『どんどこ!巨大紙相撲~にしすがも場所~』もいよいよ最終回、「にしすがも場所」の開催日です。
今日は「にしすがも場所」の会場となる体育館に集合。
土俵とその上に吊られた神明造りの屋根に子ども力士たちも、家族のみなさんもびっくり。土俵の周りには、砂かぶり、升席もあり、まるで国技館です。土俵の前には巨大な優勝カップも燦然と輝いています。また、これまでの稽古の様子を部屋毎に編集したビデオ映像も上映。子ども力士たちも、予想を超える本格的な会場にかなり興奮気味。
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11時から「土俵入り」の稽古をスタート。土谷理事長の「呼び出し」に応えて、花道から巨大紙力士を連れた子ども力士が登場し、円陣を組むように土俵を囲んで四股を踏みます。子ども力士たちも少しずつ「にしすがも場所」の実感が沸いてきたようです。
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今日は、通常の親方陣に加えて、朝から30名近くのスタッフが集まっています。子ども力士と親方たちが、土俵入りの練習をしている間も、ちゃんこ鍋の下準備、会場の仕上げなどの最後の準備に余念がありません。
12時より飛び入り力士づくりがスタート。子ども力士、親方、飛び入り力士の参加者で、体育館はすでに熱気ムンムンです。子ども力士たちも、力士番とちゃんこ番に分かれ、最後の準備に入ります。
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開場を待ちかねたように、おじいちゃんとお孫さん、しこ名をくれた商店街の方々、家族連れから豊島区長(!)まで!、お客さんが続々とやってきました。
取り組み開始前には、ちゃんこ番の子ども力士がデコレーションした、3種のちゃんこ鍋のお披露目。お客さんたちの期待も高まります。
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13時を過ぎたところで、文京高校定時制の和太鼓部の太鼓により「にしすがも場所」の幕があがりました!
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次は、各部屋の力士のお披露目「土俵入り」です。たくさんのお客さんに大きな拍手で迎えられ、子ども力士たちもちょっと緊張。「ほら、さっき練習したやつ!」という土谷理事長の声で、何とか無事終了。
いよいよ、1回戦の取り組みがスタートです。各相撲部屋の12力士と飛び入りの12力士、計24力士がトーナメント方式で対戦していきます。行司は土谷理事長です。
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谷町になってくれた(しこ名をつけてくれた)地域の人にも、叩き手になってもらい、熱戦がくりひろげられました。
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しかし、今まで様々な稽古を重ねてきた各相撲部屋の力士たちは、度重なる稽古で故障がでてきている力士もあり、2力士を除き、飛び入り力士に次々に敗れてしまうという波乱の幕開けとなってしまいした。
1回戦が終わったところで、豊島区で活動する大江戸相撲甚句会による「相撲甚句」が披露されました。「相撲甚句」も、相撲にまつわる文化のひとつ。もともとは行司さんの余興から生まれたものだそうです。恐らく生まれて初めて聞いた人も多かったのではないでしょうか。
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ちゃんこ鍋も出来上がり、鍋の前にはお客さんの長蛇の列が!あったかいちゃんこ鍋にお客さんも幸せそう。
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そして、2回戦の取り組み。一度は意気消沈してしまった子ども力士たちも親方とともに気を取り直し、部屋の壁を越えて、1回戦を勝ち抜いた力士「魚新部屋」の「菊の藤」と「滝野川部屋」の「花の里」の強化に全力投球します。しかし「花の里」も残念ながら敗退してしまい、「菊の藤」ただ一体が決勝トーナメントに進みました。
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そして、決勝トーナメント!「庚申塚部屋」の「菊の藤」、飛び入り力士の「ドラゴンボール部屋」の「孫璃人(そんりひと)関」、同じく飛び入り力士「森空部屋」の「柳之山」の戦いです。先に2勝した力士が優勝です。
子ども力士たちは、親方がこの日のために用意した「<絶対勝つ>魔法の薬」を飲んで「孫璃人関」と対戦。なかなか勝負がつかず、一度は仕切りなおしとなったものの、残念ながら破れてしまい、次の「柳之山」との取り組みでも連勝した「孫璃人関」の優勝が決まりました。
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「孫璃人関」は、家族で参加。優勝力士インタビューでは「負けずぎらいの息子のために頑張りました!」という家族思いのお父さんのコメントが印象的でした。
優勝カップ贈呈の後は、ホワイトリムジン(!)にて体育館から校門まで、優勝パレード。優勝カップもリムジンもスタッフがこの一瞬のために、数日間かけて製作したもの。ご家族から「ぜひ家に持ち帰りたい」と申し出があったので、大事に残されることになりました。
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子ども力士をはじめとする大勢の子どもたち、家族連れ、地域の人々、スタッフ、そしてアーティスト。つくる人、叩く人、応援する人。
わずか2時間の「千秋楽」でしたが、300人以上の人々が入り交じって、笑いと歓声が絶えない、にぎやかな催しとなりました。
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お客さんが帰った後、子ども力士たちは最後の稽古です。今まで、一緒に稽古を重ねてきた巨大紙力士ともお別れし、分解して、燃えるゴミ、燃えないゴミに分けていきます。名残惜しむとおもいきや、今ではもうすっかり使いこなせるようになったダンボールカッターでサクサクと進めていきます。でもやっぱり「持って帰る」という子も。
巨大紙力士をつくるところからスタートした、この「どんどこ!巨大紙相撲~にしすがも場所」を通して、子ども力士たちは本当にたくさんの経験をしてきました。はじめての道具を使うこと、自分の身体より大きなものをつくること、新しい視点でまちを探検すること、まちの人と出会い、交流すること、料理すること。そして、それらを新しく出会い、年齢も様々な仲間たちと助け合って進めること。
優勝カップは逃したけれど、たくさんの素敵なものを、子ども力士たちは勝ち取ったのではないでしょうか。
5日間、ごっつあんでした!
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