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児童福祉の現場ASIAS for Children's Home

アーティストが児童福祉の現場に

ダンスや演劇、音楽などの分野で活動するプロの現代アーティストが、児童養護施設などの児童福祉の現場に出向き、職員の方々と協力しながらワークショップを実施します。

劇場やホールに子どもたちが足を運ぶのではなく、子どもたちの日常の場に、アーティストがさまざまな企画を持って訪れます。
またワークショップは、コンサートや演劇鑑賞のような受動的な活動ではなく、子どもたち自身が主体的に取り組み、体験する活動です。

芸術家と子どもたちでは、この活動をASIAS(エイジアス: Artist’s Studio In A School)と呼んでいます。

ASIASは、「教える/教えられる」という一方向の関係性ではなく、アーティストと子どもたち、あるいは子どもたち同士が、双方向の関係性を築くワークショップです。
作品をつくる(結果を出す)ことよりも、むしろそのプロセスや、そこで行われるコミュニケーションを大切にしています。

子どもたちは、ワークショップを通して新しい自分を発見したり、友だちの自分とは違う表現を認めたりします。
さらに、ワークショップを行うアーティスト自身も新鮮な刺激を受け、お互いに新しい可能性が広がっいに新しい可能性が広がっていきます。
アーティストと職員、そして子どもたちとのコラボレーションによる、それぞれの現場ならではのワークショップを展開したいと考えています。

 

これまでのワークショップの様子


【児童養護施設での取り組みについて】

“アート”という、子どもたちを支える新たなアプローチ

児童養護施設で暮らす子どもたちは、施設だけでは抱えきれないほど様々な課題を抱えています。特に大人との関わりが希薄なため自分一人では心の安定が図れず、自己表現が苦手なためにSOSを出せない子どもたちが増加しています。
芸術家と子どもたちでは、アートを通じて課題にアプローチするべく、経験と実績が豊富なアーティストを派遣し、施設と連携しながらワークショップを実施しています。

特別なケアが必要な子どもたちが増えている

近年、保護者がいない、もしくは保護者の適切な養育を受けられない子どもが増加傾向にあり、社会的養護が必要な児童は約45,000人、そのうち26,449人(福祉行政報告例より平成29年3月末現在)が児童養護施設に入所しています。様々な課題を抱えた児童の割合も増加しており、社会的養護の対象となる子どもにこそ、社会の変化にも対応したより細やかな支援の充実が求められています。

自立支援の充実が必要

児童虐待の増加などに伴い、虐待を受けた子どもなどへの対応や、退所後の自立を見通した支援など、きめ細やかな、個人に寄り添った自立支援が求められています。

 

“きみはきみのままでいいんだよ”

ASIASの場では、一人ひとりの自由な表現が許され、認められ、肯定的な評価が得られます。定期的に用意される自分の居場所で、子どもたちは、小さな失敗と成功を積み重ねながら、今を生きる自分を表現していきます。

“一緒につくろう、一緒にいきよう”

ASIASでは、多くの場合、他者と協力しながら小集団で音楽やダンス、造形などの創作を行います。ひとと関わり、ひとに自分をさらけ出す経験、ひとの表現を面白がる経験、ひとと悔しさや哀しみ、喜びを分かち合う経験、みんなでひとつのことを成し遂げる経験…。こうした一つひとつの経験を経て、子どもたちは、自己肯定感を高め、コミュニケーション能力を高め、他者との信頼関係を構築していきます。