョロキョロと周囲を見渡して石坂さんを探していると、ホール奥の扉の裏から太鼓の音が聞こえてきます。音の方に振り返ると、なんと亀の甲羅を首からぶら下げた石坂さんが、太鼓を脇に抱えて演奏しながら登場してきました!!

そして、石坂さんはホールに置かれた楽器の一つひとつを演奏しながら子どもたちの間を練り歩いて、楽器の音色や演奏の仕方を子どもたちに紹介していきます。子どもたちは頭の上で奏でられるシンギングボウル(「シンギング」=歌う・音を出す、「ボウル」=器。鉢の形をした金属製の打楽器)の音の響きや空気の振動にビックリしたり、鹿の角で叩かれた亀の甲羅の音色に目を丸くしたり、初めて聞く楽器の音色にワクワク・ドキドキ。

「早く自分たちも楽器を演奏してみたい!!」 子どもたちの楽器への好奇心がいっぱいに膨らんでいったところで、石坂さんが子どもたちの一人ひとりに楽器を渡して、石坂さんと子どもたちの即興演奏がスタート。最初は石坂さんの太鼓のリズムにあわせて目の前にある楽器を演奏していた子どもたちでしたが、石坂さんが床に横倒したジャンベにまたがって、まるでソリに乗るかのようにホールを移動しながら自由に演奏する姿を見ているうちに、子どもたちが一人、また一人と自分が興味を持った楽器のところに走り寄って演奏を始めました。

その後は、もうすっかり子どもたちの自由時間。石坂さんの奏でるリズムにあわせて一緒になって演奏をしたり、楽器を持ち寄って友達同士で演奏を楽しんだり、お気に入りの楽器を奏でながらホールのなかを行進したり、子どもたち一人ひとりが思い思いの楽器に触れながら、自分だけの音を発見して奏でていきました。

気が付けば、子どもたち曰く「あっという間だった!!」60分間のワークショップも終了時間に。実はワークショップの始めから終わりまで、石坂さんはひと言も喋らずにワークショップを進めていきました。そして、始めから終わりまで、常に子どもたちの様子に目を配りながら、時にゆったりとしたリズムで子どもたちを優しく包み込み、また激しいリズムで子どもたちを鼓舞したり、音とリズムでたくさんの会話を子どもたちとしてくれました。

朝早くから楽器の搬入出や準備にご協力くださり、子どもたちと一緒になって楽器を奏でてワークショップに参加してくださった先生方、本当にありがとうございました!! 全身を使って楽器を奏でる子どもたちのエネルギーが、音とリズムになって昇華していったワークショップの時間でした。

10/16(日)は、木版画家でたくさんの絵本をつくっている、たけがみたえさんによるワークショップでした!
絵本作家シリーズは、年に一度のスペシャルワークショップ。今回はどんな様子だったのでしょう。

「丸、三角、四角など適当に切ったダンボールを組み合わせて、好きな生き物や動物をつくってみよう!」と説明するたけがみさん。いろんなパーツを合わせてみて、どんな生き物がうまれるかを考えていきます。

1枚目の写真は、たけがみさんが作った、犬の見本!絵の具の色が何色も重なっていて、素敵なんです!


実はこの説明がスタートする前から、子どもたちは「ハサミある?」「このダンボール使っていい?」と
創作意欲がすごかったのです。
自分の身長より大きなダンボール板を持って、どんどん想像を膨らめている子どもたちに、圧倒されるスタッフたち!

丸と四角を組み合わせたこのダンボールから、どんな生き物が誕生するでしょう。
このブログを最後まで読んでいくとわかりますよ。

さあ、パーツを選んだら組み合わせて、ボンドで張り合わせていきます。

なんと、顔はめパネルのようなアイデアも!
そうかあ!自分が動物になるのね!

混色も楽しみながら、絵の具でどんどん色をつけていきます。
想像の生き物ができてきたり、大好きなメロンパンを持っていたり。


親子で協力しての創作。休憩するのも忘れて、みんなすごい集中力です。
ここで全部を紹介しきれませんが、どれも丁寧に、ときに大胆に、作品をつくっている姿が印象的です。


ダイナミックな大きな大きなクジラ。
うずまきの立体を工夫したカタツムリ。
カラフルな模様のウミガメ。
羽が生えて飛べるウサギ。



あるお父さんが、「みんなでつくると楽しいね!」と言っていました。
家でもない、学校でもない場所で、偶然に集まった子どもたちが、他の家族の創作を見てまわり、刺激し合いながら造形していく時間は、こどもステーションならではだと思います。

最後は、一人ずつ発表タイム!
何作品もつくった人もいて、ずらりと並んだ様子は圧巻でした。

前半に紹介した、丸と四角を組み合わせたダンボールは、こんな生き物になりました!
フクロウです!まるで絵本から飛び出したみたい。

ちなみに、たけがみさんが作っている様子はこちら。

みんなで記念撮影タイムも!
みんな達成感に満ちあふれていました。
持って帰るのが大変なくらいの大きな作品も!

参加してくださった親子の皆さん、どうもありがとうございました!


ぞうしがや こどもステーション
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今回は、都内公立小学校の特別支援学級、1~6年生の子どもたち35人と取り組んだ、関根真理さん(パーカッショニスト)とのワークショップをご紹介します。

1限目からのワークショップ。教室に次々と運び込まれる見たことのない楽器の数々に、登校した子どもたちは(先生方も)興味津々!早く触りたくてたまらない様子で、朝の支度をしていました。

教室に子どもたちが集まると、廊下から楽しいリズムが聴こえてきて…太鼓を演奏しながら、まりちょふ(関根真理さん)と、うっしー(西川郷子さん)、うりちゃん(URIさん)の登場です!目の前で繰り広げられるパフォーマンスに、思わず身体が動いてしまう子や声をかけてくれる子、びっくりして固まってしまう子など、色々な反応をしてくれました。

自己紹介と楽器紹介をした後、子どもたちも全員、太鼓の演奏に挑戦!思いっきり叩いてみたり、波のように順番に叩いてみたり、関根さんの手の動きに合わせて強弱を変えてみたり…。

太鼓の演奏に慣れてきたら、今度はリズムに合わせて叩くことにチャレンジ。子どもたちから出てきた「好きなもの」の言葉を使って、関根さんがリズムを作ります。

「京浜東北線・かっこいいな♪」「ラーメン・ラーメン・食べたいな♪」「麻婆豆腐・麻婆豆腐・辛くて美味しいよ♪」などなど…子どもたちも積極的に手をあげて、リズムづくりを楽しんでくれました。リズムに合わせて叩くと、身体も勝手に踊り出し、教室の中はお祭りのような賑わいでした。

最後は体育館に移動して、学習発表会に向けた音楽づくりです。絵本「はらぺこあおむし」の音楽劇を発表する予定の子どもたちは、「星空チーム」と「蝶チーム」に分かれて、それぞれ「星空」や「蝶」をイメージする楽器を探します。

真っ先にお気に入りの楽器を見つけて鳴らしている子、一つ一つの音を確かめながらゆっくりと吟味する子、アーティストや先生に相談しながら考える子など、それぞれのペースで「イメージに合う音」を探していました。

「なんでこの楽器を選んだの?」と尋ねると、「始まりの音だと思ったから!」「夜の風景の音に感じた」など、それぞれがしっかり考え、感じながら楽器を選んでいる様子が伺えました。なかには、大きな鈴を両手に持って、蝶のように羽ばたきながら演奏したり、夜の眠たい様子を身体で表現しながら演奏するなど、情景を演出するための様々な工夫も…!最後は、それぞれのチームが演奏を発表し、学習発表会に向けての気持ちを高めたワークショップでした。

あっという間の3時間。様々な楽器にふれ、力強い音となって響く子どもたちのエネルギーを、全身で感じられたワークショップとなりました。朝早くから、楽器の搬入・搬出・準備にご協力くださった先生方、本当にありがとうございました!この場を借りて改めてお礼を申し上げます。