★『お祭りやろう!』ワークショップ四日目★
今日はまず、昨日設置した神さまへの仕掛けの様子をみんなで見て回りました。
それから、じぶんの分身をつくりました。紙を八つに折り、はさみで切って八つの分身を作りました。一つ目の分身はホールの中の怪しいところをそれぞれ探して置きました。次に、残りの分身を持ってホールの近くの植木のある草の茂った空き地に行きました。道中では息をひそめたり静かに向かうために分身を口にくわえて歩きました。
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空き地に着くと、みんなで神さまの潜んでいそうな場所を探しました。探索してみると、地面にはありの巣や木には蝉がいる等たくさんの生き物がいたようです。それからじぶんの作った分身を怪しい場所に一つずつ置いていきました。分身を置く場所にあったものを代わりに拾いました。見せてもらうと、四葉のクローバーや石ころや挟まっていた木の枝などがありました。子どもたちは遊具がない中でも、蝉を捕まえたりいろんなことをして楽しそうに探索をしていました。
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視界の左側と右側を同時に見つつ、普段気づかないところまで感じながらゆっくりと歩いたりもしました。じぶんの分身と交換して拾ったものを持ってホールに戻りました。
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昼休憩。
舞台の天井に分身が一つ吊り下げられていました。
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子どもたちがそれに気づいた時、その高い位置に吊られている分身は揺れていました。どうしてその分身が揺れているのだろうという疑問に対して、子どもたちからは「クーラーの風」という意見が出ました。そこでクーラーの風を切ってもらい、みんなでその分身を揺らすための作戦をたてました。
一つ目は、”熱あげシート隊”
みんなで列になり、ホールの舞台側から腕をくるくるまわしながら「熱あげ、熱あげ」と唱えながら一斉に後ろに下がっていきます。一番後ろの壁までたどり着くと、せーので、「シート!」と叫んで手のひらを分身に向けてパワーを送りながら分身の方までみんなで走り出します。すると、しばらく時間があいた後、分身は大きく揺れ始めました。本当に揺れている!とみんな感動しながら喜んでいました。
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二つ目は、”驚かせる”
じぶんのからだを隠して、ホールにはまるで誰もいないようにシーンとした空間を作ります。身を潜めながら心の中で100数えるとゆっくり舞台のそばまで集まります。それからみんなで息を合わせて、手を叩いて分身を驚かせるという作戦です。一回ずつ叩いても分身はなかなか揺れなかったのですが、たくさん叩き始めると、その瞬間からまた大きく分身は揺れ始めました。手を叩く行為と分身の動きは確かに連動しているようでした。
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三つ目は、”踊る”
吊るされている分身の下の舞台で、みんなで踊るという作戦でした。みんな得意なダンスの動きをしながら踊っていると、また分身も踊っているかのように小刻みに揺れだしました。それからみんなで同じ言葉を唱えながら揃えてジャンプを繰り返しました。その大きな空気の動きに動かされているかのように、天井に吊るされた分身もまた合わせて揺れていました。
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分身が揺れたりあまり揺れなかったりしていましたが、最終的にはどの作戦も最後には分身を揺らすことができ成功したようでした。作戦の実行中も子ども達からはアイデアが絶えず出てきて、新しいやり方が加わっていきました。じぶんの考えたものをみんなでやってみたりすることが楽しいようでした。実際に分身が動いたりしたときはとても満足そうにしていました。
最後はグループに分かれて、神さまを呼び寄せるおまじないを考えました。ホールのどこにかみさまを呼ぶか、その時の呪文や動きを話し合いました。
明日に続きます。
記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ三日目★
今日はまず、からだをほぐすストレッチをした後、二つのグループに分かれました。一つのグループはバラバラに床に寝そべって、もう一つのグループは寝そべっている子たちの中から、ターゲットを一人相談して決めます。そしてみんなでその子に向かって「おーい」と叫びながら近づいていきます。寝そべっている子たちは、目をつぶったりなるべく見ないようにしながら、じぶんが呼ばれたなーと思ったら立ち上がるというルールです。なかなかじぶんが呼ばれたのが分からないことの方が多くありました。「おーい」と呼びかけるチームは二つや三つに分かれて、始まる地点を二方向や三方向からにしたりして複雑にしながら楽しみました。
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次に二人組を作ると、一人はタオルで目隠しをし、もう一人は決めた合図や声、例えば「トコトコ」や「ひゅひゅー」などの言葉をかけ、声で相手を誘導します。近づいたり遠ざかったりしながらぶつからないようにいろんな方向に歩き回りました。いろんな声の中から、じぶんのパートナーの言葉を探すという難しい環境でしたが、しっかりとパートナーの方へ向かっていことができました。
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二回目のワークショップに考えたおまじないの効果を話しつつ、じぶんの体験した怖い話をしました。怖いものについて考えた子たちの中からは、トイレや廊下、人形、死神などがあがり、怖い話の中からは、朝起きたら窓ガラスに子どもの手跡がたくさんついていた、などが出ました。
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昼休憩
昼休憩後はしっぽ取りゲームに工夫を加えて、観客が周りをぐるっと囲みながら、対戦する二人を応援したり、輪から飛び出そうになったら押し戻してあげる役割をします。なるべく小さい輪っかになりながら隙間をつくらずに見守っていました。やりたい子が多く、ついには審判の役もつくられ観客もゲームに積極的に参加していました。逃げるもの同士や、逆にお互いが取っ組み合いながら接近し合うもの同士、様々な対戦がありました。
いろんな神さま、精霊、悪霊、魔人、巨人、小人、人魚、一反木綿やまっくろくろすけなど良いもの悪もの含め、たくさんの目に見えないものの話をした後、ホールの中で探してみました。
ホールの明かりを消し、照明が暗くなっていくと、興奮が高まってきて、「本当にに神さまいるかも!?」「怖い!!」という声があがりました。一旦静かになって、もう一度改めてそーっとじぶんの怪しいと思った場所を探し出しました。ドアの下の隙間の明るいところや、すきま風の出ているところ、暗くなっていたり穴があいていたりするところが怪しいと思う場所になりやすいみたいでした。舞台のとびらをあけて外の光と風を入れました。すると中の天井に黒いものが通ったり、怪しいと思っていた場所が変わったりと微かな変化が起こりました。
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それからみんなの発見した怪しい場所、怪しいことが起こった場所の地図をつくりました。率先してここでこんなことが起こった!と説明してくれる子もいて地図はたくさんの怪しいもので埋まり、じぶんが見ていなかったなと思う場所にも怪しいポイントがたくさんあったようです。特に怪しいと思われやすいところは”すきま”でした。机のすきま、ドアのすきま、何かと何かの間が怪しくなりやすいようでした。
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地図が完成するとその場所に神さまが本当にいるのか確かめてみよう!ということで、仕掛けを作りました。何かおびき寄せるものや、居た形跡が残るものを最後にホール内の怪しい場所にセッティングして、次の日それがどう変化しているか様子を見てみることにしてみました。食べ物の残りを置いて、その食べ物が食べられていたり動かされていたら、もしかしたら神さまの仕業かもしれません。あるグループは、舞台の階段にシャケを置いてみたり、別のグループではイスの下を紙で囲み、中にもしかみさまが居るとしたら逃げられないようにしました。また別のグループは、棚の隙間にラップを置いたり、髪の毛を吊るしたりしてそれぞれの神さまへの仕掛けをきちんとセッティングし明日に備えました。
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記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ二日目★
今日は始めにじぶんの分身をつくりました。
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じぶんの形を触ったり、友達と触りあっこしたりしながら、紙でじぶんの形をつくって竹ひごに吊るしてみました。それからその分身とお散歩をしたり、友達の分身とあいさつをしたりしながら、部屋の中を分身と一緒にぐるぐるまわってみました。最初は「分身どうしよう」と言っている子も、だんだんとじぶんの分身に顔を描いたり、愛犬をつくったり、可愛がってあげていました。
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それからその分身を連れて外に出てみました。風でひらひらする分身を心配しながらも、分身を塀の隙間の中に入れたりして、向こう側はこんな世界だったとお互いに分身の気持ちになって話し合ったりしていました。
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公園に着くと、暑い中でも子どもたちは早速じぶんの分身を連れて遊びだします。滑り台やブランコに連れ出して分身にも同じ格好をさせてみたりして、大事に面倒をみていました。シーソーで遊んでいる子の中には、分身のついている竹ひごをシーソーにさして、分身同士がシーソーの上で釣り合ってる大発見をしていました。周りにいる子たちも次々とじぶんの分身をシーソーにのせていくと、かすかにシーソーが動いたかも!と、最終的には人間の魂と分身の魂の重さ比べで、念力を送ったりしながら勝負したりしました。
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水分補給をしながらも、元気のある子どもたちは鉄棒でいろんな遊びを披露したり発見したり、元気な様子でした。
次に、分身を誰にも見つからないようにじぶんだけが知っている場所に隠す、分身のかくれんぼをしてみました。隠れている姿が見えない物陰の中に入ったりして、じぶんも見えないようにする子もいれば、歩き回らないでいつのまにか隠して余裕な顔で待っていたり、様々なじぶんだけの秘密ごとをつくっていたようです。それから、その隠した分身をみんなでまた見つけたことを誰にも言わないように探しました。見つけられなかった子から五つ六つ見つけた!という子まで、みんな積極的に発言していました。何かの下敷きになっていたり、よく見たら確かにそこにいるはずなのに気づかなかったりして、ネタばらしを最後にみんなでしながら、こんな隠し場所があったのか!とたくさんの発見をしました。
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それからホールに戻ってお昼休憩をとりました。
休憩後はみんなで片付けをしながら萩原さん(アシスタントさん)の手と足にテープを巻いて封印して、新聞紙で全身をみんなで隠しました。靴の中にも新聞紙を入れたりいたずらを楽しみました。封印された萩原さんを起こしてみよう!と話し合って萩原さんの周りを囲みながらみんなで思いっきりうるさくして、ある合図で一瞬で静かにしてみようという案に決まりました。一回目は静かになりきれなかったけれど二回目にぱっと静かになって、萩原さんの封印がとれて起きると、子どもたちからどっと歓声が起こりました。
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みんなが机に集り、今度は”おまじない”を考えました。まず身近な知っているおまじないを話し合うと、恋のおまじないから友達と仲良くなるおまじないまで、小学校で流行っているおまじないがたくさん出てきました。いろんなおまじないを知ったところで、神さまを呼び出す”おまじない”を一人ひとり内緒にしながら考えてみました。神さまの”み”と”さ”の字から”3”と言う数字が導きだされて3日の3:33に「かみさま!」と叫ぶ、神さまと一万回書く、などの意見が出る中、一つ決めてやってみよう!ということで33分になった瞬間にみんなで「ゴッドハッピーパタパタ!!」と大きな声で言うことに決定しました。33分に近づくにつれて緊張したりわくわくしながらも、「神さま本当にいるのかな?」という顔をしている子もいました。
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33分、ゴットハッピーパタパタ!!!!!!
一斉に叫ぶと一瞬空気が変わったようにしん、としました。きょろきょろとあたりを見回しているとなぜか、一点をそろって見ていることに気づき、もしかしてそこに神さまが?誰かが「光っているよ!」というと誰かが「ほんとだ!」と言って、「あそこだけ何かが違う」と言うと、みんなでその空間に目を凝らしました。あれは、神さまだったのかもしれません。
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最後にみんなでからだをほぐすストレッチをしました。二人組になってからだの力を抜いて、もう一人の子が揺らしたり、こんどは棒に変身してもう一人の子が持ち上げてあげたり、みんなでその棒になっちゃった人を立たせてあげたりしました。子どもたちは、「じぶんより重いおとなを立たせてあげるから寝て!」とチャレンジ精神満載だったと思います。まだまだ遊びたい!と言う子が多く、終わる時間が来た後も残って遊んでいる子が多くいました。
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記事:平野さりあ

★『お祭りやろう!』ワークショップ一日目★
演出家のトチアキタイヨウと小学生の子どもたちによる8日間のワークショップが東大和市民会館ハミングホールで始まりました。
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まずは、”居眠りおじさん”というネイチャーゲームの一つの遊びをしました。
みんなで輪をつくって真ん中には”居眠りおじさん”役の人が目隠しをしてたからものを守っています。気配を消してゆーっくり近づいて気づかれないようにたからものをとってくるというルールです。
当てられた子は見られた!という顔をしながらも、またやりたい!と積極的に参加していました。
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”居眠りおじさん”のまわりにだんだん新聞紙、紙袋で結界がはられていくと難易度が高くなっていき、子どもたちは、どうやってたからものまでたどり着こうか?後ろから?前から?
周りで見ている子たちも集中してその場を見守っていました。
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次に気配を消しながら歩きました。そーっと音をたてないように、みんなで歩いたら扉のあく音、ペットボトルのキャップをあける音、どんな音がしたかこっそり教えあいながら、こどもたちはまわりの音に敏感になっていきます。誰かの後ろをつけてみよう。ばれないようにこっそりつけていると、いつのまにかじぶんの後ろにもこっそりついてくる誰かがいたりします。
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(休憩)
トチアキタイヨウさんと子どもたちで神さまについてはなしました。
神さまってなんだろう?
いいもの?わるいもの?
神さまってどこにいるんだろう?
空、海、地下、妄想、じぶんの中、どこにでも!やっぱりいない!
こどもたちからたくさんの答えがかえってきました。
神さまをさがそう!
神さまのすがたはみえない。見えない神さまをさがすには……
作戦1 変身する  自分以外の誰かになってみよう。自分のすがたを隠してみよう。
作戦2 分身する  自分の分身を作ってみよう。
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変身した時のために先にいたずらを考えました。
ふだんはおこられちゃうこと、悪くてたのしいこと
家の鉛筆の芯をぜんぶ折る
目覚まし時計の時間を遅くする
お風呂のお湯をスライムにする
先生のボールペンをとってテストを100点にする
服のボタンを一個ずらす などなど
世界のことからお風呂場や好きな食べ物までさまざまないたずらっ子がでてきました。
変身してみよう。紙袋をつかってじぶんを隠してみよう。
覗き穴から見る世界はいつもと違っているみたい。
手を出してみたり紙袋をひっくりかえしたり、髪の毛もだしてみたり
もういちど歩いてみると、あれ、へんな人がたくさんいる!
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今日はここまで。
記事:平野さりあ

読んだ絵本:『おおきなかぶ』『ノンタンおよぐのだいすき』『がたごと がたごと』『これはちいさな本』『みずちゃぽん』など
台風一過でようやく夏らしくなった7月の一日、今年度初めての「読んで遊んでえほんの会」を開催しました。
今回は、えぽんずメンバーから、たけうちみずゑさんと、ダンサーの飯田寛子さんをゲストにお迎えし開催しました。
また、この日は、夏休み期間中に豊島区内各所で行われる「としまアート夏まつり2015」の一プログラムだったこともあり、平日にも関わらず、初めてえほんの会に参加して下さった方もいて、とても賑やかな一日となりました。
えほんの会の始まりは、まず少し身体を動かしてみることからスタート。思いっきり手を伸ばしたり、う~んと小さく丸まってみたり、いろんな擬音語に合わせて身体を動かしてみました。
その流れで、一冊目の絵本は『もこもこもこ』。不思議な言葉と絵が綴られた絵本です。三角の模様が飛び散っているような絵を見て「家が飛んでみるみたい」と言ってくれた女の子。えぽんずさんと一緒にみんなで身体を動かしながら音や絵を表現してみました。

さて、そして、次の絵本を取ろうとしたら、なかなか絵本が抜けない!?ということで『おおきなかぶ』の大きな絵本が二冊目でした。子どもたちにも手伝ってもらいながら絵本を取り出し、読むときにもお客さんの中から助っ人をお願いして「うんとこしょ どっこいしょ」のかけ声でみんなでかぶを抜きました。

午前の部の最後は、みんなで音も楽しめる『ドオン』。タイコにバケツ、タンバリン、音の出る物ならなんでも楽器になります。鬼チームと人間チームに分かれてたくさん音を鳴らして、最後はみんなで一緒に「ドオン!」。元気いっぱいの音とともに午前の部が終わりました。
午後の部も、最初はみんなで身体ほぐし。小さくなった後は、えぽんずさんがジョウロでみんなに水やり。芽が出るように、身体をムクムク動かして、だんだん大きく伸ばしていきました。そのまま午後の部の一冊目は『ひまわり』。芽が出てひまわりの花が咲くまでのお話を、みんなで身体を使って表現してみました。

そしてそして、頭に手拭いを巻き始めたえぽんずさん。取り出したる絵本は『知らざあ言って聞かせやしょう』!これは、歌舞伎の演目が絵本になったもので「知らざあ~」のセリフが迫力満点に響くと子どもたちも釘付けです。見栄を切るようにみんなでセリフに合わせてジャンプをしたり、お客さんにも絵本を読んでもらったり、言葉の響きの面白さを味わいました。
後半は、子どもたちからのリクエストもあり再び『おおきなかぶ』を読みました。午前中と同じように、子どもたちにもたくさん手伝ってもらって「うんとこしょ どっこいしょ」!大きな大きなカブをみんなの力で引き抜きました。

最後は『みずちゃぽん』という雨の絵本。大きな布を水のイメージに重ねて、子どもたちの頭上でフワフワさせながらしばらく水と戯れるように遊んで、賑やかなえほんの会の一日が終わりました。
さて、次回のえほんの会は少し先になりますが、年明け2016年の1月頃を予定しています。
詳細は決まり次第HPなどでご案内いたしますので、
今年度も「読んで遊んでえほんの会」をよろしくお願いいたします!
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☆7月のえぽんずさん:たけうちみずゑさん(俳優)
ゲスト:飯田博子さん(ダンサー)

5歳児クラス12人の子どもたちと、東山佳永さん(踊り手・美術家)のワークショップをご紹介します。みんなで一つのイメージを共有して、豊かな表現に出会う機会にしたい、という先生からのリクエスト。この園では、5歳児クラスだけがお昼寝をしない「ひみつの時間」という設定があり、その時間の中でアーティストと出会い、普段できないような体験をしてみたい、とのこと。普段の生活の様子でサーカス小屋をつくった子の話や、みんなおばけが好きということも伺ったので、『おばけサーカス』(作・絵:佐野洋子)という絵本をモチーフにワークショップの内容を組み立てました。アシスタントに音響デザイナーの白石和也さんもお迎えして、世界にたった一つのサーカス団をつくりました。

1日目は、アーティストによる『おばけサーカス』の朗読からスタート。物語に登場するおばけのサーカス団が披露する芸は「虹の橋を渡る」「森の中でヴァイオリンを弾く」など、想像を掻き立てる描写がたくさん詰まった絵本です。
朗読の後「うたと、おどりと、おえかきと、いろんなものを使って物語の中に入っていきます」と子どもたちに伝え、アーティストによるサーカスの芸を披露しました。アーティスト自身が描いた絵を背景に、踊りと音楽で芸を表現してみると、子どもたちは静かに見入っていました。
そしていよいよ、みんなでおばけのサーカスになる時間です。まず初めに「ひ・ひ・ひみつのサーカス団♪」というオリジナルの歌を練習してから、おばけになるためのストレッチ。身体のいろんな部分を伸ばしてほぐしてやわらかくして、身体の準備も整え、歌に合わせた振付も練習しました。
その後は、サーカス団の秘密の作戦会議。一人ひとりがどんな芸を披露したいか、得意なことや、どんな風景が思い浮かぶかということをヒントにアーティストと一緒に考えました。顔を後ろにするのが得意だから「さかさまの国」、「全部がへんてこな国」、「片足が得意」など子どもたちのアイデアを一つずつ拾いながら12人それぞれの芸を相談しました。

何を披露するか決まった後は、一人一枚ずつの布に芸のイメージを描いていきました。クレヨンや絵具、布を貼るなど、どんな風に描いても良く、いろんなものを使って好きなように描いていきました。最初は、自分より大きな真っ白の布を前にして、何から始めて良いか戸惑っている様子でした。でも、一人、また一人と描き始めると、あっという間にみんなどんどん手が動き出します。そのうち、手や足で描く面白さに気付く子も現れ、周りの子がどんな風に描いているかも参考にしながら、夜空の情景や、コウモリのいる洞窟、リンゴの木のある山の風景など、12枚の素敵な風景が完成しました。

最後に「上から見るときれいだよ!」と言ってくれた子がいて、みんなの描いた絵を眺めつつ、アーティストがその絵の中でみんなが考えた芸をヒントに少し踊ってみました。次回はみんなに芸を見せてもらうよ、と予告をして1日目の活動を終えました。
一週間後に迎えた2日目、この日はいよいよサーカスの始まりです。まずは準備運動で体をほぐし、前回覚えた「ひみつのサーカス団」の歌と踊りを思い出したら、早速サーカスの芸の練習です。描いた絵を被っておばけになって踊った後に、一人ひとりの芸を披露しました。芸のイメージを元にアーティストがつくった12人それぞれのテーマ曲に合わせて、山々をジャンプして飛び越えていく芸、ひっくり返ってさかさまの国を表現する芸、一番怖いおばけになって見ている友だちを驚かせる芸、星空を綱渡りする芸、ウサギやライオンに変身する芸など、色とりどりの芸が出そろいました。

さて、サーカス芸の練習が終わったら、次はサーカス小屋が必要です。子どもも大人もみんなで協力して、描いた絵を一つにつなげてサーカス小屋を組み立てました。平らな布が立体的に立ち上がっていく様子も楽しんで見守り、出来上がった時には中に入りたい気持ちが抑えきれない様子の子どもたち。「ひみつのサーカス団」を歌いながら入ったら、しばらくは好きにテントを眺めたり、いつの間にか走り回ったり、テントそのものとふれ合う時間を過ごしました。

そのうち、本を読みたいという子が出てきて、ここでもう一度『おばけサーカス』を朗読しました。でも、今度はお話の中に、12人それぞれの芸の話も織り交ぜてオリジナルの物語になっていました。
そしていよいよ、サーカスのはじまりはじまり。部屋の電気を消して懐中電灯の光だけにし、テントの中という特別な空間で、最初の練習よりも思い切って披露できたように思います。サーカスの最後は、12人みんなでリーダーの真似をするダンス。友だちが考えた動きをみんなで一緒に踊って、サーカスはおしまい。

アーティストから「うたでも、おどりでも、絵でも、何でもいいんだ。何か自分の得意なことを見つけて磨いてみてください。きっときれいになると思います」という挨拶と、みんなの音楽をCDでプレゼントして2日間のワークショップを終えました。
先生との振り返りでは、イメージがあることで動きも広がり、思ったより自己表現ができていた、絵からもイメージをつなげて表現していた、という感想や、「ひみつの時間」に自分たちでつくった特別な「ひみつのサーカス」のことを、人に話したい気持ちと秘密にしたいという気持ちの間で葛藤するのでは、というお話を伺いました。『おばけサーカス』の世界観を共有しながら、その中で一人ずついろんな表現を見せてくれた子どもたち。これから何でもできる可能性を秘めた子どもたちの中に、みんなでつくった「ひみつ」がいつまでも潜んでいられると良いなと思います。
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東山 佳永(とうやま かえ)/踊り手・美術家
https://www.children-art.net/touyamakae/

芸術家と子どもたちでは、小学校や保育園だけではなく、児童養護施設でのワークショップも実施しています。今回は、平成26年度に公益財団法人JKA「RING! RING! プロジェクト」の補助を受けて実施した取り組みをご紹介します。
児童養護施設のワークショップでは、施設の担当職員の方との打合せを密に行い、参加対象となる子どもたちの要望や実態を丁寧にヒアリングして実施を迎えます。ある施設では、自己表現や他者との関わりが苦手な小学生を中心に、身体を動かしながら自信を持って自分を表現することを楽しめるような活動を、という希望を受けて身体表現のワークショップを実施しました。実施期間は11月~3月に全10回、最終日には施設の職員の方などに向けて発表の機会を設けました。
最初は、アーティストの動きの真似などから始まったワークショップですが、それぞれの興味関心の違いや、参加することになった子どもたち同士の関係性を築くことにも時間がかかり、時にはワークが思うように進まないこともありました。
しかし、回数を重ねていくうちに、アーティストに対する子どもたちの信頼も深まり、子どもたち同士のコミュニケーションも豊かになっていきました。互いに身体の一部をくっつけたまま動物の形をみんなでつくってみたり、一人ひとりのアイデアを拾いながらリズムに合わせた振付を考えたりするなど、身体を介した他者とのふれあいや関わりを促すことで、参加している子どもたち同士の関係性が豊かになっていきました。
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また、側転や三点倒立など、子どもたちが得意なことや挑戦してみたいこともワークショップの中に取り入れ、それぞれの個性を発揮する場も設けました。中には、ワークショップ以外に普段の生活でも自主的に練習をするなどの意欲を見せる子もいて、その気持ちを受け止めながら、発表会を設けることにもしました。
発表会では、ワークショップで取り組んできた、視線を合わせたまま相手の動きを感じて即興的に踊ることや、それぞれが考えた振付のシーン、一人ひとりが得意技も織り交ぜてソロで踊るシーンなどで作品を構成しました。
大勢の人の前での発表に緊張や戸惑いもありましたが、終わった後に、大きな拍手と職員の方々からの感想など、たくさんの温かい反応を得て、子どもたちの満足そうな笑顔が見られました。また、発表を終えた後にも、普段の生活の中で職員の方と子どもたちがワークショップや発表のことを話題にするなど、施設内での職員と子どもたちとの関わりの面でも、子どもたちを褒める機会が広がったという声もありました。
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近年、児童養護施設における自立支援の拡充に向け、外部支援団体の支援活動なども多様化していますが、半年近い期間に継続して実施する芸術の分野からのアプローチはまだまだ未開拓の分野と言えます。しかし、ワークショップを実施した施設の方からは、継続実施を希望される声も多くいただきました。ダンスや音楽などの表現活動という新しい手法、今までとは違った視点で子どもの自尊感情や自己肯定感の育成に寄与できるよう、これからも事業の拡充につとめていきたいと思います。
※児童養護施設とは、保護者がいない、虐待を受けているなど、様々な家庭の事情により、家族と暮らせない子どもたちが生活する施設です。厚生労働省による2013年の調査では、入所児童の内、虐待を受けた経験のある子どもの割合は59.3%、何らかの障害のある児童は28.5%に上り、一人ひとりの特性に合った支援の充実が求められています。また、大学などへの進学率は22.9%と一般に比べて低く、自己肯定感をもって自分らしく生きる力を育むなど、自立支援の拡充も大きな課題となっています。
※公益財団法人JKA「RING!RING!プロジェクト」
https://www.ringring-keirin.jp/ 

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久しぶりに石がまを稼動しようとことになり、この日は朝からメンバーやスタッフが集まってランチの準備をしました。わけあって石がまを稼動できるのはこれで最後かもしれないので、フォカッチャやお肉など豪華なメニューを用意しました。陽気な天気と、この日が最後のスタッフのお別れもあって30名近いメンバーが勢ぞろいし、校庭に咲いたお花を愛でながらの賑やかなお花見デーとなりました。
畑で一番の人気者の石がまを「やるよ!」というと、朝からぞくぞくと人が集まります。石がまに火が入ると木が燃えるいい香りがして「わぁ!」と歓声が上がり、畑で野菜を収穫したり、手入れをしているメンバーが集まってきます。少し遅れて到着したメンバーも、また、煙に誘われてやってきます。室内で作っていた料理が石がまの中に投入されると、また人が集まり、みんなただただ石がまの中を見ながら井戸端会議。ついでに焼き芋を焼いたりしながら料理ができるのを待ちました。
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ちょうど準備が整った頃、メンバーの男児が誘った(なんて社交的!)ご近所さんのおばあちゃんたちも集まりました。「ぼっちゃんが誘ってくれて」と大変嬉しそう。「校庭がにぎやかになって本当にうれしい」との言葉にみんな頬がゆるみました。ちょっと焼きすぎたフォカッチャと、畑の恵みをふんだんに使ったお肉のローストはすごく美味しくて、大きく成長した子どもたちがあっという間にたいらげてしまいました。他にも自宅から惣菜を持ち寄ってくれた方たちもいて、それは楽しい大宴会でした。
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2005年より事業としてスタートし、2006年より畑づくりを始めたグリグリは、来月より現行メンバーを中心とするサークル活動として継続していきます。スタッフによる日記はこれで最後になりますが、今後とも活動を見守ってくださいますようよろしくお願い致します。

今回は、いつものえほんの会と違って「人形劇」がやってきました!
えぽんず俳優メンバーの田中晶さんと、ゲストに人形操者の千田庸子さんとで、とっても愛らしく心がぽかぽかするような人形劇が行われました。
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教室にあるのは、人形劇用の舞台の枠組みだけ。「ここに、みんなで野原をつくりましょう!」とえぽんずさんの誘いかけに、大人も子どもも、紙に葉っぱや花や動物を好きに描き、ぺたぺたと舞台に貼り付けていきます。すると、素敵な野原の舞台が出来上がりました!
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いよいよ劇のはじまりはじまり。
最初の演目は、「えほん」。女の子が置いていった本のもとに次々と動物がやってきて、いろいろな反応を見せます。いったい何の本を見ているのでしょう…。その結末に、大人は「う~ん、なるほど!」とうなりました。
次の演目は「へんなじゅうたん」。ねこが一生懸命に絨毯を広げるのだけれど…。ねこの格闘や、効果音に、ちいさな子もワハハ~と笑顔で楽しんでいました。
次の演目は「ちいさなオリンピック」。2匹のクマが、いろんな運動を始めます。そのけなげな姿に、思わず「がんばれー!」と声援があがりました。
みんなで手を加えてつくった舞台の上で人形が動き出す様子に、大人も子どもも嬉しさ倍増、とっても愛おしげに人形をみつめていました。
劇のあとには、田中晶さんが、手袋を使った簡単な人形づくりを行いました。みんなでつくった人形を手にはめ、「こんにちは」とご挨拶。それぞれの人形劇がはじまりそうな瞬間でした。
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会が終わったあとは、特別に、人形に触れさせてもらいました。どの人形も、とても表情豊か。色合いや毛並みもそれぞれで、命が吹き込まれているようでした。
午後の会には、「えほんの会」の常連さんである男の子が、なんと自作の人形劇を家から持ってきて披露してくれました!演じてくれたのは、「三びきのやぎのがらがらどん」。手作りの人形に、セリフや歌も加わって、そのクオリティーにびっくり!将来は劇作家か演出家か??あったか~い劇に、心ほっこり。
人形劇づくしの時間に心が和みっぱなしの、1月のえほんの会でした。
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☆1月のえぽんずさん:田中晶さん(俳優)
 ゲスト:千田庸子さん(人形操者)

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寒空の下、10名ほどのメンバーが集まりメンバーズワークデーを開きました。本来はメンバーのみで半日ほど作業するものですが、今日はスタッフも2名参加。小一時間畑の手入れやぶどうの剪定、レモンの冬支度をしました。
ぶどうのツルは春から秋にかけてぐんぐん伸び、4mくらいの長さに伸びて、棚からはみ出し隣の桜の木にまで絡まっていました。そこにぶどう棚の脇に植えてあるホップも絡まって、ちょっとしたお化けの形相。乾いたツルは頑丈なので、全身を使って思い切りひっぱったりしながらどんどん短く切っていきました。ツルの中から見つかったぶどうは姿形がそのままドライになっていて、「ミイラ!」と失笑。さっぱり散髪すると黄色の棚の向こうに青空がくっきり。根元には肥料を与えて、冬越えの準備完了です。
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畑ではきれいな色のトウガラシの名残が残っていて、モノトーンの畑に色を添えてくれました。レモンは大きく成長しちゃって越冬のためのカバーがはちきれんばかり。なのに大きくなってもなかなか花をつけないのは、日当たりの悪さが影響しているのか。。。
作業終了後には、畑のぶどうでシロップを作ってくれたボランティアスタッフの差し入れで、ぶどうサイダーをいただきました。「うぁ美味しい!!」マスカットのような爽やか系の、味わったことのないぶどうの香りにみんな感動。4年くらい育ててきて初めての収穫&テイスティングでした!IMG_4453 (640x480).jpg20150118 (1).jpg